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 Home > エルミタ的「一点突破」 PCケース編 Vol.5 Cooler Master「HAF 912 Advanced」検証
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「HAF 912 Advanced」実際に組み込んでみる

 「HAF 912 Advanced」を一通りチェックした後は実際に組み込みを行い、良い点、気になる点などを確認してみたい。


■テスト使用機材

 2011年度第1弾という事で、今回からテスト機材を一新。1月9日0:01に販売が解禁されたSandy Bridge「Intel Core i5-2500K」、マザーボードにP67 ExpressのASUSTeK「P8P67 DELUXE」(ATX)、グラフィックスカードにSAPPHIRE「SAPPHIRE HD6970 2G GDDR5」(型番:21179-00-40R)を用意した。しばらくの間「一点突破 CPUクーラー編」もこの構成で行く予定。

HAF 912 Advanced HAF 912 Advanced
HAF 912 Advanced 【主な機材構成】
・Intel「Core i5-2500K」
・ASUS「P8P67 DELUXE」
・SAPPHIRE「HD6970 2G GDDR5」
・CORSAIR「CMZ8GX3M2A1600C8」
・CORSAIR「CMPSU-850AXJP」
・Western Digital「WD10EARS」
・LG「GH24NS50」
・Windows 7 Ultimate 64bit



「HAF 912 Advanced」の有効スペース

 組み込みを行う前に、マニュアルに記載されている“Warning”を見ておこう(下図マニュアルより抜粋)。
 一目瞭然、ここではケース内部の有効スペースが記されている。ここで重要となるのは「175mm」と「270mm」で、前者は有効CPUクーラーの高さ制限、後者はグラフィックスカード搭載可能幅となる。
 CPUクーラーのH175mmについては、とてつもなく大型のモデルでない限り、ほとんどの汎用製品がこの範囲内に収まるだろう。
 また270mmのグラフィックスカード有効スペースだが、これについては実際の搭載画像で説明しよう。

HAF 912 Advanced
マニュアルに記載されている「Maximum height for CPU cooler」(左)と「Maximum length for GPU card」(右)



さすがに“HAF”なトップ&リアのファンレイアウト

 もはや標準化された電源ユニットボトムレイアウトにより、このモデルでもトップ部に大口径200mmファン(700rpm/19dBA/Red LED)、さらにリア部に120mmファン(1200rpm/17dBA)各1基がL字に配置されている。

HAF 912 Advanced
せっかくなのでSandy Bridge「Core i5-2500K」同梱の純正CPUクーラーを装着してみた

 囲まれるように200mm口径と120mm口径のファンに純正CPUクーラーがレイアウトされると、これで高冷却じゃなくてはおかしいと言った様相になる。
 トップファンは200mm口径の700rpmという緩やかな回転ながらインペラの面積による大風量と、少し前までは主役のはずだったリア排気120mm/1200rpmが生み出すエアフローは強力で、通常使用の範囲であれば、汎用CPUクーラーの必要性も感じないほどだ。
 CPUソケット周りはメモリモジュールやレギュレーターなどの熱源が集中している事から、言うまでもなく「HAF」の高エアフローはその威力を発揮してくれる。シリーズ中最もエントリークラスと言えども、重要ポイントへの配慮はしっかりされているため、ハイスペック構成でも十分対応可能だ。
 また前述通り、CPUクーラー搭載スペースは高さ175mmまでがサポートされている。ちなみに先日テストを行った比較的大型サイドフロー型CPUクーラーとなるCooler Master「V6GT」の高さは165mmなため、問題無く搭載可能範囲内に収められている。

エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.12 CoolerMaster「V6GT」検証(2010/12/4)
http://www.gdm.or.jp/review/cooler/cm/v6gt/index_01.html



“長モノ”グラフィックスカードは搭載できるのか

 PCケース選びでチェックしておかなければならないのは、拡張カードの有効スペースだ。ちなみにミドルタワーPCケースの場合、おおよその奥行きは500mm前後となっている。(「HAF 912 Advanced」は奥行き496mmに対し、公称内部スペースは106mm短い390mm)
 ほとんどの場合このサイズ内でシャドウベイと拡張カードが仲良く分け合う事になるが、ドライブがたくさん搭載できる点も大きなアピールポイントとなるため、おろそかにはできない。
 これをうまく両立させる事こそ設計者の腕の見せ所だが、さて実際に「SAPPHIRE HD6970 2G GDDR5」(型番:21179-00-40R)を組み込んだ所、これ以上は無理というほどキッチリと収めることができた。

HAF 912 Advanced
3.5インチシャドウベイを縦レイアウトにする事でスペースが確保されたケース内でも、奥行き275mmの「Radeon HD 6970」では測ったかのようにギリギリで収めることができた。ただし搭載させる場合、まずは外部インターフェイス側から拡張スロットにはめ込む必要がある
HAF 912 Advanced

 テスト機材「SAPPHIRE HD6970 2G GDDR5」の奥行き公称値は275mm。実際の計測からブラケット厚が含まれているようだが、「HAF 912 Advanced」ではこのサイズがまさに限界であった。
 ご紹介した通り、3.5インチシャドウベイは着脱が可能で、今回用意したグラフィックスカード長以上のもの、またはPCI-Express電源コネクタが縦位置にレイアウトされているモデルを使う場合、最悪これを取り外す事で390mmのスペースが確保できる。ただしこれはストレージスペースとの引き替えだ。HDD(またはSSD)を複数台搭載しないと言い切れれば別だが、将来的なアップグレードを考えた場合、この兼ね合いに頭を悩ませる可能性はゼロではない。



目視レベルでもやや気になった電源ユニット搭載スペース

 次に電源ユニット搭載部を見て行こう。今回テストではCORSAIRの80PLUS GOLD電源「CMPSU-850AXJP」を使用した。ATX電源ユニットサイズは幅150mmと高さ86mmは決定事項、あとは奥行きを気にするだけとなる。(Antecの独自規格モデル等も存在するが)
 「CMPSU-850AXJP」は奥行き160mmのプラグインタイプで、一般的なサイズ。これを搭載させてみたところ、ボトム部に隣接する2.5インチシャドウベイまでの空きスペースは実測値で残り40mmだった。
 ちなみにCooler Masterの80PLUS GOLD電源「Silent Pro Gold 1200W」は奥行き180mmなので、このままでは物理的干渉を起こしてしまう。1000Wクラスの大容量電源の多くは内部構造からどうしても奥行きが長くなってしまうが、その場合は2.5インチシャドウベイを外してしまおう。これでプラス100mmが確保できるようになる。また2.5インチシャドウベイが無くなってしまった場合でも、3.5インチに付属のアダプタを使用すれば、2.5インチSSD/HDDは搭載できる。
 とは言え、グラフィックスカード搭載時同様、こちらもある程度の犠牲との兼ね合いは致し方ない所として割り切り、事前に構成を“脳内自作”で練っておきたい。

HAF 912 Advanced
HAF 912 Advanced
奥行き160mmの「CMPSU-850AXJP」を搭載してみたところ、隣接する2.5インチシャドウベイまで残り40mmだった。これ以上の高出力“長モノ電源ユニット”を搭載する場合は2.5インチシャドウベイを外す必要がある
HAF 912 Advanced 2.5インチシャドウベイは2カ所のネジで固定されており、着脱は容易



総評 「HAF」はこれからも「HAF」であるべき

 「一点突破」PCケース編2011年度第1弾に選んだ「HAF 912 Advanced」は、さすがに熟成されたシリーズのNewモデルたる完成度だった。
 “High Air Flow”がコンセプトの同シリーズは、セールス上でのライバルとも言える自社の人気ミドルタワー「CM 690 II Plus」とは明確なコンセプトの違いとデザインから、市場ではうまく棲み分けができているのではないかと思う。しかしながら、一歩間違えればこの状況は崩れてしまう恐れがある。

 初代「HAF 932」リリースから約1年後、「HAF 922」(RC-922M-KWN1-GP)というミドルタワーが発売されているが、国内市場で流通した仕様とグローバル仕様ではサイドパネル部に違いがあった(遅れること2010年5月には本国仕様「RC-922M-KKN1-GP」も発売)。
 国内仕様はサイドパネルがアクリルタイプにより完全に塞がれ(ファンの増設はできない)、一方グローバル仕様では200mm×1基または120mm×2基が増設できるメッシュ仕様。「HAF」のコンセプトからすれば当然後者だが、恐らくは国内市場に合わせ、静音性(音漏れ)の確保と発売当時の汎用200mmファン入手状況が考慮され、本来オプションであるアクリルサイドパネルを選択したのだろう。ただしこれには異を唱えたい。

 「HAF」は“High Air Flow”それぞれの頭文字を取った確固たるコンセプトを明確に押し出してこそ「HAF」であって、少々乱暴に言えば顔色を窺うかのごとくポリシーを曲げてまで静音云々に気を遣う必要は無かった。ハイエンド指向のユーザーに限らず広く普及している2Slot占有のグラフィックスカードに負荷をかければ、いくらCPUクーラーやケースファンが静音でも意味が無いくらいにVGAクーラーの音がそれに勝る事は誰もが知るところ。ならば拡張カード部分のエアフローを考慮した“High Air Flow”コンセプトで行くべきだった。

HAF 912 Advanced
「HAF」はこれからも「HAF」で行くべき

 ここでの主役「HAF 912 Advanced」と外れた内容になってしまったが、要するにこれからも「HAF」は「HAF」らしく静音などに気を取られずにそのポリシーを貫き通してもらいたいという事。「HAFシリーズ」と「CM 690 II Plus」、いずれも良いPCケースなので、ぶれることなくこれまで通り明確なコンセプトの違いによるコントラストで、自作ユーザーを楽しませて頂きたいと思う。これで「COSMOS」の次期モデルが出れば、最強なトロイカ体制ができあがるだろう。

Cooler Master 「HAF 912 Advanced」 エルミタ的総合評価

【静音性】 4ポイント “High Air Flow”ながら、標準ファンはいずれも低騒音値で稼働し、PCケース単体での騒音値はケース前面から30cmの位置で36.9dBAだった。さすがに低回転の200mmファンながら生み出される風量=風切り音はある程度感じてしまうのは仕方がない。ただしその音は決して耳障りなものでは無い。

【組み込み易さ】 5ポイント 組み込みのし易さは文句なく満点。ややフロントパネルが外しにくかったが(新品だから?)、実際の組み込みでここを外す必要もなく、それ以外の工作精度は高レベルと言える。

【剛性】 5ポイント ミドルタワーPCケースで実売16,000円前後の設定であれば、クラス以上。特にシャーシの剛性は高く、人気ミドルタワー「CM 690 II Plus」よりも確実に上位クラス。

【拡張性】 4ポイント 3.5インチシャドウベイと拡張カード、2.5インチシャドウベイと電源ユニット、両者の物理的兼ね合いはやや気になりつつも、そもそもこのサイズであれば及第点。大型ラジエーターを内部ではなく外部に背負う事ができる等、ケースの性格を変えるほどの可能性を秘めている。

【冷却性能】 4ポイント 標準では3基のファンで運用する点をよく考えてみると、今や大口径ファンも珍しいワケではなく、驚くべき高エアフローとまでは言い辛い。ただしこれまでのテスト結果からも分かるように、ファンは増設すれば全てが比例して温度低下につながるわけではない。それでもトップ200mm、リア120mmがあれば、CPUソケット周りは十分に排熱する事ができる。

【コストパフォーマンス】 4ポイント また引き合いに出して恐縮ながら、「CM 690 II Plus」よりも玄人受けするモデルと言えるのではないだろうか。直接比較では数千円の違いはあるものの、「HAF」を選ぶ理由はちゃんと存在し、買って損は無い。これだけの剛性を考えれば16,000円前後の値付けは妥当。

【エルミタ的検証用PCケース募集】
エルミタ的「一点突破」では検証希望PCケースを募集しています。国内外を問わず、ご興味のあるメーカー様・代理店様は編集部までご一報ください。


機材協力:Cooler Master
© GDM Corporation All Rights Reserved
 
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HAF 912 Advanced
・型番 RC-912A-KWN1
・外形寸法 W230×D496×H480mm
・素材 ボディスチール/副素材プラスチック
・重量 約8.7kg
・5.25インチベイ×4(内1段は付属のアダプタにより3.5インチオープンベイとして使用可能)
・3.5インチベイ×0(5.25インチベイに付属のアダプタを取り付けた場合×1〜
・3.5インチシャドウベイ×6(内2段は付属のアダプタにより2.5インチベイ×1、あたは1.8インチベイ×1として使用可能)
・2.5インチベイ×2(3.5インチベイに付属のアダプタを取り付けた場合×4)
・拡張スロット×7+1(+1は縦配置)
・電源 オプション
・対応 ATX/MicroATX
・ファン
 フロント200mm×1(700rpm/19dBA/Red LED)※120mm×2に換装可能
 リア120mm×1(1200rpm/17dBA)
 トップ200mm×1(700rpm/19dBA/Red LED)※120mm×2に換装可能
 左側面140mm×1または120mm×1(オプション)
・I/O USB3.0×2/USB2.0×2/eSATA×1/ヘッドフォン×1/マイク×1
・市場想定売価税込16,000円前後
・発売日2010年12月10日
製品情報
 
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