エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vo.136　Ivy Bridge発売直前企画「Core i7-3770K」ES版とリテール版に違いはあるのか

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｜CPUの性能を「CINEBENCH R11.5」でチェック

　オーバークロック耐性の確認ができたところで、CPU性能を「CINEBENCH R11.5」を使ってチェックをしてみる。

CINEBENCH R11.5

　まずシングルコアの結果だが、こちらは「リテール版3770K」、「ES品3770K」ともにまったく同じスコアを計測した。一方マルチコアでは多少数値にブレがあるものの、こちらも大きな違いではなくCPU性能は同等といっていい。またオーバークロックによるスコアの上昇率も高いことから、性能を重視するなら積極的にオーバークロックを試みるのも有効かもしれない。

｜気になる消費電力をチェック

　今回入手した「リテール版3770K」のTDP表記は「95W」だった。これは「the Voice」で既報通りで、別途、編集部が独自に入手した情報では「添付ラベル表記についての間違いを販売時にお客様に案内する」という。要は単なる間違いということになるが、やはり「リテール版3770K」と「ES品3770K」で消費電力に違いがあるのかは気になるところだ。そこで実際に消費電力を測定してチェックしてみることにした。なおアイドル時は10分間放置した中で最も低い値、高負荷時は「OCCT 4.1.0」を10分間実行した中で最も高い値とした。

消費電力

　アイドル時の消費電力は「ES品3770K」が約54W、「リテール版3770K」が約52Wとリテールパッケージの方がわずかに低い。一方、高負荷時は結果が逆転し、定格時、オーバークロック時とも「リテール版3770K」の方が概ね5W高い結果となった。
　もっとも、この程度の違いは同じTDPの製品でも個体差によって生じる範囲内で「リテール版3770K」のTDPは77Wと考えて問題はなさそうだ。

｜いよいよ登場するリテールパッケージ版を期待して待て

「ES品3770K」との大きな違いはない「リテール版3770K」。初回の入荷数も当初言われていたほどタイトな状況ではなさそうだ。最新のIntel 7シリーズチップセット搭載マザーボードと組み合わせて利用したい

　店頭発売に先駆け、事前に入手した「リテール版3770K」について、簡単ながら検証を行なった。「ES品3770K」との比較では「CPU-Z 1.60」の結果がステッピング「8」から「9」へと変更されているといった違いはあるものの、消費電力や空冷環境での簡易オーバークロック耐性についてはいずれも「ES版3770K」と同等という結果だった。
　また“TDP表記問題”については、そもそもミドルレンジ向けのCPUで、77Wと95Wにどれほどの違いがあるのか？という意見もありつつ、これが杞憂に終わったことは“ささやかな朗報”と言えるだろう。あとは発売を待つばかりだ。

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