エルミタ的「編集部で使ってみた」

既存環境でも効果あり。802.11ax対応無線LANルーターASUS「RT-AX88U」を試す

2019.01.10 更新

文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹

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ASUSTeK Computer Inc.(本社:台湾)より、次世代無線LAN規格IEEE 802.11ax(ドラフト版)に対応する無線LANルーター「RT-AX88U」の発売が開始された。対応子機が存在しないため、いまのところその実力を最大限に発揮することはできないが、既存環境への導入でどのようなメリットがあるのだろうか。今回は国内法人であるASUS JAPAN株式会社(本社:東京都千代田区)協力のもと、実機を入手。早速その実力を検証していこう。
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ASUS「RT-AX88U」 市場想定売価税込49,000円前後(2018年12月21日発売)
製品情報(ASUS

「Wi-Fi 6」こと次世代無線LAN規格IEEE 802.11ax

まず本題に入る前に、次世代無線LAN規格IEEE 802.11axについて、軽くおさらいしておこう。2014年に策定(承認)された先代規格IEEE 802.11acでは、複数デバイスとの同時通信を可能にする「MU-MIMO」や、周波数帯域の拡張、「256QAM」変調方式の対応により、帯域幅は最大6.93Gbpsにまで向上した。一方で、多くのデバイスが存在する電波の混雑した環境では、スループットが低下してしまうという欠点があった。

そこでIEEE 802.11axでは、1つのチャンネルを最大9ユーザーで共有するチャンネル分割技術「OFDMA」(直交周波数分割多元接続)や、「MU-MIMO」の上り通信サポート、先行する通信でチャンネルを使用している場合でも、影響が小さい時には通信を可能にする「Spatial Reuse」などのマルチ通信向け技術を新たに採用。これにより、混雑した環境ではIEEE 802.11acと比較して、4倍以上のスループットを発揮するとしている。

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IEEE 802.11axで使用されるチャンネル分割技術「OFDMA」は、IEEE 802.11acの「OFDM」よりも混雑時により効率な帯域の運用ができるという

さらに転送速度は、「1024QAM」変調方式によって最大9.6Gbpsに向上。またデバイスのデータ送信間隔を調整してバッテリー消費を抑える「TWT」(Target Wake Time)や、IEEE 802.11acでは省略されていた2.4GHz帯のサポートなどの改良が加えられている。

ちなみにIEEE 802.11acの正式策定は2019年中予定で、技術的にはほぼ最終段階に入っているが、現在はドラフトの段階。また無線LAN標準化団体Wi-Fi Allianceによって名称は「Wi-Fi 6」になることがアナウンスされている。

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「Wi-Fi 6」の名称に合わせて、正式にはIEEE 802.11acは「Wi-Fi 5」、IEEE 802.11nは「Wi-Fi 4」と呼ばれることになる

最大転送速度4,804Mbpsの超高速無線LANルーターASUS「RT-AX88U」

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そんなIEEE 802.11axのドラフト規格に準拠する無線LANルーターが、今回の主役であるASUS「RT-AX88U」だ。160Hzのチャネル幅や、「1024QAM」変調機能により、IEEE 802.11axでは5GHz帯で最高4,804Mbps、2.4GHz帯で最高1,148Mbps、現行のIEEE 802.11acでも最高3,466Mbps(NitroQAM時は4,333Mbps)の高速データ転送を可能にしている。

また4本の大型外部アンテナは、デュアルバンドの「4×4 MU-MIMO」をサポート。接続推奨台数は21台、建物の広さは一戸建てなら3階建て、マンションなら4LDKまでカバーでき、一般家庭ならこれ1台でまかなうことができるだろう。さらに電波強度が不足する場合には、無線LANルーターを追加してメッシュネットワークを構築する「AiMesh」機能を利用することで問題を解消することができる。

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IEEE 802.11ax対応子機は必要になるが5GHz帯でなら最高4,804Mbpsの高速転送が可能 よほどシビアな環境でなければ、電波強度や接続台数が不足することはないだろう

その他、ゲームパケットを優先的に送信し、よりスムーズにオンラインゲームを楽しめる「Adaptive QoS」や、独自に開発された「Gamers Private Network」(GPN)によって通信経路を確保し、ゲームのpingとラグを最小限に抑える「wtfast」、トレンドマイクロのセキュリティ技術を採用したネットワーク保護機能「AiProtection」、デバイスの位置を検出して電波を集中的に送信する「AiRadarビームフォーミング」、電波の有効範囲を拡張する「RangeBoost」など、豊富な独自機能を搭載しているのも特徴だ。

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ブラックをベースにしたシックなデザインのパッケージ。サイズは実測385×250×125mmで、ルーターとしてはかなり大きい

そして、これらの豊富な機能と高速データ通信を支えるため、プロセッサにはデスクトップCPUに匹敵するパフォーマンスを備えた64bit対応のBroadcom「BCM4908」(クアッドコア/1.8GHz)を採用。メインメモリは1GB、ストレージは256MBフラッシュメモリで、ネットワークインターフェイスはギガビットWAN×1、ギガビットLAN×8を搭載。さらにストレージやプリンタを共有するためのUSB3.1 Gen.1も2ポート実装する。

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