エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.596

侮れない簡易水冷のエントリーモデル。Cooler Master「MasterLiquid Lite 120」を試す

2017.09.10 更新

文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕/池西 樹(テストセッション)

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ファンを超低速回転した場合の実力をチェック

消費電力が100W以上増える4.00GHzのオーバークロックにも対応するなど、優れた冷却性能を発揮する「MasterLiquid Lite 120」。最後にファンの回転をギリギリまで落とし、極静音動作時の冷却性能をチェックしてみることにしよう。なおファンの制御にはマザーボード付属の「FAN-Tastic Tuning」を使用し、ファンの回転が停止しないギリギリのライン15%(約580rpm)まで落とした状態で検証を行った。

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CPUの温度が70℃までは、ファンの回転が停止しないギリギリのラインとなる15%で動作するように「FAN-Tastic Tuning」で設定
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「HWMonitor」で回転数を確認するとおおむね580rpm前後で推移
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もともと冷却性能が飽和しているアイドル時はほとんど違いなし。高負荷時の温度は標準回転時に比べると+11℃の64℃まで上昇しているが、こちらも動作が不安定になることはなかった。さらに「OCCT 4.5.2」の負荷テストを延長し2時間ほど動作させてみたが、温度が上がることはなく、回転数は常に一定のままテストを完了することができた。Ryzenシリーズとの組み合わせであれば、かなり回転数を抑えた運用も十分実用的だ。

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最後に騒音値を確認すると、ファンの回転を一定にしているため、アイドル時、高負荷時とも暗騒音+1.1dBA33.2dBAで頭打ち。バラック状態でも風切り音を感じることは一切なかった。セミファンレスに対応するグラフィックスカードや電源ユニット、さらに静音ファンを組み合わせてやれば、極静音・ハイパフォーマンスなPCを構築できる。

平然と仕事をこなすコストパフォーマンスモデル

今から10年以上前、Cooler Masterに水冷ユニット「AQUAGATE」(型番:ALC-U01/2004年4月発売)と言う製品があった。5.25インチオープンベイを2段占有するユニット(ポンプ&ラジエター)本体と、ウォーターチューブで構成。円形の液晶パネルが付く本体は、ATX電源ユニットの搭載スペースへの固定、さらに外付けでも運用できる3wayスタイルを採用。簡易水冷ユニットがまだ普及していなかった当時、自作魂を揺さぶる斬新な製品であり、かく言う筆者も愛用者の一人だった。
 5.25インチに収められた「AQUAGATE」は、常に”強烈な存在感”を放っていた。ただしそれは、自作PC水冷化1号機を所有する喜びではなく、「故障するかもしれない」という懸念が大半を占めており、頻繁に温度表示を見ていた記憶がある。簡易水冷の黎明期はそんな時代であった。

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そして約13年を経た現在、新製品としてリリースされた「MasterLiquid Lite 120」は、空冷と変わらぬ扱い易さで、特別なスキルを必要とせず導入できる。また冷却性能テストでは、発売以来人気の高いAMD Ryzen 7 1800Xを使用。定格では53℃、4.00GHz駆動時では66℃と、シリーズ最エントリーモデルを感じさせない数値を計測している。常用稼働において、これ以上の冷却能力が必要と言うことはまずないだろう。

もちろん「AQUAGATE」のような”強烈な存在感”は無い。すぐに搭載している事すら忘れてしまうだろう。PCケースの中に収められた「MasterLiquid Lite 120」は、平然と仕事を続けてくれる。

協力:Cooler Master Technology

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