returns to
エルミタージュ秋葉原
 「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」
 Home > エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.11 Thermaltake「Jing 静冷魂」検証
the Voices 秋葉原Shop生の声
the Price アキバShopプライス画像掲示板
Special Price アキバShop特価品情報
PC Calender エルミタージュ的ロードマップ
Press Room リリース・トピックス・情報
Database エルミタージュ的データベース
Shop List 秋葉原Shopリスト
Akihabara Map 秋葉原Shop地図
Manufacturer List PCパーツメーカーリスト
Paet-time Job PC業界リクルート情報
Research 店員に聞く
携帯版エルミタージュ秋葉原
広告掲載について
情報・リリース窓口
About Us エルミタージュ秋葉原
ark
 
title
 

テスト機材アップデート グラフィックスカードファンレス化へ

11142-08-20R
Sapphire HD 4350 256MB DDR2 PCIE HDMI LP ファンレス」(型番:11142-08-20R)
 前回の「一点突破」では、検証用マザーボードのアップデートを行ったが、今回はグラフィックスカードを新調した。
 色々な場面で酷使されてきたXFX「HD-567X-YNFC」(Radoen HD 5670 512MB DDR5)に替わり、今回用意したのはSAPPHIRE「HD 4350 256MB DDR2 PCIE HDMI LP ファンレス」(それにしてもSAPPHIREのモデル名はえらく長い)。主な役割はCPUクーラーテストなので、GPUはローエンドで十分。当面「一点突破」で活躍してもらおう。

エルミタ的レギュレーション
CPUクーラー計測環境および計測方法

1.マザーボードはケースに組み込まない状態で計測する
(ケースファンなどケース内エアフローの影響を受けない状態で、できる限りCPUクーラー本来の性能を見る)
2.マザーボードなどの各種設定はデフォルトのまま行う
3.CPU全コアに100%負荷をかけ、5回テストを行う
(計5回テスト中、平均値のスコアを掲載)
4.騒音値は、ファンから10cmの距離で計測
(騒音計はファンと垂直方向に設置)
5.高負荷状態は「OCCT 3.1.0」を使用
(アイドル時および高負荷時(100%/20分)の数値を計測)
6.コア温度およびファン回転数は「SpeedFan 4.40」を使用
(アイドル時および高負荷時(100%/20分)の数値を計測)

検証使用機材
CPU Intel「Core i5-750」 Lynnfield
(2.66GHz/TB時最大3.20GHz/TDP95W)
マザーボード EVGA「141-LF-E658-KR」
(Intel P55チップセット/ATX)
メモリ OCZ「OCZ3P1333LV4GK」
(1333MHz/PC3-10666/CL 7-7-7-20/1.65v)
SSD OCZ Vertex Series 120GB(SATA2/2.5インチ)
VGA Sapphire HD 4350 256MB DDR2 PCIE HDMI LP ファンレス」(型番:11142-08-20R)
OS Windows 7 Ultimate 64bit
放射温度計 AD-5611A(非接触型温度計)
測定範囲(D/S比)11:1
騒音計 TM-102(国際規格IEC651 TYPE2適合)
検証ツール
高負荷状態 OCCT 3.1.0
温度/回転数 SpeedFan 4.40

基準モデル【Intel Core i5-750同梱リテールクーラー計測結果】
  アイドル時 高負荷時
2月8日計測時(18℃) 31℃(1082rpm) 65℃(2157rpm)
6月8日計測時(22℃) 35℃(1233rpm) 72℃(2699rpm)
7月23日計測時(31.5℃) 44℃(1815rpm) 74℃(2778rpm)



「Jing 静冷魂」冷却能力(温度)、騒音値、回転数テスト

 グラフィックスカードを新調したところで、早速「Jing 静冷魂」の冷却能力からチェックして行きたい。


温度テスト
騒音値テスト

 温度テストで最も良いスコアはアイドル時で前後最大回転時の34℃、高負荷時でも前後最大回転時の49℃と順当。逆に最も高い温度は、アイドル時で吸気最大排気最小時の38℃、高負荷時で吸気最小排気最大時の53℃だった。
 また騒音値は最小が吸排気最小回転時の38.4dBA、最大が吸排気最大回転時の41.7dBAと、これも順当な結果となった。

 このテストから室内温度30.9℃という人間にも劣悪な環境下でも良好な冷却性能が発揮されている事が分かる。騒音値については最大回転時は“最大回転らしい”音はするものの、ほぼ風切り音のようで、キンキンする高音域ではなく、いわゆるブーンという低音がフラットに鳴り続ける。
 聞こえ方については各々感じ方が違うため、個人的感想レベルとなるが、決して耳障りではない上、ケース内に収めてしまえばある程度消されてしまうのではないかと思われる。最小回転時は極めて静かな部類に入るだろう。ちなみに計測時の室内騒音値は30.8dBAであった。

吸気/排気で味付けが違う「120mm サイレントO.C.VRファン」

 騒音値テスト時に気付いたのだが、吸気/排気ファンは回転数に若干の差がつけられているようだ。
 実はThermaltakeの製品サイトのスペックは800〜1300rpm/最大風量42CFMだが、日本語製品パッケージを見ると回転数表記は同一ながら、吸気42CFM/排気37.7CFMと個別に記載されている。
 実際に回転数のテストでは、吸気側最小1119rpm/最大1375rpm、排気側最小887rpm/最大1360rpmと、最小値に違いが出た。つまりこのモデルでは、吸気側を強く、排気側がやや弱く設定されていた。冷却性能を左右するのは排気ではなく吸気であり、ヒートシンクにより強力なエアフローをもたらすため、意図的に回転差が付けられているようだ。
 ちなみに吸気エアフローの影響を考慮し、別途単体で回転数を計測したが、いずれもデュアル稼働時との差が出なかった事を付け加えておこう。


「Jing 静冷魂」ヒートシンク各部の温度計測

 次はヒートシンク各部の温度計測を行ってみよう。例によって「OCCT 3.1.0」(20分間)を使い、非接触型温度計で温度を計測する。今回の計測ポイントは全部で9カ所。通常計測するトップ部は、プラスチックカバーが装着されているため、今回は割愛した。なお5〜8は、それぞれ1〜4の裏側となる事をお断りしておく。
 また計測は吸排気ファン共に最小回転時(800rpm)、最大回転時(1300rpm)の2パターンとした。


test
test

 これまで行ってきたサイドフロー型CPUクーラーと同様の傾向がテスト結果には表れている。最小回転時と最大回転時の差では、(1)が0.2℃の差で逆転しているものの、これは許容範囲とし、それ以外の箇所では、(6)で最大1.3℃のアドバンテージが確認できる。
 室内温度30.9℃環境下で最大35.4℃(8)は、比較的高温になりにくいという印象。さらにコアに接触するベース部(9)は最小回転時で33.1℃、最大回転時で31.9℃と、こちらもこれまでテストしたCPUクーラーの中でもかなり低い温度が計測されている。


総評
「Jing 静冷魂」はデュアルファンがよく似合う

 今年春に発売された「Frio 冷却魂」と販売価格が拮抗するThermaltakeのアッパークラスCPUクーラー「Jing 静冷魂」。どうしても両者を比べてしまいがちだが、そもそもコンセプトが全く違っている事が分かった。前者は主にオーバークロックユーザー等のハイスペックシステムを狙い、後者はより実用的である最も層の厚い“普段使い”の一般的ユーザーに向けられた、静音高冷却モデルと言えるだろう。

 「Jing 静冷魂」のサンプルを受領してからまだ数日しか経っていないが、限られた時間の中でじっくりとテストを行ってみた感想は、ネーミングに違わぬ静音性と冷却性能が両立されていたという事。まさにこのモデルのコンセプト通りの印象を受けることができた。

 さらに特筆すべきは搭載ファンにある。ご紹介した通り、オープンフレームタイプ2種類の120mmファンは非常に良く出来ており、吸気用/排気用を組み合わせる事で1つのファンが完成し、互いのポテンシャルを引き出し合っているかのようだ。シングルファンでの稼働も可能だが、デュアルファンが前提である事からあまりお勧めしない。是非デュアルの搭載での最小回転設定で試して頂きたいと思う。少々高価だが、いいCPUクーラーだった。


【静音性】 5.0ポイント

 筆者絶賛の「120mm サイレントO.C.VRファン(Optimize Cooling VRファン)」は、冷静に見ても静かな部類のファンだと思う。最大回転時(1300rpm)でも低音がやや増すという印象を受けるが、決して“騒音”というネガティブな感じはない。また最小回転(800rpm)はさすがに回転数なりの静かさで、デュアルファンである事を忘れさせる。


【冷却性能】 5.0ポイント

 どうにかして欲しい酷暑の中でのスコアは優秀。前作「Frio 冷却魂」テスト時の18℃環境下ではどれほどの冷却性能を発揮するのだろうか。またストレステスト終了後の温度低下速度についてはもたつき感も無く、ファンが放熱フィンを素早く冷却している印象を持った。メーカー製品サイトには“シングルファンモード”の図説が掲載されているが、前項の「静音性」の高さも相まって、是非冷却に有利な“デュアルファンモード”で使いたい。


【取り付け易さ】 5.0ポイント

 「Frio 冷却魂」とはまた違った搭載方法を用意してきたが、同様に取扱いは容易だった。さらに個別に整頓された例のツールBOXは、是非他のメーカーも真似をして欲しい。
 また「Frio」の1042gに比べ、920gとやや軽量のアドバンテージからなのか、4点から2点留めになっているが不安を感じる事は無かった。テーマカラーの黄緑色は軽快な印象を与えるのか、数値よりも軽く感じられる。


【コストパフォーマンス】 4.0ポイント

 冷却性能が良好で、静音性もファンコントローラーが付く事で低騒音値での運用ができるため、申し分なしと言いたいところだが、コストパフォーマンスというやや下世話な項目になると、市場想定売価税込7,980円前後はさすがに満点とは言いづらい。完全に個人的に言えば、渾身の搭載ファンを考慮した上では5点満点だが、ここはフラットな目線で4.0ポイントとした。

Thermaltake 「Jing静冷魂」総合評価


【エルミタ的検証用CPUクーラー募集】
エルミタ的「一点突破」では検証希望CPUクーラーを募集しています。国内外を問わず、ご興味のあるメーカー様・代理店様は編集部までご一報ください。

機材協力:日本サーマルテイク株式会社
© GDM Corporation All Rights Reserved.
 
toppage
前のページに戻る

 
Jing
・サイズ:L131×W123×H162mm
・重量:920g(ファン2基搭載時)
・ヒートパイプ:φ6mm×5本
・ベース部:純銅製(ニッケルコーティング)
・放熱フィン:アルミニウム製
・ファン:120mm サイレントO.C.VRファン
・回転数:800〜1300rpm
・最大風量:吸気42CFM/排気37.7CFM
・最大風圧:(air in) 0.85 mmH2O
 (air out) 1.43 mmH2O
・騒音値:16dBA(800rpm)
・コネクタ:3pin
・対応:Intel LGA1366/1156/775、AMD Socket AM3/AM2+/AM2
製品平均寿命:50,000時間(40℃)
・市場想定売価税込7,980円前後
・発売日:2010年9月3日発売
メーカー製品情報
menu
夜叉
Vol.1 サイズ「夜叉」
Venomous X
Vol.2 Thermalright「Venomous X」
Contac 29
Vol.3 Thermaltake「Contac 29」
Contac 29
Vol.4 Thermaltake「Frio 冷却魂」
DBX-B
Vol.5 Intel「Core i7-980X Extreme Edition純正クーラー」
忍者参
Vol.6 サイズ「忍者参」
KUHLER-BOXVol.7 Antec「KUHLER-BOX」
KUHLER-SHELFVol.8 Antec「KUHLER-SHELF」
KUHLER-FLOWVol.9 Antec「KUHLER-FLOW」
羅刹Vol.10 サイズ「羅刹」
 
 
GDM Copyrightc1997-2012 GDM Corporation All rights reserved 掲載記事の無断転載を禁じます