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 Home >エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.15 サイズ「スサノヲ」検証
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サイズ「スサノヲ」温度・騒音値テスト

 サイズオリジナルCPUクーラー「スサノヲ」のこれまでに例のない風貌を一通りチェックした後は、いよいよCPUクーラーとしての実力テストを行ってみたい。100mmファン4基搭載しシステムクーラーとしての側面も兼ね備えた「スサノヲ」は、文字通り“神懸かり的”な冷却性能を持ち合わせているのだろうか。

SUSANOO

検証使用機材
CPU Intel Core i5-2500K
(Sandy Bridge/LGA1155/3.30GHz/TDP95W)
マザーボード ASUSTeK「P8P67 DELUXE」(Intel P67 Express)
メモリ CORSAIR「CMZ8GX3M2A1600C8」
8GB(4GB×2枚)PC3-12800(DDR3-1600MHz
グラフィックスカード SAPPHIRE「HD 4350 256MB DDR2 PCIE HDMI LP ファンレス」(型番:11142-08-20R)
HDD Western Digital「WD10EARS」
光学ドライブ LG「GH24NS50」
電源ユニット CORSAIR「CMPSU-850AXJP」
(850W/80PLUS GOLD)
OS Windows 7 Ultimate 64bit
テストベンチ台 Cooler Master「Test Bench V1.0」
放射温度計 AD-5611A(非接触型温度計)
測定範囲(D/S比)11:1
騒音計 TM-102(国際規格IEC651 TYPE2適合)
検証ツール
高負荷状態 OCCT 3.1.0
温度モニタ HWMonitor Pro 1.17
回転数モニタ SpeedFan 4.40
エルミタ的「一点突破」CPUクーラー編レギュレーション
CPUクーラー計測環境および計測方法

1.マザーボードはケースに組み込まない状態で計測する
(ケースファンなどケース内エアフローの影響を受けない状態で、できる限りCPUクーラー本来の性能を見る
2.マザーボードなどの各種設定はデフォルトのまま行う
3.CPUに100%負荷をかけ、5回テストを行う
(計5回テスト中、平均値のスコアを掲載)
4.騒音値は、ファンから30cmの距離で計測
5.高負荷状態は「OCCT 3.1.0」Priority HIGH設定
(アイドル時および高負荷時(100%/30分)の数値を計測)
6.コア温度は「HWMonitor Pro 1.17」を使用
(コア#1〜#4の平均値)
7.ファン回転数は「SpeedFan 4.40」を使用

基準モデル【Intel Core i5-2500K同梱リテールクーラー計測結果】
  アイドル時 高負荷時
1月28日計測時(19.8℃) 30℃(1233rpm) 68.5℃(2699rpm)



■CPUコア温度・回転数・騒音値計測結果

test
test



VGAとメモリの温度計測でシステムファンとしての能力を検証

 「スサノヲ」にはCPUクーラーとしての役割に加え、システムファンとしての役割も無視できない。というわけで、ここではグラフィックスカードのGPU温度および、メモリの温度を計測し、その効果はどれほどのものか検証してみよう。

SUSANOO

 テスト方法は、「バイオハザード5」(DirectX 10)ベンチマークを実行し、CPU温度はアイドル時と高負荷時(最高値)それぞれを「HWMonitor Pro 1.17」でモニタ。またメモリ温度はCORSAIR「CMZ8GX3M2A1600C8」のヒートスプレッダ中心部に非接触型温度計を用い、計測を行った。


■グラフィックスカードGPU温度テスト

テスト

■メモリ温度テスト
テスト

 まずGPU温度を見ると、アイドル状態での比較で最小回転設定時39℃、最大回転設定時37℃となり、2℃の違いが出た。高負荷時のGPU温度こそグラフィックスカードそのものが高温に達する事で、いずれもそれを食い止めるまでには至らないが、アイドル時の2℃の差は「スサノヲ」のシステムファンとしての役割が果たされている証と言えるだろう。
 一方でメモリ温度(ヒートスプレッダ中心部)は思惑通りの結果となった。アイドル時比較で最小回転時27.2℃、最大回転時25.4℃(マイナス1.8℃)、高負荷時では最小回転時31.9℃、最大回転時28.9℃(マイナス3℃)を計測。ヒートスプレッダの形状や能力に依存する部分とも言えるが、今回のテスト機材のようにマッチングがうまく行けば、期待通りの冷却効果が出る事が分かった。総括すると、「スサノヲ」のシステムファンとしての能力は、ハイエンド志向のグラフィックスカードよりもメモリに一定の効果を期待してよさそうだ。



「スサノヲ」ヒートシンク各部の温度計測

 次に、ヒートシンクの各ポイント毎に、温度計測を行ってみる。いつものように非接触型温度計を用い、「OCCT 3.1.0」高負荷時(30分経過)での状況をモニタするが、これまでとは違い「スサノヲ」を3つに分けてそれぞれの温度を見比べてみよう。

SUSANOO
※(12)(13)は、それぞれ(10)(11)の裏側を示す

 ■最小回転設定時(℃)
1
2
3
4
5
6
7
27.3
29.9
25.6
28.6
25.1
29.6
24.9
8
9
10
11
12
13
 
24.8
25.3
25.5
26.5
26.3
25.1

 ■最大回転設定時(℃)
1
2
3
4
5
6
7
23.8
25.1
22.1
23.8
22.0
23.6
20.8
8
9
10
11
12
13
 
21.6
22.1
22.3
22.2
21.7
21.8


SUSANOO

 ■最小回転設定時(℃)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
24.8
27.6
24.6
26.9
24.8
26.8
24.8
26.8
20.8
23.8

 ■最大回転設定時(℃)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
22.4
23.8
22.6
23.7
22.6
23.9
22.5
23.6
19.3
20.1


SUSANOO

 ■最小回転設定時(℃)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
26.1
21.9
29.5
31.1
23.4
18.8
29.8
31.4
25.9
27.8

 ■最大回転設定時(℃)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
25.2
21.1
26.3
25.8
22.8
18.3
27.3
26.3
24.7
25.1

 ヒートシンク計測ポイント毎の温度計測は、数値上ほぼ順当な結果となった。「一点突破」では、毎回このテストをお送りしているが、実はなかなか難しい。意外に思ったような数字が出ず、幾度と無く計測し、その平均的な数値を掲載している。これまでの経験上推測するに、CPUクーラーの放熱フィンはまさに生き物。負荷を掛け続けた状態でも常に同じ状況にあるワケではなく、ヒートパイプの熱移動の影響も多分に受けつつ、ポイントによっては高温になったり一瞬冷めたりを繰り返す事がある。
 ちなみに「スサノヲ」のテストで、最も温度が高かった箇所は受熱ベース裏の放熱フィン(8)=最小回転設定時31.4℃で、次に同条件の(4)=31.1℃と続く。逆に最も温度が低かった箇所は、受熱ベース裏の放熱フィン(6)=最大回転設定時18.3℃だった。



総評 「ユーザビリティ」ってなんだろう

SUSANOO
外装パッケージに大きく謳われた「上級者向けCPUクーラー」の表記
 サイズから出された「スサノヲ」のリリース文には、これまでにない多くの事前注意事項が書かれている。大型CPUクーラーならではの物理的制約(PCケースサイズや、グラフィックスカードの補助電源コネクタ方向など)については本稿でご紹介してきたが、それとは別に、言うならば“メンタル面”での条件が付けられているのだ。
 「スサノヲ」を使用するにはサイズ曰く、“自助努力と自己解決の要素を多分に含む”ことから「ある程度の自作経験とスキルをきちんと持った人」を諸条件とし、「上級者向け」と謳われている。
 事前にこの文章を読めば、「うまく搭載できるのだろうか?」と少しでも不安に感じるエントリー自作ユーザーは購入を控えてしまうだろう。本来ならば、メーカー側はそんなユーザーをもターゲットとし、マイナスイメージが付くような文言は開示しないはずだ。しかしサイズでは敢えて「上級者向け」と位置付け、製品がユーザーを選ぶという立場を明確にする販売戦略を打ち立てている。
 サイズオリジナルとしては決して手頃な価格とは言えない「スサノヲ」は、そんな特殊性を持ち合わせて市場に投入されるワケだが、「大きめのミドルタワー以上のPCケースを使えば“たいていは問題なく組めるはず”」としている点もご紹介しておかなければならない。

 思えば自作が始まった頃は、現在のようにインターネットを使って事前に情報を“瞬時に”仕入れるという事はできなかった。限られた情報の中から自分で考え、時には人柱精神を発揮し、大枚はたいて失敗する、、、という経験が、自ずとスキルを上げて行くことになる。また失敗ばかりではなく、時にギャンブル要素を含みつつもチャレンジし、うまく動作した時の喜びたるや代え難く、これこそが本当の自作の楽しさだった。

 リスクと表裏一体な自作など今は昔、「動いて当然」が本流の市場に投入される「スサノヲ」は、確かにサイズが言うとおり「上級者向け」かもしれないが、ここはひとつ「上級者」を、「自作好き」に置き換えて解釈したい。
 ここまで紹介してきた通り、一般的CPUクーラーに比べれば、諸々の注釈がついてしまう製品である事はお分かり頂けただろう。つまりそれが分かっていれば、なんら問題なく使用する事ができる。
 純正CPUクーラーからの初換装にチャレンジするユーザーなら特にそのギャップが鮮明で、自作の楽しさに開眼するだろう。また自作経験が豊富なユーザーならば、これまでの汎用CPUクーラーとの大きな違いを楽しむ事ができると思う。
 完璧なユーザビリティまで販売価格の一部だと解釈するユーザーは回避すべきだが、純粋に自作の楽しさに触れたいならば、一考の価値は十分にあるモデルだった。

【静音性】 5.0ポイント(条件付き)

 低速設定時の静音性は極めて高い。100mmファン「KAZE-JYU」の最低回転時(500±30%、9.42dBA、50.05CFM)は、4基稼働ながらバラック状態でのテストでも十分に静かで、フィンの風切り音も気にならない。恐らく耳が“聞きに行かなければ”生活騒音状態での稼働では、停止状態との音の区別はつきにくい。これは文句なく満点でよいだろう。一転、最高回転時(2000rpm±10%、37.69dBA、200.21CFM)は、それなりに豪快な音が発生する。
 ここで5.0ポイントとしたのは、最高回転時の騒音値に無視を決め込んだワケではなく、テスト構成での最低回転時でも十分な冷却能力が得られているからだ。騒音値を下げるために、冷却能力が犠牲になる事もなく、汎用CPUクーラーとしての仕事を十分に果たしている。


【冷却性能】 5.0ポイント

 これだけの押し出しでありながら、万一冷却性能が低ければ、サイズは8,000円台の市場想定売価はおろか、お蔵入りになるはずだ。
 実際のテストにおいても高い冷却性能は証明され、サイズが標榜するシステムファンとしての役割も果たされている事が分かった。相変わらずのサイズオリジナルモデルらしい鋭利な放熱フィンは熱離れが良く、ベース部からの高い受熱能力とヒートパイプの確実な熱移動、放熱フィンへの伝導が行われれば、低速回転のファンでも冷えてしまう。ライバル他社にとっては、なかなか厄介な構造と言えるだろう。


【取り付け易さ】 3.5ポイント

 “こちらで提示しておきながら”を前置きに、総合ポイントはあくまで目安にしかならない。合計数で判断しては製品本来の善し悪しを見誤る事になってしまう。こと「スサノヲ」で言えば、「取り付け易さ」のジャッジは苦手とする項目となり、総合ポイントの足かせになっている。
 「スサノヲ」で採用される搭載手順および部材は、「峰2」と同様。ただし「峰2」での評価は満点の5ポイントとしている。その理由は、クーラー本体の自重と大きさから、シーンによっては1人で作業できない事がある。本文でも触れたように、いわゆる“CPUクーラーメンテナンスホール”を利用しての搭載は、どんなに器用な人でも単独での作業はできない。ユーザビリティはこのような部分にも触れなければならず、「取り付け易さ」だけにスポット当てると3.5ポイントの判断は致し方ない。
 それでも「峰2」で満点を獲得しただけあって、F.M.S.B.3(Flip Mount Super Back-plate 3)は完成度が高い。


【コストパフォーマンス】 4.0ポイント

 市場想定売価8,000円台のライバルと比較するには、あまりにもスタイルがかけ離れているため、どこをもってコストパフォーマンスのジャッジを下すかは悩ましい。ここは他社モデルの事は忘れ、「スサノヲ」の冷却性能と製品自体の作り等を考慮した結果から4.0ポイントとした。
 工作物として見た場合の「スサノヲ」は、3つのヒートシンクと12本ものヒートパイプ、さらには100mmファン4基で構成されている事から、部材代を含む製造コストは安くはないはずだ。さすがにサイズと言えども、オリジナルモデル既存モデルのようなワケには行かなかったのだろう。しかしながら、他社でこれを作らせた場合、1万円超えもあり得る。その点で言うならば、十分コストパフォーマンスは高い部類と言えるのではないだろうか。

サイズ 「スサノヲ」総合評価

【エルミタ的検証用CPUクーラー募集】
エルミタ的「一点突破」では検証希望CPUクーラーを募集しています。国内外を問わず、ご興味のあるメーカー様・代理店様は編集部までご一報ください。


機材協力:株式会社サイズ
© GDM Corporation All Rights Reserved.
 
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Scythe
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SUSANOO
型番
SCSO-1000
サイズ
210×210×H160mm(全体寸法)
100×100×H25mm(付属ファン)
重量
1565g
ヒートパイプ
φ6mm×12本
放熱フィン
アルミニウム製
ファン
100×100×25mm
回転数:
500±30%〜2000rpm±10%
(付属のツマミによる手動設定対応)
騒音値
9.42〜37.69dBA
風量
50.05〜200.21CFM
コネクタ
3pin
ベアリング
スリーブベアリング
対応ソケット
Intel LGA1366/1156/775
AMD Socket AM3/AM2+/AM2
発売日

2011年2月17日
市場想定売価
税込8,480円前後

メーカー製品情報
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