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 Home > エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.3 「Thermaltake Contac 29」(型番:CLP0568)検証
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エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.3
Thermaltake 「Contac 29」検証
2010年3月16日 19:10
TEXT:G&D matrix編集部 松枝 清顕
 
日本サーマルテイクからエルミタ編集部に連絡が入る

Contac 29
一切ブリスターを使用しない、環境配慮の紙製外装パッケージ
  第3回となったエルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編。これまでScytheとThermalrightのサイドフロー型モデルを検証してきたわけだが、第2回のテスト真っ最中、エルミタ編集部に日本サーマルテイクから「ThermaltakeのCPUクーラーを使って欲しい」というお声が掛かった。
 今年1月末から相次いでリリースされた「Contac 29」(型番:CLP0568)「Frio 冷却魂」(型番:CLP0564)の2モデルがそれで、いずれもPressrelease枠でご紹介したサイドフロー型CPUクーラーだ。

「Contac 29」→記事参照
「Frio 冷却魂」→記事参照

 特に「Frio」に関しては近いうちに検証するつもりでいたため、喜んで両製品の評価機貸し出しを申し出た。
 と言うわけで、第3回と第4回はThermaltakeの新型モデル2台を検証して行きたい。どうしても上位モデルの位置付けとなる「Frio」に目が行ってしまうが、実際に両者を手に取ると、先行発売された「Contac 29」もなかなかの作りな上、これまで2回のモデルと違いヒートパイプの数が半分の3本で最も少なく、その違いなどにも興味がある。そこで先行は「Contac 29」とし、じっくりとエルミタ的に検証してみたい。


Thermaltake「Contac 29」ディテールチェックしてみる

 まずは例によってディテールからチェックして行こう。「Contac」と言われると、どうしても違う数字がすぐに頭に浮かんでしまうが、「29」なのでお間違え無きように。

 それはさておき「Contac 29」は、サイドフロー型で売価4,000円ラインで売られているミドルレンジのCPUクーラー。メーカー製品情報によると、意外にも
“Thermaltake国内製品初のダイレクトコンタクトデザインφ8mmヒートパイプ採用”とされており、これまで“さくらファン”を搭載した「桜扇」シリーズのサイドフロー型ISGC200ISGC300を始めとする各種モデルを含め、コア接触型ヒートパイプは採用されていなかった。
  現在の流行からすれば、当然このスタイルを採用するモデルがあって不思議ではないのだが、これまでThermaltakeは独自デザイン色の濃いモデルをリリースしており、明らかにライバル他社とは違った所で勝負し続けてきた経緯がある。とはいえヒートパイプ直接触型を採用しただけで流れに融合したと言うつもりは毛頭無い。
  一見オーソドックスなモデルとは言え、機構としての良さを採り入れつつ、独自色を失わないという同社のポリシーは、細部を見て行く事で読み取ることができるだろう。大げさに言えば、グラフィックスカード等に比べCPUクーラーは限られたサイズ内の細部に、色々な個性を見いだすことができる、たいへん面白いパーツなのだ。

 「Contac 29」がこれまでのテストしたモデルと違う点は、フィン枚数の多さが挙げられる。前回のThermalright「Venomous X」は高さ(放熱フィン部のみ)110mmで47枚だが、「Contac 29」は(同)116mmの54枚で構成されている。さらに側面はフィンの折り返しにより、僅かな隙間を除けば塞がれた状態で、ファンの装着面方向しかエアフローは流れない。
 理論的上、左右両側面方向に抜け道が無い分、ストレート方向に風が集中して流れる事になる。もしかすると放熱フィン幅が比較的狭いサイドフロー型モデルには、このエアフローレイアウトは有利に働くのかもしれない。
Contac 29 Contac 29
パッケージ裏面。「Contac 29」はグローバルデザインパッケージが採用されており、右側面の注意書き一部日本語以外はすべて英語表記となっている アルミニウム製放熱フィン枚数は54枚。両サイドは「鋸歯状」にカットされ、冷却効率の向上とノイズの軽減に貢献するとしている
Contac 29 Contac 29
「鋸歯状」フィン部。中心部に向かって緩やかに絞り込まれてはいるものの、フィンサイズは120×50mm/枚となり、全て拡げて並べれば3,240平方センチメートルで、A4用紙約5枚分もの面積になる リアからみたところ。このアングルから見ると、メーカーおよび製品名を言い当てる事はもはや難しい。なおヒートシンクサイズはL120×W50×H159mm
Contac 29 Contac 29
U時レイアウトのヒートパイプは3本で、これまでのテストでは最小本数。ただし径は8mmで、多くのモデルが採用する6mmよりも太い ヒートパイプがコアに直接接触する「ダイレクトコンタクトヒートパイプ」仕様
Contac 29 Contac 29
ベース部はアルミニウム製。厚さは実測値約15mmだった これまで取り上げたCPUクーラーとの最大の違いは、放熱フィン側面部。ここからファンからの風が抜けないように折り返しが付けられ、一方方向のみのエアフローレイアウトが採用されている
Spec
Thermaltakeの製品情報で公開されている外寸概要



120mm口径のフェニックスサイレントファンをチェックしてみる

 Thermaltakeのコーポレートカラーとなる美しいオレンジ色に塗装された4pinコネクタのPWM仕様120mmファンは「フェニックスサイレントファン」という。
 ヒートシンクからファンを外し、型番を確認してみたところ「A1225L12S」(DC12V/0/30A)である事が分かり、順に120mm角、25mm厚、Lowスピード、そして最後のSはスリーブベアリングというスペックが読みとれる。

 このファンについて調べてみたところ、インペラがホワイトタイプのモデルがラインナップされている。小軸モーター設計に大型インペラを採用、さらに彫刻刀で削り取ったようなスリットを設けたことで、騒音値が20%低減できると謳われている。ここではCPUクーラーとしての能力テストとなるため、これ以上ファンについて深くは掘り下げないが、ファンメーカーも色々な事を考えてくる物だとつくづく感心する。
 ファンを回してみた第一印象は、非常に静か。比較的低い周波数の音が特徴的で、キンキンした感は皆無。小軸モーターの恩恵で羽面積も大きく、回転数を上げればいかにも大風量を生み出すことができそうな雰囲気を持っており、ケースファンとして使ってみると面白いかもしれない。ちなみにスリーブ加工が施されたケーブル長は有効実測値で約220mmだった。
Contac 29 Contac 29
搭載されているファンは120×120×25mmの「A1225L12S」DC12V/0.30A。小軸と言われる中心部径は実測値で約32mm。手持ちの120mmファンは48mmなので、小型化の恩恵はそれなりにあるのだろう。なお羽表面はツルツルタイプのやや“光沢有り”と言ったところで、見た目に美しい



同梱品をチェックしてみる

 「Contac 29」の環境に配慮された内部の紙製BOXは、1枚の厚紙に切り込みや折り込みを入れる事で見事に複雑な立体になるというシロモノで、このように計算尽くされたパッケージにはいつも感心させられる。
 しかしながら、別箱入り同梱品BOXは、その複雑な立体構造物の底部に収納されており、これを取り出すのに一苦労だった。寄せ木細工とは言い過ぎだが、パッケージを破らないように取り出そうとすると、一瞬どこをどうして良いかが分からない。最後のテスト結果には反映されない箇所とは言え、筆者が不器用なのか精密に作られすぎなのか、まさかThermaltakeの挑戦なのか、いずれも定かではない。

Contac 29 120mmファン増設用ゴムブッシュマウント(x4)とプレミアムサーマルグリス。ゴムブッシュマウントはリブ無しファンに対応。特殊形状なので、汎用代替えは効かない上、ヒートシンクにはネジ留め非対応なので取り扱いにはやや注意が必要
Contac 29 Contac 29
ゴムブッシュマウントは専用のL字型で、対応はリブ無しフレームのみ。材質のゴムは比較的柔らかめにできており、増設時の手順は (1) ゴムブッシュをヒートシンクの丸穴にしっかり奥まではめ込む×4箇所、 (2) リブ無しファンを装着し完了。逆手順を踏むとヒートシンクに装着しにくいのでマニュアル通り作業する方が正解
Contac 29 Contac 29
Intel LGA775/1366/1156共通のプッシュピン。4ピース構成で、それぞれに「L」「R」の刻印が打たれている。またヒートシンクベース部固定はネジ止め式を採用。ネジが小振りなため、小さめの(+)ドライバーを用意する必要がある。なおネジ穴はLGA775用とLGA1366/1156の2つが用意されており、搭載するソケットにより使い分ける。さらにプッシュピン本体はスライドができるようになっており、Intelの罠とも言うべき微妙なピッチ違いをここで解消する事ができる
Contac 29 Contac 29
AMD系ソケット用 リテンションレバー。その名が示すとおり、AMD Socket系プロセッサ搭載用。ベース部にある2本の切り込みに載せ、爪に引っかけた後にテンションを掛ける
Contac 29 Contac 29
テスト機材となるLGA1156マザーボードに装着してみたところ。(画像右)はプッシュピン(ファスナー)に対して垂直の力が加えられるため問題ないが、ファン搭載側はちょうど親指+α程度のスペースしかないため、ノッチに掛かるまで少々難儀。マザーボード搭載後に後付けできるワイヤータイプのファンクリップ方式はよく考えられているなと改めて感じてしまった


エルミタ的レギュレーション 計測環境および計測方法

  ここまで「Contac 29」の外観および同梱品等をチェックしてきたが、いよいよテストに入ることにしよう。計測方法等は従来通りで、第1回から変更は無い。なお本稿の基準としてテストを行ったIntel Core i5-750純正CPUクーラーに関しては、こちらに詳しい。なおグリスについては、CPUクーラー付属のものを使用している。


1.マザーボードはケースに組み込まない状態で計測する
(ケースファンなどケース内エアフローの影響を受けない状態で、できる限りCPUクーラー本来の性能を見る)
2.マザーボードなどの各種設定はデフォルトのまま行う
3.CPU全コアに100%負荷をかけ、5回テストを行う
(計5回テスト中、平均値のスコアを掲載)
4.騒音値は、ファンから10cmの距離で計測
(騒音計はファンと垂直方向に設置)
5.高負荷状態は「OCCT 3.1.0」を使用
(アイドル時および高負荷時(100%/20分)の数値を計測)
6.コア温度およびファン回転数は「SpeedFan 4.40」を使用
(アイドル時および高負荷時(100%/20分)の数値を計測)

検証使用機材
CPU Intel「Core i5-750」 Lynnfield
(2.66GHz/TB時最大3.20GHz/TDP95W)
マザーボード GIGABYTE「P55A-UD3」
(Intel P55チップセット/ATX)
メモリ OCZ「OCZ3P1333LV4GK」
(1333MHz/PC3-10666/CL 7-7-7-20/1.65v)
SSD OCZ Vertex Series 120GB(SATA2/2.5インチ)
VGA XFX「HD-567X-YNFC」
(Radoen HD 5670 512MB DDR5)
OS Windows 7 Ultimate 64bit
放射温度計 AD-5611A(非接触型温度計)
測定範囲(D/S比)11:1
騒音計 TM-102(国際規格IEC651 TYPE2適合)
検証ツール
高負荷状態 OCCT 3.1.0
温度/回転数 SpeedFan 4.40


次のページからは、冷却能力、騒音値、回転数のテストを行う。「Contac 29」で注目すべきは3本搭載ながらφ8mmの太口径ヒートパイプの効果と「フェニックスサイレントファン」だ
 

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Contac 29
・ヒートシンク寸法 L120×W50×H159mm
・ヒートシンク材質 アルミニウムベース/アルミニウムフィン
・ヒートパイプ φ8mm×3
・ファン寸法 120×120×25mm
・定格電圧 12V
・定格電流 0.04A(Max 0.19A)
・標準電圧 6V
・入力0.48W(Max2.28W)
・ファン回転数 800-2000rpm
・最大風量 29.434-72.084CFM
・最大風圧 0.356-1.985(mmH2O)
・ノイズ 15-33.2dBA
・平均寿命 30,000時間(MTBF)
・接続コネクタ 4pin(PWM)
・重量 558g
・実勢価格税込4,000円前後
(2010年3月現在)
メーカー製品情報
 
夜叉検証
Venomous X
PhotoFast
PhotoFast
H55
Atom
 
 
 
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