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 「エルミタ的対談」
 Home > 短期連載Vol.1 日本と台湾ではこんなに違う・エルミタ的対談「台湾自作PC事情を聞いてみる」
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台湾PC事情

台湾では日本よりも安くPCパーツを買うことができるのだろうか

編集部)では次にハードディスクはどのブランドが人気ですか?
Patrick)WesternDigitalです。その次はSeagateですね。
編集部)そういえば、台湾ではPCパーツは安いんですか?日本のユーザーはPCパーツメーカーの多くが台湾にある事を知っています。だから台湾では製品の入荷も早いし、価格も安いのではないか?思っている人が少なくないと思うのですが。
Patrick)特別な例を除いて、それはありません。そもそも工場は大陸(中国)ですから、輸送コストもそれなりに台湾でも掛かります。その上多くのメーカーのHQ(headquarters)は台湾ですが、各Shopは代理店経由で商品を購入します。直接販売はあまりしない暗黙のルールが存在しますので、代理店マージンもあり、日本よりも安いという事はありません。
 ただし、売上を伸ばさなくてはならない時期は、利益度外視で驚くような価格でPCケース等が売られている場合があります。たとえば日本でも人気の○○○(メジャーなミドルタワーケース)は半額くらいで普通に手に入れる事が可能です。
編集部)(実際にモデル名と価格を聞いて)え!それは日本の代理店もユーザーも驚きを超して怒ってしまいますね。今度台湾に行ったらハンドキャリーで持ち帰ろう(笑)。


Seagateの人気が2番手に落ちてしまったその理由

Patrick)ただしハードディスクは日本で買う方が安いですね。今1TBは、、、
編集部)7,000円くらいで買えますね。
Patrick)その金額だと、750GBクラスというイメージになります。1TBだと12,000円くらいでしょうか。ハードディスクは日本の方が安いので、私も日本に来るとWDの1TBを買いますよ。
編集部)でも主流は1TBですか?
Patrick)1.5TBも買いました。回転数が遅くなっていますが関係ないですね。それほど変わらないし、欲しいのはスピードではなく容量ですから。ちなみに以前はSeagateが人気でしたが、今は2番手くらいになっています。何故かわかりますか?
編集部)何故でしょう?「Barracuda 7200.11」の不具合の件からですか?
Patrick)いえ、保証の問題です。
編集部)あぁなるほど。保証期間が変わったってやつですね。
Patrick)はい、以前5年保証だったものが今年から3年保証になってしまいましたね。あの件は台湾の掲示板でも多くの議論があり、それまであった人気が落ちてしまいました。
編集部)先ほどのメモリの件もそうでしたが、台湾の自作ユーザーは保証に敏感ですね。
Patrick)はい。保証期間が短縮されたという事は、製品そのものの信頼性に疑問を持つというファクターもあるので、あの発表はマイナスに働いてしまいました。


台湾と日本ではこんなに違う驚くべきケース事情
その1・Antecはメジャーではなかった!?

その2・Atom登場もMini-ITXは見向きもされず

編集部)では次にPCケースについて聞かせてください。
Patrick)人気があるにはLIAN LICoolerMasterです。
編集部)CoolerMasterはエルミタージュ秋葉原でもレビューで何度か取り上げていますが、ここ数年好調ですね。
Patrick)台湾ではもしかするとLIAN LIよりも今は人気かもしれません。日本でも同じだと思いますが、「CM 690」は人気があります。
編集部)あれはトータルバランスが非常に良く、コストパフォーマンスも高いモデルとして日本市場でも長く売れていますね。「COSMOS」はどうですか?
Patrick)価格が高い上、大型ケースなので誰もが買うモデルではないと思います。
編集部)そういえば、台湾のPCパーツショップでは軒先にあまり日本では見ないようなPCケースがむき出しで5段6段と山積みになっている光景が印象的ですが。
Patrick)価格が安いモデルがやはり主流です。その上電源搭載モデルが多いんですよ。先ほども話しましたが、電源の重要度が低く思われているのは、ケースに電源が搭載されているのに、何故単体の電源価格が数倍も大きいPCケースよりも高いのか(笑)。納得が行かないというイメージが根強いようです。
編集部)壊れたら替えればいいという、まさに合理的ですね。LIAN LIはアルミ製ケースで最近では比較的安価なモデルも積極的にリリースしようとしているようですね。台湾でもLIAN LIのポスターやPCケースはよく見かけます。そうえばAntecはどうなんですか?日本ではLIAN LIよりも所有ユーザーが多いと思うのですが。
Patrick)AntecはShopではあまり売っていません。
編集部)え?
Patrick)日本で人気があるのは知っていますが、これまで台湾には正規代理店というものが無かったんです。欲しいユーザーは海外通販を利用していました。今は代理店ができたので、台湾ではこれからではないでしょうか。ちなみに今は違いますが、最初はAntecの「P」シリーズは某メーカーのOEMモデルを使ってたんですよ。
編集部)それは知りませんでした。ずいぶん台湾と日本では違うんですねぇ。ちなみにその感じで行くと、フルタワーケースはあまり人気がないとは思うのですが、逆にMini-ITXはどうなんでしょうか?
Patrick)台湾ではほとんど売っていません。
編集部)人気なしですか。でも以前のVIAはともかく、Intel AtomNVIDIA IONで注目されても良い気がするのですが。
Patrick)EPIAシリーズはごく一部でしたが、Atomの登場で劇的に自作ユーザーが手を出したという事実はありません。
編集部)という事は、Mini-ITXケースはほとんど売っていない?
Patrick)売っていません。台湾メーカーもMini-ITXケースはOEM向けとして作っているだけで、リテールマーケットはまったく考慮していません。一部のユーザーで好きな人はいますが、日本とは全く違います。


台湾にも「100円PC」は存在するのだろうか?

編集部)ネットブックの影響もあるのかなぁ。
Patrick)まったくその通りです。ネットブックは台湾でも日本と同じくらいの価格で手に入ります。同じAtomが搭載されていて、液晶パネルもハードディスクもメモリもキーボードも付いてくる。わざわざMini-ITXで自作しよう等とは考えませんね。価格のバランスおかしいと思いませんか(笑)?
編集部)そう言われてしまうと、まったくその通りなんですが、、、そういえば日本で「100円PC」ってあるのはご存じですか?
Patrick)えぇ知っています。この前「1円PC」の広告を見ました。たいへん驚きました。
編集部)当然そのシステムはご存じですよね?台湾には同様の通信業者とのタイアップという売り方はないんでしょうか。
Patrick)携帯電話会社とのタイアップでネットブックが売られている場合がやはり台湾にもあります。ただし100円とかではなく、10,000円くらいですよ。日本の価格には本当にビックリしました。

(第2回「台湾自作PC事情を聞いてみた」に続く)

・今回は台湾自作事情について、興味深い話を聞くことができた。多くのPCメーカーが集まる“本場・台湾”と日本の自作市場では想像以上の違いが存在することを解っていただけたと思う。
 さて次回は周辺機器事情をはじめ日本で今最も熱いアイテムであるSSD事情などを中心に、台湾自作の今をさらに聞いて行こうと思う。

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文中で登場する用語のミニ解説
WDWesternDigital ・本社機能をアメリカ・カリフォルニアに置くハードディスクドライブメーカー。世界で初めて3.5インチハードディスクのSATAインターフェイス10,000rpmモデルをリリースするなど精力的に新しいテクノロジーを世に送り出す事で多くの支持者が存在。今年3月にはSiliconSystems買収によりSSD市場への参入が発表されている
 
SeagateSeagate Technology ・WesternDigital同様、アメリカ・カリフォルニアにあるハードディスクドライブメーカー。代表作はデスクトップ用3.5インチモデル「Barracudaシリーズ」。2006年にはMaxtor Corporationを買収
 
LinaliLIAN LI ・Lian Li Industrialは、台湾に本社を置くメーカーで、特にアルミ製PCケースはあまりにも有名。日本人ウケするスマートなデザインは一目で同社の製品と判別が付くほどの独特なオリジナリティが醸し出されている
 
CMCoolerMaster ・台湾のPCパーツメーカー。当サイトレビューでもお馴染みのPCケースや、電源、CPUクーラー、アクセサリーなどを広く手掛けている。特にケースでは、「COSMOS」「CM690」等は世界的に高い評価を受けている
 
AntecAntec ・本社をアメリカカリフォルニアに置くPCケース、電源ユニットメーカー。革新的クーリングデザインを採用した「P180」の爆発的ヒットから日本市場では確固たる地位を確立した。また電源ユニットにも人気があり、PCケース共にチョイスするユーザーは多い
 
VIAVIA ・VIA Technologiesといえば、Mini-ITXフォームファクターの第一人者。17cm角の小型マザーボードは多くの小型PCファンの多くを魅了。またチップセット供給ではIntel用、AMD用が用意されている
 
AtomIntel Atom ・ネットブックおよびネットトップ向けに開発されたプロセッサー。UMPCブームのきっかけとなるAtomの登場は、ネットブックの大幅売上増に大きく貢献したことは誰もが認めるところ。インテルはデスクトップ向けプロセッサだけでなく、モバイル向けプロセッサでも大きくシェアを伸ばすこととなった
 
IONNVIDIA ION ・NVIDAのネットトップ向けプラットフォーム。これまでIntel Atomプロセッサ向けチップセットといえば、Intel 945GSE + ICH7Mという構成であったが、それに比べグラフィック能力が向上されたIONはBlu-rayのフルスペックHD再生が可能となり、2009年5月に登場したZOTAC製IONマザーボードは大きな注目を集めた
 
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