エルミタ的「一点突破」 PCケース編 Vol.5　Cooler Master「HAF 912 Advanced」検証

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エルミタ的「一点突破」 PCケース編 Vol.5
Cooler Master 「HAF 912 Advanced」検証

2011年1月16日 2:07
TEXT：GDM編集部松枝清顕

　2011年のエルミタ的「一点突破」PCケース編第1弾は、昨年末12月10日より発売が開始されたCooler Master「HAF 912 Advanced」（型番：RC-912A-KWN1）をお届けする。
　「HAFシリーズ」は、これまで7種類のモデルが日本国内でリリースされている人気シリーズ。“High Air Flow”を頭文字を取ったモデルだけに、いずれも高冷却がそのコンセプトとされている。
　その最新作となる「HAF 912 Advanced」は、同シリーズ中最もコンパクトにまとめられたミドルタワーPCケース。「進化」を意味する「Advanced」に込められたNewモデルの特徴を隅々検証してゆきたい。

［新製品］ CoolerMaster、コンパクトになった高エアフローケース「HAF 912 Advanced」12月10日発売（2010/12/1）
http://www.gdm.or.jp/pressrelease/201012/01_02.html

昨年末、編集部に到着した評価機「HAF 912 Advanced」は未開封品だったため、サイドパネル部には保護シートが貼り付けられたままの状態だった

｜どこが「Advanced」なのか？

　今回の主役「HAF 912 Advanced」の詳細を見て行く前に、これまで日本国内市場でリリースされた「HAFシリーズ」を時系列で確認しておこう。

製品名	奥行き	幅	高さ	重量
HAF 912 Advanced （RC-912A-KWN1）2010年12月	496mm	230mm	480mm	8.7kg
●HAF X NVIDIA edition （NV-942）2010年12月	550mm	230mm	599mm	14.35kg
HAF 922 RED REVOLUTION （RC-922M-RWN1-GP）2010年9月	563mm	253mm	502mm	8.7kg
●HAF X （RC-942-KKN1）2010年8月	550mm	230mm	599mm	14.35kg
●HAF 932 AMD Edition （AM-932-RWN1-GP）2009年11月	564mm	243mm	560mm	13.2kg
※ HAF 922 （RC-922M-KWN1-GP）2009年7月	563mm	253mm	502mm	8.7kg
●HAF 932 （RC-932-KKN1-GP）2008年8月	564mm	243mm	560mm	13.2kg
（●）はフルタワーモデル ※サイドパネル違いのHAF 922（RC-922M-KKN1-GP）は2010年5月発売

「HAFシリーズ」の初代モデル「HAF 932」

　「HAFシリーズ」初代モデル「HAF 932」（型番：RC-932-KKN1-GP）が登場したのは今から2年以上前の2008年8月、市場では折しも前年10月にデビューした「CM 690」（型番：RC-690-KKN2-GP）人気が上昇中だった。ご存じの通りこちらも多くのファンが搭載できる高エアフローPCケースだけに、「ライバルは身内にあり」といった中でのリリースとなった。
　ただし「CM 690」はミドルタワー、「HAF 932」はフルタワーという明確な棲み分けに加え“High Air Flow”をキーワードに、ゲーミングPCケースである事を前面に押し出す、Cooler Masterとしては初の試みの製品だった。そして徐々に認知度が上がり、今回取り上げる「HAF 912 Advanced」を加え国内市場では全7機種にまで増殖している。
（注※カラーバリエーションを含むため、純粋には4種類）

　エルミタでは2009年7月には「HAFシリーズ」2モデル目となる「HAF 922」の詳細レビューをお届けしているが、以来1年半の歳月を経て登場した「HAF 912 Advanced」は、どの部分が“Advanced”なのだろうか。

エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.13 CoolerMaster特集エアフローで見るオーバークロック向けPCケースの新定義 HAF 922編（2009/7/28）
http://www.gdm.or.jp/review/cm_review02/index_01.html

｜歴代「HAFシリーズ」のサイズ比較

　何も勿体ぶっているワケではないが、いつも通り外観チェックからスタートする前に、「HAF 912 Advanced」と歴代モデルとの関係をもう少し把握しておきたい。
　冒頭触れたように、「HAFシリーズ」はこれまで7機種が国内リリースされており、この際カラーバリエーションを消去してもボディは4タイプが存在する。大概このような展開を見せるPCケースは、フロントフェイスデザイン変更や搭載ファンのLED化（その逆もしかり）、防音シートの有無など、共通シャーシ＋デコレーションという手法が取られている。それでもメーカーはマイナーチェンジとは言わず、あくまで“新型モデル”と言い切るから始末に悪い。
　さて「HAFシリーズ」はと言うと、統一されたデザインではあるものの、ボディサイズはもちろん、内部にも精力的に手が加えられ、それぞれに違った性格を持たせている。職業柄、常日頃Cooler MasterのPCケースに触れる機会が多い筆者でさえも外観で型番を言い当てる事は既にできなくなってしまった。

　このように並べてみると、国内リリース7台中、4種類のシャーシ&ボディが使われている事がわかる。複数型番のあるモデルはいずれもカラーバリエーションというワケだ。
　今回の主役「HAF 912 Advanced」はシリーズ中、最エントリークラスの位置付けでリリースされているが、そこは最新モデル&最新シャーシの採用だけに、完成度の高さは大いに期待したい。

｜価格で見る「HAFシリーズ」

　最後に歴代「HAFシリーズ」の価格帯をそれぞれ比べてみたい。

　リリース時の販売価格で見比べてみると、新製品「HAF 912 Advanced」は最もエントリークラスである事は一目瞭然。
　シリーズアッパーモデルの「HAF 932 AMD Edition」「HAF X NVIDIA edition」（29,800円前後）のほぼ2分の1となる。つまり「HAFシリーズ」は16,000円から30,000円クラスまで、多種多様なモデル展開というわけだ。これほどのバリエーション（内外装および価格）をもつシリーズを持ちながら、「CM 690II Plus」や「Centurion 5 II」、「COSMOS」、「Elite」などの著名なPCケースをラインナップするCooler Masterは、非常に懐が深いと言える。個人的にはこの調子でCPUクーラーも頑張って頂きたいと思う次第。

・次は「HAF 912 Advanced」の外観・内部ディテールのチェックを行ってみたい。「HAFシリーズ」エントリークラスの出来映えは？

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・型番　RC-912A-KWN1
・外形寸法 W230×D496×H480mm
・素材ボディスチール/副素材プラスチック
・重量約8.7kg
・5.25インチベイ×4（内1段は付属のアダプタにより3.5インチオープンベイとして使用可能）
・3.5インチベイ×0（5.25インチベイに付属のアダプタを取り付けた場合×1～
・3.5インチシャドウベイ×6（内2段は付属のアダプタにより2.5インチベイ×1、あたは1.8インチベイ×1として使用可能）
・2.5インチベイ×2（3.5インチベイに付属のアダプタを取り付けた場合×4）
・拡張スロット×7+1（+1は縦配置）
・電源オプション
・対応 ATX/MicroATX
・ファン
　フロント200mm×1（700rpm/19dBA/Red LED）※120mm×2に換装可能
　リア120mm×1（1200rpm/17dBA）
　トップ200mm×1（700rpm/19dBA/Red LED）※120mm×2に換装可能
　左側面140mm×1または120mm×1（オプション）
・I/O USB3.0×2/USB2.0×2/eSATA×1/ヘッドフォン×1/マイク×1
・市場想定売価税込16,000円前後
・発売日2010年12月10日
・製品情報

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