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 Home > エルミタ的速攻撮って出しレビューVol.25 超静かな80PLUS GOLD認定電源「ENERMAX PRO87+」レビュー
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DHT(Dynamic Hybrid Transformer)とは?

 「PRO87+」、「MODU87+」で謳われているDHT(Dynamic Hybrid Transformer)テクノロジとは、端的に言えば、スイッチングをより細かく制御することで効率をあげるものだ。
 例えば、「PRO87+」では、Dynamic AC Boostingと呼ばれる回路を搭載している。一般的な電源ユニットでは、一次回路にて電圧を昇圧し、350V前後の一定の電圧を発生させている。しかし、「PRO87+」や「MODU87+」では負荷が低い場合は340V、高い場合は380Vに上げることで効率を高めているのだ。

 またDynamic Frequenciesでは二次回路で行われるスイッチング周波数を75/100/150Hzと切り換えることで負荷に応じて最適なスイッチングを行っている。これも普通の電源ユニットでは75Hz前後で一定の周波数でスイッチングするのが普通であり、3段階にて切り換えるタイプは珍しい例だ。

 このほか、大きなトランスではロスが大きくなる+5VSB出力を専用のトランスを搭載することで、サスペンドなどの省電力モードに移行した際の電力ロスを抑えるといった工夫が施されるなど、様々な高効率化が行われている。これらを称してENERMAXはDHTと呼んでいるわけだ。

DHT
「DHT(Dynamic Hybrid Transformer)」(ENERMAXの広報資料より)

電源内部 電源内部
内部は非常にスッキリとしたレイアウト。ブルーアルマイトのヒートシンクがさり気ない高級感を演出している。主要な基板にはガラエポタイプが採用されている 3.3Vおよび5Vは独立したサブ基板によって生成される。この基板には固体コンデンサが採用されており、寿命および高い品質を確保している
電源内部 電源内部
PFCは、大型コイルとコンデンサそれぞれ1つずつで構成されるタイプ。中央には3つのトランスが並んでいるが、右端の中サイズのトランスは、なんと+5VSB専用に割り当てられている 高価な電源ユニットでもこのように小さいコンデンサは台湾あるいは中国製という製品も案外多いのだが、PRO87+では小さなコンデンサにも日本メーカー製が採用されている事が確認できる

 このほか、ZERO LOADデザインと呼ばれる次世代のC6パワーセービングにも対応している。これは従来のC3やC4といったステートから、さらに省電力なモードを実現するものだが、C6ステートをサポートするデスクトップ向けCPUには、Core i7シリーズがある。Core i7シリーズのCPUを利用しつつ、パワーセービング機能を積極的に使いたい場合、PRO87+や、MODU87+は最適な選択肢となるだろう。


※お詫びと訂正・・・初出時、製品内部の説明箇所に誤りがあったため、訂正させていただきました(2010/1/19)


ENERMAX PRO87+の効率をチェックする

 いつものとおり、筆者オリジナルの抵抗負荷を用いて効率を求めてみたい。テストに用意したPCの構成は以下のとおり。

CPU Intel Core 2 Quad Q9550/2.83GHz
M/B ASUSTeK Computer Rampage Formula(Intel X48 Express)
VGA ASUSTeK Computer EN9800GT MATRIX(GeForce 9800 GT)
Memory PC2-6400 DDR2 SDRAM 2GB×2
HDD Western Digtal WD740GD(10,000rpm/74GB/SerialATA)
DVD GGW-H20N
OS Windows 7
P/S(1) A社 700W電源(非80PLUS)
P/S(2) B社 850W電源(80PLUS SILVER)

自作テスト機材
ご存知のない方のために、Jo_kubotaお手製のセメント抵抗器について説明しよう。2009年春に行った電源ユニットレビューにおいて、自ら発案し、自作してしまったオリジナルの“負荷テスト装置”は、安価に電力だけ一定に消費させる方法を目的としたもので、高負荷を再現するために従来テストに用いるパーツ類をセメント抵抗に置き換える事で、ハイエンドグラフィックスカードを多搭載したような状況を擬似的に創り出すことができる

 今回は、いつもテストで使用するA社の700W電源ユニットに加えて、B社の850W電源ユニットを比較に用意した。この電源ユニットは80PLUS SILVERを取得しており、80PLUS GOLDのPRO87+とどのくらい差が出るのかがチェックポイントとなる。

 テストは、OS起動後10分放置したアイドル状態、そして負荷として、OCCTを使ってCPU負荷およびGPU負荷をかけた状態の消費電力をワットチェッカーで測定した。
 さらにOSがアイドル状態にて、自作の抵抗器を繋ぎ、順に7A、12A、16A、25A、28A、33Aの負荷をかけ、このときの消費電力を測定している。またOCCTにてGPU負荷をかけた状態にし、この状態に抵抗器で28Aまたは33Aの負荷を掛ける。この状態を2分間維持した時点でテスト終了としている。このシステムでは、33Aの抵抗を接続した時点で396Wの追加負荷かけることができる。


システム全体の消費電力を計測

 では、順番に負荷をかけて、電源ユニットごとの消費電力の差を見ていこう。
 PRO87+は、全体を通してA社700W電源ユニットよりも消費電力が低く、負荷が高まるごとにB社850W電源ユニットよりも消費電力が低くなっている。また今回のテストでは、最大となる33A負荷をかけた際に545Wを記録したが、PRO87+ 500Wは落ちることはなかった。落ちなかった理由は次の効率のところで解説しよう。

グラフ1


実際の電源効率を計測してみる

 アイドル時の電力から印加した分の電力を差し引くことで、おおよその効率を出すことができる。その効率をグラフにしたのが次の図だ。

グラフ2

 最大となる545Wを記録した時の、「PRO87+ 500W」の効率はおよそ93%。つまり内部で実際消費されている電力はおおよそ505W程度となる。「PRO87+ 500W」の12Vラインは最大で492Wなので、3%ほどの定格オーバーなら耐えるというわけだ。

 「PRO87+ 500W」には、各種のプロテクションが装備され、中には過負荷保護(OPP)も含まれている。OPPの設定値は不明だが、恐らくこれまでのENERMAX製品同様に5%程度のマージンがあると考えれば、今回のような無茶も難なくパスできるというわけだ。もちろん、その状態で使うことは推奨されないが、短時間のテストでどうしても大容量の電源ユニットが用意できない場合、一時的に使うといった場合に重宝するだろう。


総括 「80PLUS GOLD製品を選ぶポイント」

ENERMAX PRO87+
 正直、80PLUS GOLDもSILVERも、通常の使い方において、その違いを実感するのは難しいだろう。しかし、「PRO87+ 500W」は、効率を高めることで発熱を減らし、その結果、超低速でファンを回しても十分という副産物が得られている点は、注目に値する。
 ファンは回っているが、このファンの音はPCケースに入れてしまえば、生活騒音に紛れて聞こえることはほとんどない。さすがに電源容量いっぱいまで負荷をかければファン回転数は上がるが、それでも一般的な静音を謳う電源ユニットと同一レベルであり、ゲームなどで負荷をかけても騒音が気になることはないだろう。

 また、今回は500Wモデルを使用したが、NVIDIA SLIやATI CrossFireXなどを構築しない限り、ハイパワーなCore i7-965 Extreme Editonを使用しても十分、耐えられる。販売の始まった600Wおよび700Wモデルなら、GPUの2枚挿しでも十分対応できるそうだ。

 冒頭でも述べたが、ネックになるのは価格。しかし、短いサイクルで電源ユニットを買い換えるくらいなら、長寿命が期待できる本製品を選ぶというのも一つの手だ。品質の高い電源ユニットに換えることで、PC自身のライフサイクルも伸ばすことができる。

 「ENERMAX PRO87+」シリーズは、そんな一つ先を行くユーザーにとって、魅力的な選択肢になるのではないだろうか。
 
協力:株式会社リンクスインターナショナル
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