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 Home >エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.151 トランスフォームする“変態”グラフィックスカード、MSI「R7770 TransThermal OC」で遊んでみた
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3つの顔を持つ「トランスサーマルクーラー」

 このグラフィックスカードで最も注目されるのは、やはり「トランスサーマルクーラー」の存在だろう。
 最初にこのギミックを資料ベースで見た時、正直“なんだこりゃ”的な印象を持った。しかし実際に評価サンプルに触れると、これが実によくできている。百聞は一見にしかずとはこのことだ。

茶箱の中には青色フレームの90mmラウンドファンが収められている。これが「トランスサーマルクーラー」の要となる重要なアタッチメントとなるワケだ

 これまでの常識でいけば、ファーストリリースのリファレンスモデルを軸に、オリジナルVGAクーラーを搭載させた数種類のバリエーションで同一GPUのラインナップを増やしていくパターンが多い。しかし「R7770 TransThermal OC」は、スライド式VGAファンカバーと付属の90mm口径ラウンドファンにより、VGAクーラーが3つのスタイルに姿を変える。使用アプリケーションに合わせて都度使い分ける、、、という手軽さはないものの、構成パーツと用途にあったスタイルがチョイスできるという、これまでにない意欲的な試みは十分注目に値するギミックだ。

同梱されている「トランスサーマルクーラー」のQuick Installation。図説で十分に理解できるのは、それだけ複雑な機構ではない証。扱い易さは重要なファクターだ

 では3つのスタイルに姿を変える「トランスサーマルクーラー」を画像で解説していこう。なお各々の特色ついては、乾電池に置き換えると理解しやすいかもしれない。シングルファンモードは乾電池1本、ダブルエアフローモードは乾電池2本の直列、デュアルファンモードは、乾電池2本の並列といった具合だ。



オーソドックスなデフォルト状態「シングルファンモード」

 「シングルファンモード」は、いわゆる“ツルシ”状態の最もオーソドックスなスタイル。90mmラウンドファン1基をGPUの真上に装備し、淡々と仕事をこなす。
 このモードで運用する場合、VGAクーラーとPCBはほぼ同一サイズで、実測値約220mm前後。スペースに余裕が無いPCケースでも大口径ファンにより、高い冷却能力を発揮する。

最もオーソドックスな「シングルファンモード」
VGAクーラーカバーとPCBの末端はほぼ同じ。実測値約220mmはどんなPCケースでも搭載できるだろう


静圧能力を高めた「ダブルエアフローモード」

 「ダブルエアフローモード」は、同梱の90mmラウンドファンを標準ファンの上に装着させる事で、より高い風量を稼ぐ事を目的としたスタイル。正確に言えば静圧を高める事で、放熱フィンとGPUにより高いエアプレッシャーをかけ、冷却能力を向上させるというものだ。理論上、その手法に異論は無いものの、3Slotを占有してしまう点を覚えておかなければならない。

付属の90mmラウンドファンを、標準ファンの上に載せる事で冷却能力を高める狙いがある「ダブルエアフローモード」。なお追加ファンは、カード側面にある専用2pinコネクタから電源が供給される
強力なダブルエアフローの代償はカード厚が3Slot占有になること。とは言え、マルチグラフィックス構成を考えなければ気にする事はない。実測値で厚さは約55mmだった


90mm2基を並べて搭載する「デュアルファンモード」

 デフォルトの90mmファンと付属の90mmファンを並列レイアウトさせる「デュアルファンモード」は、見た目のインパクト的に“最も冷却能力が高そうな” スタイル。面積の広い放熱フィン全体に風をあてる事ができるため、ヒートシンクを素早く冷却し、加えてGPUと電源周りの広範囲に渡ってエアフローの恩恵を受けることが期待できる。
 PCケース内部の拡張カード有効スペースに余裕があれば、多くの人はこのスタイルをチョイスしたくなるだろう。

デフォルト状態からVGAクーラーカバーを後方へスライドする事で、これまで隠れていた放熱フィンが露わに
付属の90mmを装着すると、「デュアルファンモード」の完成。VGAカバーをスライドさせても全体のスタイルが崩れない。実際の動作には関係ないワケだが、よくできている
プラスチックカバーの伸縮ギミックは、標準搭載ファン両側面にあるツメを押すことでロックを解除し、横方向へスライドさせる。ガタツキ防止の観点から、ロックはやや硬く、さらにネジ留めもできる
気になる最大奥行きサイズは実測値約260mmで、標準スタイル比プラス40mm。後付けファン口径は90mmである事から、デフォルト状態であらかじめ50mm以上のスペースは確保されている計算になる



「トランスサーマルクーラー」の構造をチェックしてみる

 3種類のスタイルに変更できるギミックは、放熱フィンを覆うスライド式プラスチックカバーのなせる技。やや“イロモノ”的に見られがちだが、非常によくできた“至ってマジメな機構”だった。ではここで「トランスサーマルクーラー」のヒートシンク部分にも着目しておこう。

スライド式プラスチックカバーのギミックとは裏腹に、設計はオーソドックスなヒートシンク部分。RAMチップと接触する受熱プレートと、電源周りを担う両サイドに渡るベースプレートで構成される
GPU受熱ベース部は銅製。平型ヒートパイプは1本で、プレート全体に熱を行き渡すレイアウトが採用されていた
よく見ると電源周りの受熱を担当するプレート部は後付けではなく、熱伝導ロスがない放熱フィン一体型



「トランスサーマルクーラー」各モード別回転数計測

 3種類各々のスタイルと特徴をチェックしたところで、最も気になるVGAクーラーとしての能力をチェックしてみよう。冷却機器としての実力は、後ほど行うベンチマークテストセッションで計測することとし、まずは各モード別の冷却ファン回転数をみていきたい。

「トランスサーマルクーラー」各モード別回転数計測

 負荷状態により可変する90mm冷却ファン。アイドル時は973〜1,157rpmで、各モード共に推定スペック1,000rpm±10%(min)以内に収まっている。つまりアイドル時であれば、稼働ファンの個数に関わらず、十分GPUは冷却できているとみていい。
 次に高負荷時では、最も風量が少ないシングルファンモード時で2,782rpmを計測。逆に最も低回転なのは、エアフローのサポート面積が一番広くなるデュアルファンモード時の2,225rpmだった。なお静圧能力重視となるダブルエアフローモードは2,592rpmで、両者の中間といったところ。



「トランスサーマルクーラー」各モード別騒音値計測

 次に各々の動作音を、デジタル騒音計を用いてテストしておこう。ここでもアイドル時と高負荷時の両シーン毎にテストを実施している。

「トランスサーマルクーラー」各モード別騒音値計測
※室内騒音値29.2dBA

 最も騒音値が低かったのは、シングルファンモードのアイドル時33.9dBA。逆に最も高い数値はダブルエアフローモードの高負荷時44.8dBAだった。
 後付けの90mmファンが比較的中速回転タイプであることから、静圧能力とエアフロー能力が向上するダブルエアフローモードでは風切り音とヒートシンクからの“跳ね返り”音が目立つ。一方で冷却ファンを2列に並べたデュアルファンモードでは、アイドル時こそ39.6BAだが、高負荷時は43.1dBAでシングルファンモードと大差がなかった。

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