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 「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」番外編
 Home >エルミタ的業界インタビュー「オピニオン」 Vol.9 老舗冷却機器メーカーZALMANが目指す新たなステージとは?
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編集部:
 クーラーなどは斬新なデザインですが、どのようなプロセスを経て決定されているのでしょうか。

Ihn氏:
 まずは新製品についてR&D、マーケティング、QCといった各部門の意見を1箇所に集めます。これをまとめるのに、なかなか時間を要するわけですが、皆の意見を製品化するというのはZALMAN製品の特徴といえるかもしれません。

編集部:
 デザインは専門の部署があるのでしょうか。

Yoo氏:
 ええ、あります。また、R&DはCPUクーラー/VGAクーラー担当チームやPCケースの担当チームといった具合に、各チーム5人から10人程度のスタッフで構成されています。またR&DのスタッフがマーケティングやQCの部門で働くということもあります。そこで得た経験を再びR&Dに戻った際に活かしてほしいからです。やはりR&Dだけでは頭が固くなってダメですね(笑)。

編集部:
 他社さんのクーラーなどは研究対象になるんですか。

Yoo氏:
 もちろんです。最近ではThermalrightやNoctua、サイズなどの製品が多いですね。日本に来た際に、秋葉原で購入して持ち帰ることも多いですよ。またZALMANではパッケージ製作の専門チームも抱えています。面白いですよ、その部署に行くと。ズラリと有名なCPUクーラーのパッケージが並べられていて、これがなかなか壮観な眺めなんですよ。

編集部:
 製造はどこの国で行っているのでしょうか。

Yoo氏:
 基本的には韓国国内です。もちろん深センにも工場はありますが、こちらは中国市場向けの製品が主になります。ですから、日本やヨーロッパ向けの製品については、全部が全部ではないですが、“Made in Korea”となっています。



「Z9 PLUS」の人気の秘密はズバリ“価格”なのだ

ZALMAN史上、最大のヒットケースとなった「Z9 PLUS」。万人受けするスタイリッシュなデザインと7基まで増設可能なファン、そしてファンコン機能。さらには4,000円台というコストパフォーマンスの高さは初心者ユーザーを中心に売れに売れている

編集部:
 「Z9 PLUS」のヒットについてお聞きしたいと思います。ZALMANの普及価格帯PCケースは少々意外な印象がありましたが、世界的に成功したモデルなのでしょうか。

Ihn氏:
 「Z9 PLUS」についてはワールドワイドでも成功したケースと言えます。

編集部:
 一番売れた国は日本ですか?

Ihn氏:
 いえ、ロシアですね。ただロシアの場合は代理店さんが3社あります。「Z9 PLUS」でいえば、だいたいZALMAN全体の25%が日本市場向けの出荷となりました。

編集部:
 ヒットの要因は一体何だったのでしょうか。

Yoo氏:
 価格です。間違いありません。各国の代理店さんにもよりますが、少なくとも日本ではアスクさんの価格設定がよかったのだと思います。

編集部:
 どうなんでしょう。そうおっしゃっていますが?(同席している株式会社アスク担当J氏に)

アスク担当J氏:

 そうですね。「Z9 PLUS」の前に「Z7」シリーズというモデルがありましたが、これがあまり日本では受け入れられなかったんです。しかし「Z9 PLUS」はZALMAN社としては思い切った価格設定の製品だったため、受け入れられたのだと思います。しかし、発売当初はあまり売れませんでした。しかし、ユーザーの評価を頂く事によって、徐々に売れるようになり、発売後半年ほど経ってから一気に火が付いた印象でした。

編集部:
 先日「Z11」シリーズが発売されましたが「Z9 PLUS」は継続なのでしょうか。

2月に発売となった最新モデル「Z11」シリーズ。両サイドに設けられたエアインテークが特徴的。写真は上位モデルの「Z11PLUS」。価格帯も若干異なることから、人気の「Z9 PLUS」とは併売となる

Yoo氏:
 はい。しばらくは併売の予定です。価格帯も少し異なりますし。

編集部:
 ハイエンド系のケースはどうでしょうか。最新モデルの予定などはありますか?

Yoo氏:
 おおよそ10月頃をメドに500$クラスのハイエンドケースを準備しています。「Z-MACHINE GT1000」という製品がありましたが、あの価格帯ですね。

ハイエンドユーザーの方にも朗報。あのサイドパネルの開閉機構に観音開きを採用したATXミドルタワーケース「Z-MACHINE GT1000」の後継モデルが準備中とのこと。年内にはお目にかかれる可能性が高い



韓国のエンジニアも御用達の便利アイテム

エルミタレビューでも好評だった「ZM-VE300」。ZALMANのお膝元である韓国のエンジニアさんも御用達のアイテムは、一度使えばより便利さが分かるという不思議なHDDケース。アキバでの売れ行きも好調だ

編集部:

 日本では「ZM-VE200」「ZM-VE300」といった仮想光学ドライブ搭載HDDケースが発売以来、とても人気となっています。1点気になるのが「ZM-VE300」ではUSB3.0に対応したものの、eSATAのサポートがなくなっています。今後eSATA+USB3.0対応モデルを考えてはいないのでしょうか。

Yoo氏:
 eSATAは使う人も少なくなっていると判断して、最新モデルではサポートしていません。今後も予定はないですね。

編集部:

 同様に3.5インチモデルで仮想光学ドライブ搭載ケースの販売はないでしょうか。あまりに便利なので据え置き型も個人的にはアリかなと思いまして。

Yoo氏:
 今のところないですね。やはりモバイルできるという点もポイントのひとつで、韓国ではSAMSUNGやLGといった大手のフィールドエンジニアさんなどには特に好評のようです。何枚もメディアを持ち歩かなくてもよいですから。

編集部:
 では最後に、2012年の市場展望、日本のユーザーさんに向けたメッセージなどお聞かせください。

Yoo氏:
 ZALMANの製品というと価格の高いハイエンドなアイテムが多いというスタイルでした。ただ、世界的に良いとは言えない昨今の経済状況の中で、ハイエンドばかりにこだわっていてはやはりダメだと考えています。だからといって単純に安くするのではなく、性能・品質・デザインに関しては従来通りにこだわりたい。この部分において、私たちは全くもって諦める気はありません。その結果、日本のユーザーさんを含め、たくさんの方にZALMAN製品をもっと「味わってもらいたい」という思いです。
 弊社は、昨年9月に親会社がMoneualとなりました。同社は韓国の企業ですが、アメリカを中心にHTPCやノートPC、ホワイトBOX、ロボット掃除機などを販売するメーカーです。その傘下の企業として、まさに「第2の創業、第2のスタート」として新生ZALMANが誕生しました。今後は日本のユーザーの皆さんに親しみをもって頂けるような会社になれるよう努力していきたいと思います。これからもZALMANを暖かく見守って頂けたら嬉しいです。

インタビュー終了後、ZALMANの最新製品と記念撮影。ZALMAN製品をもっと「味わってもらいたい」という言葉はなんとも印象的だった。2人とは6月のCOMPUTEX TAIPEI 2012での再会をしっかりと約束。今から最新製品に出会えるのが楽しみである



新旧のファンはともに今後のZALMANに期待してほしい

 歴史は変わる。タワー型と呼ばれた水冷キット「RESERATOR」シリーズは、当時の自作ユーザーを熱狂させた。世界最初のヒートパイプ採用VGAクーラー「ZM50-HP」は見るもの皆一様にその技術に驚いた。そして現在は、ユニークな形状のCPUクーラーやコストパフォーマンスに優れたPCケースのメーカーとして高い支持を受けている。想像するに、かつて「RESERATOR」の在庫を夢中になって探したユーザーと、今現在PCケースに「Z9 PLUS」を選択するユーザーとは、おそらく被らないのではないかと勝手に思う次第。そんなハイエンド志向のユーザーからライトなユーザーまで満足させられるようなメーカーに生まれ変わろうとしているのが、現在のZALMANの姿なのではないだろうか。

 SSDという敢えて激しい市場に参入という挑戦のいっぽう、かつてグラフィックスカード市場を席巻したVGAクーラーで新たに自社オリジナルカードという形での復権を目指す。これからのZALMANは明かに今までとは違う動きを見せている。しかし、確実に今後が楽しみなメーカーとして、全くもって目が離せない存在となった。まずここは、いちZALMANファンとして同社が今後繰り出す新製品を心待ちにしたい。

機材協力:ZALMAN Tech/株式会社アスク
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