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 Home > エルミタ的成田空港現場対談「台湾PC業界の今を聞いてみた。」〜「Lynnfield超フライング事件」「SSDの今後」〜
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SSD価格が自作PC市場を激変させる。2010年がポイントに?

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SSDは毎週たくさんのメーカーからリリースされ続けている
編集部)前回の対談は今年の8月でした。早いもので3ヶ月が経過しましたが、テクノロジー相手のPC業界だけに、進化するスピードがやはり速く、その間多くの新製品が出ましたね。
 台湾の事情にも変化があったと思いますが、もう一度ここでSSD事情をお伺いします。前回の質問で、台湾ではあまり売れていないと聞きましたが現在はどうでしょうか。
Patrick)あまり変化は無いようです。その間SSDもたくさんのモデルがリリースされていますが、相変わらずと言った感じですね。
編集部)再度確認しますが、注目はされているんですよね?
Patrick)もちろんです。私も先日TOSHIBAのネットブックを購入し、OCZ Agility 120GBを載せてみましたが速いですね、本当に。みんなに羨ましがられますよ(笑)。
編集部)やっぱり価格なんでしょうかねぇ。
Patrick)台湾の自作ユーザーは価格に敏感だという話は以前しましたが、3ヶ月の間で劇的に価格が下落したという事はありません。製品はたくさん出ていますが、みな静観しているといった状況ですね。
編集部)OCZといえば、つい先日著名なPCサイトである「X-bit labs」に興味深い記事が掲載されていました。OCZのCEOであるRyan Petersen氏がインタビューの中で、向こう5年以内にSSDの価格はハードディスクと同等になると予測しています。今から5年後といえば2014年という事になりますが、これをどう見ますか?ちなみにIntelのSSDも来年7月には40%値下げという噂も、、、
Patrick)そういう意見は業界内では囁かれています。ただし台湾業界ではもう少し早い時期にGB単価が同等または逆転するのではないかと。
編集部)というと、2010年とか?
Patrick)あるかもしれません。でもこれは日本の自作ユーザー次第かもしれませんよ。
編集部)日本が価格を左右させているという事ですか?
Patrick)先日PhotoFastの関係者と話す機会がありました。断言していましたが、SSDの一番の顧客は日本であると。
編集部)世界的に見ても確かにそうかもしれませんね。
Patrick)いつお話したか忘れましたが、NANDフラッシュの単価やコントローラー、さらにキャッシュメモリの単価は安いはずだと仰ってましたよね?
編集部)はい。
Patrick)確かに固体としてのコストはハードディスクやマザーボード等に比べて格段にパーツ点数も少なく、安いはずです。しかしながら現在のプライスタグが付けられる理由は開発費にあり、現在はその部分を消化している段階と言えます。
編集部)説得力がありますね。
Patrick)世界的に多くの自作ユーザーが買えばその開発費が分担できるので、もっと早い段階で本来の製造コストのみで売価が確定するようになると思いますが、現在は日本独特のSSDブームというレベルでは数年かかってしまうはずです。
 ハードディスクもメモリも自作が始まった初期の頃はとんでもなく高いものでした。そこから現在の価格に落ち着くまでに数年を要しました。SSDにも同じ事が言えるわけですが、さすがにそこまでの時間は掛からないでしょう。
編集部)確かにハードディスクやメモリは驚くほど高価でしたからね。大枚はたいて買いましたよねぇ1990年後半などは。
Patrick)また台湾の掲示板での声ですが、SSDが欲しい台湾のユーザーはもっと日本のユーザーにたくさんSSDを買って欲しいと言っています。皮肉ですが、日本のユーザーが現在の価格でも大いに注目している事から、世界一のSSD購入国となって早く開発費を負担してくれというメッセージですね(苦笑)。
編集部)そんな事言わないで、台湾のユーザーも協力してくださいよ(笑)。
Patrick)僕に言われても困ります(苦笑)。


CPU市場占有率。シェア70%台維持で取れるバランス感覚

編集部)先日IDCが2009年Q3のCPU市場占有率を発表しました。これによると、デスクトップ用セグメントではIntelが72.2%(+2.0%)、AMDが27.4%(-1.9%)、VIAが0.3%です。またネットブックの成長が続くモバイルセグメントでは、Intelが88%ものシェアを取っています。
Patrick)Intelは強いですね。台湾市場でも同じです。
編集部)ネットブックは現在も好調で、中国製造向けにAtomがかなり出荷されているようですね。ただし出荷数はUpしつつも利益が7%減っています。ちなみに秋葉原の主要ショップ6店舗にIntelとAMDの比率を聞いてみました。

秋葉原主要PCパーツショップCPU占有比較(Intel:AMD) 11月11日調査
店舗A 店舗B 店舗C 店舗D 店舗E 店舗C
店舗A
(7:3)
店舗B
(6:4)
店舗C
(7:3)
店舗D
(7:3)
店舗E
(6:4)
店舗F
(7:3)

編集部)細かい数字はともかく、CPUの市場占有率はデータを見なくても感覚的にみんなほぼ同じ割合の認識を持っていますね。
Patrick)一時期AMDが現在よりも強い時期がありました。
編集部)自作市場的にはPrescotto登場後あたりでしょうか。ただしメーカー製PCでは、どんなコアになろうともIntelが強い事には間違いありません。これが続く限り逆転はあり得ないとは言い過ぎでは無いと思います。
 以前興味深い話を聞いたことがあります。Intelは100%を目指してはいないんですね。ライバル会社が(AMD/VIA)が存在するから市場バランスが取れる。独占禁止法に関する難しい話はさておき、他社が20%台であれば健康な状態で、30%以上になると攻勢を掛ける(笑)。CPUだけでなく、純正マザーボードも同じで、以前ちょっと売れ過ぎちゃった事があったため、わざわざ日本語マニュアルを外して出荷調整をしたくらいです。
Patrick)なかなか面白い話ですね。


台湾自作PCメディア事情。掲示板文化が生み出す功罪

編集部)さて、今回台湾の自作掲示板のお話がキーワードとしてよく登場します。
Patrick)台湾の自作ユーザーにとって、最大の情報源は掲示板です。
編集部)台湾の人は本当によく英語を勉強されているので、日本と違って海外サイトもよく閲覧されてますよね?
Patrick)はい。言葉が理解できなくても日本のメディアもよく見ていますよ。新製品情報などが掲載されると、それを毎日どんどん掲示板に貼る人も存在します。ブログ形式で自分のサイトにたくさんリンクを付けて行く人もいます。
編集部)少々おかしな結果になっても翻訳がWeb上でできますからね。まぁハード面のスペック等は理解できますし。
Patrick)台湾では日本のような新製品を毎日掲載するサイトはあまり見かけません。エルミタージュ秋葉原はもちろんですが、PC Watch、AKIBA PC Hotline!、ASCII.jp、IT media、4Gamer等、台湾で同様の情報量を持つサイトは無く、ほとんどが掲示板頼りですね。
編集部)確かに台湾はWeb上のコミュニティ文化が日本とは少々違いますよね。
Patrick)ベンチマークを含め、みんな掲示板ですね。よくベンチマークのスコアは改ざんされているとヤリ玉に挙げられる事もありますが(笑)。要はその情報をどう判断するかを個人に依存させている文化で、信憑性が当然高い商用サイトよりも発達している事を考えると流されやすい危険性はあるのかもしれません。
編集部)自己責任の文化。
Patrick)こんな話をしていいのか分かりませんが、あるメーカーでは特定の商品をプロモーションで多く売りたいと考えた場合、関係者によい評判をユーザーとして書き込ませるという事も実際にはあります。
編集部)ありますか、やはり。
Patrick)書き込み続けて本当にその製品が売れたために、感謝されたという話なども聞きますね。成功例はたくさんあるようですよ。
編集部)うーん、、、


とあるメーカーのリリースサイクルは某社と相対関係にある

Patrick)少々ダークな話題をもうひとつ。とある著名なメーカーのとある製品(ここではカテゴリを指す)ですが、某ライバルメーカーのリリースサイクルと酷似しているんですよ。
編集部)
どういう事ですか?イヤな予感はしますが、、、
Patrick)一時期、B社からはとある製品のリリース間隔が長く空いた時期がありました。理由はライバルA社の開発に時間がかかり、製品リリースに遅れが出たためで、、、 
編集部)つまりコピーですね(苦笑)。
Patrick)平たく言えば、、、 偶然かと思っていましたが、どうやら本当にそうだという時期がありまして、ギミックもそっくり(笑)。
編集部)その上元祖よりも価格が安いとか(笑)。
Patrick)冗談みたいな話ですが、困ったモノです。どれだけ開発に時間とコストがかかっているのか、分かっているはずなんですけどねぇ。
編集部)フェイスデザイン違いのケース等もたまに見かけますよね?
Patrick)OEMの場合は当然コピーには当たりませんよね。「他社には出さない」という約束だったのに余剰在庫や生産ラインの関係から平気で出しちゃうという事はありますが。あとは金型流出とか。
編集部)台湾ブランドでも製造はほとんど中国ですよね?
Patrick)そうですね。台湾のスタッフが中国工場に出向いて、クォリティチェックを抜き打ちでする場合もあります。塗装方法にもよりますが、白を白く、黒を黒く出すというのは意外に面倒なんですよ。
編集部)内部もブラックにしたケースが最近ありますよね。
Patrick)そうする意味はよく理解できませんが、白は塗装むらが出来て個体差が出たり、黒は傷が目立つので、乱反射で違って見えたり。それだけでチェックはパスできませんからね、特に日本向けは(笑)。
編集部)その辺りで日本の自作市場は特殊だと見られる事って確かにありますよね。海外メーカーの人から「なんで日本の人はこれほどに細かいのか」と聞かれたことがあります。返答は判を押したように「文化です」としていますが、、、
Patrick)理解はしていると思いますよ。日本向けは必要以上にチェックしたり、出荷後は戻ってこないように祈ったり(笑)。
編集部)苦労かけます、、、

対談の最後は、Windows 7事情を聞いている。あの非公認キャラクターは台湾でも人気?→

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台湾自作PC事情を聞いてみた 第1回
第1回「台湾自作PC事情を聞いてみた」
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