returns to
エルミタージュ秋葉原
 「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」
 Home > エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.3 「Thermaltake Contac 29」(型番:CLP0568)検証
the Voices 秋葉原Shop生の声
the Price アキバShopプライス画像掲示板
Special Price アキバShop特価品情報
PC Calender エルミタージュ的ロードマップ
Press Room リリース・トピックス・情報レビュー
Database エルミタージュ的データベース
Shop List 秋葉原Shopリスト
Akihabara Map 秋葉原Shop地図
Manufacturer List PCパーツメーカーリスト
Paet-time Job PC業界リクルート情報
Research 店員に聞く
携帯版エルミタージュ秋葉原
広告掲載について
情報・リリース窓口
About Us エルミタージュ秋葉原
 
title

冷却能力(温度)、騒音値、回転数テスト

 今回はまずお断りをしておかなけばならない。それはテスト環境の室内温度だ。第1回は18℃、第2回は17℃環境下であったが、今回は13℃となっている。当日(3月10日深夜1:40)は関東地方も雪に見舞われ、室内温度がなかなか上がらない状態だった。スケジュールの都合上、強行でテストを行ったことを少々後悔しているのだが、ご勘弁頂きたい。ではテスト行う前に、ファンスペックをもう一度確認しておこう。

 「Contac 29」には800-2,000rpm(15-33.2dBA/29.434-72.084CFM)のフェニックスサイレントファンが搭載されている。また「Contac 29」のポイントを以下通りにまとめてみた。

Thermaltake「Contac 29」のポイント
・小軸モータ&大羽面積フェニックスサイレントファン
・ファンに対してエアフローはストレート方向のみに抜ける

ダイレクトコンタクトデザインφ8mmヒートパイプを採用
・放熱フィン枚数54枚とやや多め

 これから行うテストでは、必ずしもこれらのポイントの恩恵である確証を得ることはできないだろう。ただしこれらの特徴を念頭に、数多あるCPUクーラーの中から可能な限り最良な選択をする作業において、少なからずプラス材料になればと思う。では計測に移ろう。今回も「OCCT 3.1.0」で100%負荷状態を作り、「SpeedFan 4.40」で回転数および温度状況をチェックしている。
Contac 29
テスト当日の天気は雪。3月だというのに人間にとっては辛い寒さだが、PCにとってはリゾート地のような快適さなのかもしれない

test
test02


ヒートシンク各部の温度計測

 「Contac 29」では合計7カ所で温度計測を行った。これまでのモデルとは違い、放熱フィンの形状からFに当たるベース部の計測が容易だった。本来であれば熱源であるCPUコアに最も近いこの部分の温度はどこよりも高くなると予測するのが自然ではないだろうか。テスト結果を見る前に、予測を立ててみて欲しい。
Contac 29
今回の計測は7カ所。これまでのテストで判明している傾向として言えるのは、当然ながらグラフィックスカード隣接側となるAおよびEは温度が上昇する。GPU裏からの発熱の影響と、グラフィックスカードとCPUクーラー間が熱籠もりとなってしまうためと思われる
  @ A B C D E F
アイドル時(℃) 18.1 18.3 15.3 16.8 18.4 23.1 18.9
100%負荷時(℃) 25.6 19.3 14.7 16.8 18.8 27.8 22.8

 テスト前にFのカ所が最も高温になると想像したが、実は100%負荷時でEの27.8℃が一番高い温度という結果になった。ただしこの場所はグラフィックスカードから出る熱の影響をかなり受ける事が分かっている。それを差し引いた場合、@のトップ部分(25.6℃)が意外にも高温になっている。
 このことから、「Contac 29」ではダイレクトタッチのヒートパイプが非常に効率よく熱を移動させている事が分かるだろう。今回は非常に興味深い結果を得る事ができた。


総評 -ファンとヒートシンクのマッチングに若干課題あり?-

Thermaltake 「Contac 29」総合評価
評価
総合評価

 Thermaltake「Contac 29」のエルミタ的総合評価は16.0ポイントとした。ただしこの数字は限りなく17.0ポイントに近い。その理由は以下項目毎の総評で解説しよう。

【静音性】 (限りなく4.0pointに近い)3.5point
  「Contac 29」のウリでもあるオレンジインペラ採用小軸ファン、「フェニックスサイレントファン」だが、ファン単体で回す分には十分静音性が高いモデルと言える。ただし、クーラーとしての冷却ファンになると、放熱フィンとのマッチングが影響しているのか、数値を見ると回転数に対して騒音値がやや高いという印象がある。
 これが風切り音と想像できるのは、小軸仕様から大面積を稼ぎ出した羽形状に起因しているのかもしれない。つまり、低回転=大風量からくるもので、解釈がやや難しい。とは言うものの耳障りな音ではないため、さほど五月蠅いと感じる事はないだろう。繰り返しとなるが、「フェニックスサイレントファン」単体での出来は良く、3.5point以上の製品でである事を付け加えておきたい。

【冷却性能】 4.5point
 こちらは問題なく高得点。スペック上、最大2,000rpmまでまだ500rpmほどの余裕を残し、Intel Core i5-750純正クーラーに比べて良好なスコアを叩き出している。ただし最高回転に達すると恐らく50dBAを超え、静音性のポイントに影響が出てくるだろう。トータルバランスから考えると、筆者ならCore i5-750クラスでのチョイスならば最良ではないかと思う次第だ。またダイレクトコンタクトデザインφ8mmヒートパイプについては、各部温度計測でも分かるとおり、効果的に熱移動が行われているようだ。必ずしもヒートパイプの本数が多ければ良いというわけではない事が実証されている。

【取り付け易さ】 4.0point
 AMD系はレバー式なので問題無いが、Intel系は少々難アリと言わざるを得ない。先ほども説明した通り、ファンを搭載したままの状態でプッシュピンを押す作業は3.5pointに近い4.0pointで、狭いケース内での作業は覚悟が必要だ。諸悪の根元はファンを後付けできない点。この事からファンの搭載方法は、プッシュピンならワイヤークリップ式、防振ゴムブッシュ等にしたい場合はネジ留めバックプレート式が正解ではないだろうか。

【コストパフォーマンス】 (限りなく4.5pointに近い)4.0point
  トータルポイントに近い項目だが、売価4,000円前後の製品であれば、不満は無いだろう。作りもしっかりしており、同クラスのライバルとなるCPUクーラーと比べて遜色は無く、大きく気になる点も見当たらない。ただしここではテスト機材以上にTDPの高いプロセッサを使った場合の「余力」も考慮させて頂いている。
 ここではCore i5-750を使用しているが、「Contac 29」が持つ性格は、オーバークロックまで対応したオールラウンダーという位置付けでは必ずしもないだろう。今回は4.0pointとしたが、エルミタらしく“限りなく4.5pointに近い”価値はあるとしつつ、後のジャッジはユーザー自身に委ねる事としたい。

 各項目毎に重箱の隅を突いてみた。どうしても気になったのが静音性でも触れた「フェニックスサイレントファン」とヒートシンクのマッチングだった。特性上、低速でも大風量になるファンだけに、放熱フィンから出る風切り音が、ある時点から気になることがあった。これも敢えて“耳が聴きに行けば”的なレベルなので、ケース内稼働においてはさして問題にはならないだろう。ただし目線を同じくして耳を傾けると、風量と共に早い段階で独特の音が聞こえてくる。
 冷やしたければ風量が必要である事は言うまでもなく、しかしながら静音性をも求めるならばヒートシンクの能力が必要になってくる。このバランスは非常に難しく、CPUクーラーには付き物の大いなる課題で、クーラーメーカーとしては悩み所なのだろう。
 任意でファンを換装する等も自作の楽しみ方だが、せっかくの「フェニックスサイレントファン」だけに、なかなか判断が難しい所だ。

■次回予告 Thermaltake「Frio 冷却魂」で“一点突破!”
 2010年度前半のThermaltakeフラッグシップモデルを徹底検証。期待のNewモデルの実力に迫る。

【エルミタ的検証用CPUクーラー募集】
エルミタ的「一点突破」では検証希望CPUクーラーを募集しています。国内外を問わず、ご興味のあるメーカー様・代理店様は編集部までご一報ください。
 
機材協力:日本サーマルテイク株式会社
© G&D matrix All Rights Reserved.

toppage  
前のページに戻る

 
title
Contac 29
・ヒートシンク寸法 L120×W50×H159mm
・ヒートシンク材質 アルミニウムベース/アルミニウムフィン
・ヒートパイプ φ8mm×3
・ファン寸法 120×120×25mm
・定格電圧 12V
・定格電流 0.04A(Max 0.19A)
・標準電圧 6V
・入力0.48W(Max2.28W)
・ファン回転数 800-2000rpm
・最大風量 29.434-72.084CFM
・最大風圧 0.356-1.985(mmH2O)
・ノイズ 15-33.2dBA
・平均寿命 30,000時間(MTBF)
・接続コネクタ 4pin(PWM)
・重量 558g
・実勢価格税込4,000円前後
(2010年3月現在)
メーカー製品情報
 
夜叉検証
Venomous X
PhotoFast
PhotoFast
H55
Atom
 
 
 
GDM Copyrightc1997-2012 GDM Corporation All rights reserved 掲載記事の無断転載を禁じます