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 「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」 INWIN特集その1
 Home > エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.57 MicroATXゲーミングPCケースの非凡なる才能を徹底検証「IW-BR661」編
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結構使えるケーブルマネジメント機構をチェック

 MicroATXケースゆえ、気にしなくてはならないのがケーブルの行き場だろう。ケーブルマネジメントというキーワードが出てきたのはここ最近の事で、一般的には“取り回し”という表現の方が分かりやすいかもしれない。
 幸い電源ユニットの多くにプラグインタイプが採用されている事もあり、必要最小限のケーブルだけで事は済むが、それでも限られたスペースの中で持てあますことが多く、これがエアフローの妨げになるばかりでなく、ファンの羽にぶつかる事もしばしば。そこで「IW-BR661」にはマザーボードトレイの各所にスルーホールが設けられており、これらのケーブルにまつわる問題を最小限に抑えてくれている。ここではマザーボードトレイ背面から見たケーブルの取り回しを見てゆこう。

IW-BR661 IW-BR661
ATXメインケーブルやスイッチ・LED接続ケーブルを上段の穴から下部へ引き回す事で、フロント部分のケーブル類はスッキリとまとめることができる
IW-BR661 IW-BR661
背面部については結束バンドを多用しない事が鉄則。ケーブルの突っ張りにより逃げ場を失う事で、かえってまとめにくくなってしまう事があるからだ。何事もほどほどに ケーブル自体の性質上、一番苦慮するのがSATAケーブル。この状態ではファンへの巻き込みの恐れがある。コネクタ部がL字の汎用SATAケーブルを用意する方が無難かもしれない

3.5インチ専用HDDケージの違った使い方

IW-BR661
HDD専用ケージがケーブルケージとして利用
 2.5インチSSD需要が高まるにつれ、3.5インチHDDを搭載しないという使い方もあるだろう。上段に2.5インチSSDを搭載し、敢えてHDDレスにしてみたところ3.5インチHDD専用ケージにできた空きスペースにケーブル類を収める事で、内部が非常にスッキリ整頓する事ができた。限られたスペースは有効利用したい。



CPU温度・GPU温度・ケース内温度・騒音値テスト

 再確認となるが、「IW-BR661」の標準搭載ファンは、フロント吸気140mm×1、トップ排気140mm×1、リア排気90mm×1、HDD搭載部吸気80mm×1の合計4基でまかなわれている。MicroATXケースでは十分なエアフローが確保できていると言えるだろう。ここでは標準搭載ファン稼働時のCPU温度、GPU温度、ケース内温度、さらに騒音値を計測している。各計測に関するレギュレーションおよび計測結果は以下通り。

CPU温度
→ ストレスツール「OCCT 3.1.0」20分間
IW-BR661 IW-BR661
CPU1:min 31℃/max 66℃ CPU2:min 30℃/max 64℃
IW-BR661 IW-BR661
CPU3:min 33℃/max 68℃ CPU4:min 29℃/max 63℃

GPU温度
→高負荷時は「ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチ-マーク」(ループ)30分経過時
IW-BR661

ケース内温度(光学ドライブとCPUの中間地点)
→高負荷時は「ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチ-マーク」(ループ)30分経過時
IW-BR661

騒音値(フロントパネルから30cmの地点)
→高負荷時は「ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチ-マーク」(ループ)30分経過時
IW-BR661
・計測日:2010年11月10日 室内温度21.0℃



サイドパネルに4基のファンをフル搭載させてみる

 「IW-BR661」は、側面に120mm口径ファン4基を増設する事ができる。ブランク部四方は広くメッシュ仕様となり、わざわざファンを増設せずとも内圧により外気を取り込む事ができるはずだ。しかしマルチグラフィックス構成にした場合や、オーバークロック時のCPU周りの排熱、さらにチップやVRMに取り付けられたヒートシンクを自己放熱だけでなく強制的に冷却させたい場合等には、このサイドパネル部へのファン増設は、それなりに有効な手段となるはずだ。
 そこでサイドパネル部に120mmファンをフル装備させた状態での騒音値およびケース内温度をそれぞれ計測してみる事にしよう。

IW-BR661 IW-BR661
サイドパネルには120mmファンが最大4基搭載可能。メッシュの目は光の加減で内部が透けて見える程度 今回用意したのはNExtWave「RDL1225S」(120×120×25mm
/1200rpm/21.21dBA)
IW-BR661 ファン搭載用ネジはストロークの短い専用インチネジを使用。振動吸収用ゴムブッシュが装着されている念の入れよう

CPU温度
→ ストレスツール「OCCT 3.1.0」20分間
IW-BR661 IW-BR661
CPU1:min 34℃/max 71℃ CPU2:min 34℃/max 70℃
IW-BR661 IW-BR661
CPU3:min 37℃/max 72℃ CPU4:min 35℃/max 69℃

GPU温度
→高負荷時は「ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチ-マーク」(ループ)30分経過時
IW-BR661

ケース内温度(光学ドライブとCPUの中間地点)
→高負荷時は「ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチ-マーク」(ループ)30分経過時
IW-BR661

騒音値(フロントパネルから30cmの地点)
→高負荷時は「ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチ-マーク」(ループ)30分経過時
IW-BR661
・計測日:2010年11月8日 室内温度21.6℃



ファンの増設は“臨機応変”を念頭に。

 「IW-BR661」に関するテストはこれですべてが終了した。この結果について、考察してみたい。
 通常サイドパネル部に120mmファンを4基搭載した場合、強力なエアフローの発生からCPU温度は低下すると想像できる。しかし結果は逆にCPU温度は上昇してしまった。
 実は以前、別のPCケースでテストを行った時も同様にサイドパネルからのエアフローが増大した事で、CPUクーラーが本来の能力を発揮できず、逆効果となってしまった事がある。今回も数回テストを実施しているが、一貫して改善は見られず、CPUクーラーに限っては(少なくともリテールのトップフロー型では)、サイドパネルからのエアフローアップでの恩恵は無いという結果となった。
 逆にGPU温度に関しては1℃以上の冷却効果が現れている。現在主流となる2Slotタイプの外排気型スロットクーラーは、意外にもスタンドアローン状態で完結してしまうだけの冷却能力を備えているが、側面からPCB全体にエアフローを当てることで、冷却効果が向上されると言えそうだ。
 ケース内温度については概ね良好で、標準時でも高温に達する事は無かった。さらにファン増設時はそのまま素直に温度低下がみられ、HDDを最大数搭載させ、エンコード等の仕事をさせる場合においては、有効な冷却アップグレードとなるだろう。

 最後に騒音値だが、テスト時の室内騒音値29.3〜30.2dBA環境下で、アイドル時41.6dBA/42.6dBAは静音というよりも標準クラスと言ったところではないだろうか。音の聞こえ方は個人差があるため、一概には断定できないものの、フロントパネルおよびサイドパネルのメッシュ部に遮音という役割を期待する事自体に無理があり、さらに標準時でも4基のファンが回転している事から、過剰な期待はしない方が良い。
 また高負荷時の46.2dBA/47.5dBAは、グラフィックスカード搭載のファン騒音値が大きくなる事から、PCケース自体のスコアとして評価するには少々気の毒というものだ。



消去法ではなく“積極的に指名する”PCケース「IW-BR661」

IW-BR661
 都合1週間以上、寝食を共にし、In Winの自信作「IW-BR661」をテストしてきたが、個人的に久しぶりのMicroATXという事もあり、楽しく遊ぶことができた。その雰囲気が今回のレビューで少しでも伝わればと思うのだが、このモデルからもう一度MicroATXの存在意義について敢えて俗な言い方で表現するならば、“限られた容量に高密度なテクノロジーをぶち込む優越感”こそが最大の魅力と言えるだろう。

 冒頭触れたように、もう少し頑張ればATXになろうかという今ドキのMicroATXケースを選ぶ理由は、まさにそこにあるのではないだろうか。「小さいけれど高性能」。そんな自分だけのPCを構築したければ、「IW-BR661」は数多あるモデルからの消去法ではなく、積極的に指名して損はないPCケースである事は十分お分かり頂けた事と思う。In Winの自信作は額面通りのモデルであった。


機材協力:株式会社エムヴィケー
In Win Development Inc.
ASUSTeK Computer Inc.
Cooler Master co., Ltd.

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IW-BR661
・外形寸法 W430×D196×H426mm
・素材 0.6mm SECC
・重量 5.72kg(ネット)/7.04kg(グロス)
・5.25インチ×1
・3.5インチベイ×1
(オープンベイ下部に2.5インチドライブ固定部×1を搭載)
・3.5インチシャドウベイ×2(シャドウベイと80mmファンを外すことで5インチベイx2に換装可能)
・拡張スロット×5
・電源 オプション(ATX12V / PS2)
・対応 MicroATX/Mini-ITX
・I/O USB3.0×1(マザーボード背面へ接続)/USB2.0×2/オーディオin/out
・ファン 140mm×2(トップ/フロント)/80mm×1(HDD)/90mm×1(リア)/120mm×4(オプション/サイドパネル)
・市場想定売価税込7,980円
・発売日:2010年8月中旬
メーカー製品情報
代理店製品情報(株式会社エムヴイケー)
 
H70
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HDD-BOOST
KUHLER-BOX
 
 
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