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SX58H7
 

Vol.4 「最強のCubeベアボーンを試してみた」
〜Shuttle SX58H7編〜

2009年4月9日 テクニカルライター Jo_kubota


最強のキューブベアボーン「SX58H7」を試してみた


 4月9日に発売となった「SX58H7」はShuttle初,そしてキューブPC初となるIntel X58 Expressを搭載したベアボーンキットだ。

 まずは簡単にスペックを列記しておこう。

Shuttle「SX58H7」
Shuttle「SX58H7」

2009年4月9日発売
実売価格平均59,800円前後

・対応CPU:Intel Core i7-965 Extreme Edtion/940/920
・チップセット:Intel X58 Express + ICH10R
・メモリスロット:DDR3-1600/1333/1066対応 3+1 DIMM
・拡張スロット:PCI Express x16×2
・ドライブベイ:5インチ×1,3.5インチ×2
・電源容量:500W(80PLUS Bronze認証)
・サイズ:325(D)×208(W)×189(H)mm

 では,ここからは写真を見ながら解説したい。


パッケージ

 パッケージは黒を基調とし,「XPC」の赤い文字がプリントされている。電車で十分持ち運べるサイズなので,アキバで買ってそのまま持ち帰ることが可能だ。

Shuttle「SX58H7」 Shuttle「SX58H7」


外観

 左は,保護フィルムが付いた状態,右はフィルムを剥がしたものだ。ボディはアルミシャーシで表面はグレア加工されている。カラーはピアノブラック。飽きの来ないシックなデザインだ。正面向かって左側面に空いているスリットはビデオカードの冷却に必要なので,この部分は塞がないよう設置する必要がある。

Shuttle「SX58H7」 Shuttle「SX58H7」


付属品

Shuttle「SX58H7」 Shuttle「SX58H7」
付属品一覧。マニュアルは多ケ国語対応で,日本語にも対応している。このほかドライバディスク,eSATAケーブル,IDEケーブル,CPU用グリス,そしてATI CrossFire用ブリッジが付属している 底面につける脚。フロントにつけることでフロントを少し浮かせた形で設置できる
Shuttle「SX58H7」  
こちらはATI CrossFireX用のブリッジコネクタ  


フロントパネル

 フロントパネル下部の扉を開けることでコネクタにアクセスできる。左からマイク入力,ヘッドホン出力,USB2.0×2,eSATA,リセットスイッチとなっている。電源スイッチは中央左にあるシルバーのボタン。その左側には各種LEDが配置されている。LEDの光量はBIOSから10%〜100%(10%刻み)で指定することができ,暗い室内に置いておく場合は光量を落としてLED光の「うるささ」を軽減することが可能。

Shuttle「SX58H7」 Shuttle「SX58H7」


バックパネル

 Shuttle製キューブPCでは見慣れた感じだが,eSATAコネクタというか「SATA」+「電源コネクタ」は独自の形状で,裸のHDDをダイレクトに繋ぐことが可能となっている。なおPS/2コネクタは廃されているため,キーボードおよびマウスはUSBで接続する必要がある。見にくいが,左上にS/PDIFの光出力コネクタを備え,デジタルオーディオ出力が可能となっている。

Shuttle「SX58H7」 Shuttle「SX58H7」
Shuttle「SX58H7」  


■組み立て指南(実際に組み立ててみる)

キャビネットを外す

 では,ここから組み立て時の注意点を見ていこう。キャビネットを開けるには背面にあるローレットスクリューを3本外すだけでOK。続いてドライブステイを外す。これは2本のネジを外せば簡単に外れる。

Shuttle「SX58H7」 Shuttle「SX58H7」
Shuttle「SX58H7」  


CPUクーラーを外す

  続いてCPUクーラーを外そう。背面にある4本のローレットスクリューを外し,続いてCPUクーラーを固定しているネジ4本を緩めることで,外すことができる。このとき,ファンの電源コネクタをあらかじめ抜いておくことを忘れずに。

Shuttle「SX58H7」 Shuttle「SX58H7」

■内部の様子
Shuttle「SX58H7」 効率のよい冷却をするため,ICH〜MCH〜VRDに銅製ヒートシンクが取り付けられ,それぞれヒートパイプで結ばれている


CPUを取り付ける

 まずはCPUを取り付ける。今回は,Core i7-965 Extreme Editionを取り付けた。CPUソケットのレバーが電源ユニットにぶつかり90度以上にならないため,ちょっと外しにくいが慌てず作業すれば大丈夫。

Shuttle「SX58H7」 Shuttle「SX58H7」


メモリモジュールを取り付ける

 メモリスロットは4スロットあるが,基本的に赤いスロットに3枚挿すのが原則だ。黄スロットは,どうしても増設したい時の保険となるスロット。今回はPC3-10600(DDR3-1333)のメモリとして,サンマックステクノロジーズ製(SanMax),Corsair製,PC3-8500(DDR3-1066)のQimonda製メモリを試してみたが,いずれも正しく認識でき,特に問題も起きなかった。OCではないメモリを使う限り,特に相性の心配はしなくてよさそうだ。

 ただ販売店からの情報によると,OCモードとなるDDR3-1600は,今のところSanMax製の特定のモジュールのみ対応で,他のメーカーでは動かないという噂もあるので,装着するのであれば,PC3-10600以下のメモリを使うことをお勧めする。

Shuttle「SX58H7」 Shuttle「SX58H7」


CPUクーラーを取り付ける

 メモリ取り付け後にCPUクーラーを取り付けよう。なぜならCPUクーラーを先に装着してしまうとメモリが装着しにくいからだ。

  CPUに付属のグリスをまんべんなく塗布し,あとはCPUクーラーを載せて「グリグリ」と動かして馴染ませてやればOK。その後,CPUクーラーのネジを回して固定する。
 このとき@を少し回し,Aを少し回し,Bをギュッと締め,Cをギュッと締めたあと,再び@とAを最後まで締めこむと均等に圧力をかけられる。コツは@とAを最初に緩めに固定することだ。ネジを締めたら,ファンを上から被せるように取り付け,背面のローレットスクリューで固定しよう。最後にファンのコネクタを「FAN1」に装着することを忘れずに。

Shuttle「SX58H7」 Shuttle「SX58H7」
Shuttle「SX58H7」 Shuttle「SX58H7」
Shuttle「SX58H7」 Shuttle「SX58H7」


拡張スロットのパネルを外す

  ビデオカードを取り付ける準備として,拡張スロットのパネルを外しておこう。ネジを2本外して,押さえている金具を上に跳ね上がれば目隠し蓋を外すことができる。

Shuttle「SX58H7」 Shuttle「SX58H7」
Shuttle「SX58H7」  


どんなビデオカードが装着できるのか?

 さてもっとも気になるのが装着可能なビデオカードだろう。一体どんな製品まで装着可能なのだろうか。というわけで,写真を見て頂くのが一番だが,ミドルレンジで比較的ポピュラーなGeForce 9800 GTを装着してみたところ,これは全く問題なかった。
 では,もの凄く長い,約270mmのGeForce GTX 280は挿せるのだろうか?と試してみたら,結論から言えば装着することは可能だ。が,問題もある。

 本製品のPCI Express補助電源コネクタは,6+(6+2)という構成で,製品のサポートリストにはGeForce GTX 285/295やGeForce 9800 GX2といったハイエンドビデオカードも掲載されている。実際,秋葉原でサンプル版が入荷したショップ(アーク)では,GeForce GTX 285を見事に装着していた。

 しかし,コネクタが上部に来るハイエンドビデオカードの場合,電源コネクタがドライブステイと干渉してしまうため,これを回避する技が必要となる。このあたりは,ユーザーのスキルに左右されるため,「100%装着可能」ではなく「がんばれば装着可能」というレベルだ。なお補助電源コネクタが横向きとなっているビデオカードならほとんどの製品は問題なく収まるため,取り付けるなら,GeForce GTS 250や同 9800GTX+くらいまでにするのが無難だろう。
 また2スロット占有型のGPUクーラーでも比較的余裕があり,キャビネット側にも吸気口が空いているので,冷却はそれほど心配しなくてよさそうだ。

Shuttle「SX58H7」 Shuttle「SX58H7」
Shuttle「SX58H7」  

Shuttle「SX58H7」 ■GeForce GTX285装着に関して

 編集部が秋葉原取材中、たまたまアークでGeForce GTX 285装着の検証に立ち会う機会があった。やはりケーブルの取り回しには苦労したものの、無事にGeForce GTX 285の装着に成功。翌日まで回したベンチマークソフトも問題なく動作していたという。あくまで参考例として動作を保証するものではないが、購入を検討する際には役立つはずだ。(※編集部注釈)


ドライブの取り付け

 続いてドライブを取り付ける。まずはHDDを先にステイに取り付けてしまおう。その後,ケースに取り付けてネジで固定する。このとき,ステイとビデオカードが接触していないことを確認しておこう。万が一接触しているようなら,ビデオカードの位置を微調整するか,あるいは絶縁シートを貼るといった対策が必要になる。最後に光学ドライブを上から入れて,ネジで固定する。ドライブを固定するネジは正面向かって右側から取り付けると,トレイのオープンボタン位置がずれにくい。

Shuttle「SX58H7」 Shuttle「SX58H7」
Shuttle「SX58H7」 Shuttle「SX58H7」
Shuttle「SX58H7」  


実際に動かしてみる

 今回用意したスペックは下記の通り。

・CPU:Core i7-965 Extreme Edition
・メモリ:PC3-10600 DDR3 DIMM 1GB×3
・GPU:GeForce 9800 GT/1GB
・光学ドライブ:GGC-H20N(Blu-ray/HD-DVD対応)
・HDD:HDP725050GLA360(500GB/7200rpm)
・O S:Windows Vista Ultimate

 CPUに対してビデオカードが9800 GTとややスペック不足だが,ゲーマー向けPCとしての戦闘力はそれなりにある。この構成で本当にキューブPCとして成立するのだろうか?という疑問は皆さんもお持ちだろう。

Shuttle「SX58H7」
  電源容量は冒頭で述べたように500Wあり,12Vが16A+16A+17Aの3系統となっている。例えばCore i7-965 Extreme EditionのTDPは130Wとなっており,これは言い換えると最大消費電力も130W以下ということを意味する。16Aというのは恐らく最大値と思われ,実用定格を80%と仮定すれば12V×16A×80%=153Wまで使える計算で,Core i7-965 Extreme Editionも十分ドライブできることが分かる。

 GeForce 9800 GTの定格は,105Wなのでこれも問題なくクリアでき,HDDや光学ドライブの消費電力はそれほど大きくなく,最大でも30W以下なので500W電源なら余裕を持ってクリアできるというわけだ。
 しかし,実際に動かしてみないと安定性を含めて分からないわけで,上記のパーツを組み込んでテストをしてみた。その結果は以下の通り。

CPU温度(3DMark Vantage)
■ケースオープン
  アイドル Performance Extreme
CPU1 43 75 76
CPU2 43 74 75
CPU3 44 73 74
CPU4 40 71 71
■ケースクローズ
  アイドル Performance Extreme
CPU1 52 80 81
CPU2 52 79 80
CPU3 52 77 78
CPU4 48 76 77

GPU温度(3DMark Vantage)
  アイドル Performance Extreme
ケースオープン 45 66 68
ケースクローズ 51 78 79

消費電力(3DMark Vantage)
  アイドル 3DMark Vantage
ケースオープン 136 238
ケースクローズ 139 246

3DMark Vantage スコア
Performance 6406
Extreme 2365

 ケースオープンとはキャビネットを開けた状態。ケースクローズとはキャビネットを閉めた状態。そしてアイドルはOS起動後30分放置した状態。負荷には3DMark Vantageを使用し,消費電力とCPUおよびGPUの最高温度を計測している。なお室温は17℃。

 さすがにキャビネットを閉じると温度は上昇するが,アイドル時の騒音は静かで,とてもCore i7が収まっているとは思えないほど。さすがに3DMark Vantageを走らすと途中からCPUクーラーのファン回転数が上昇し,騒音が耳につくようになるが,スペックを考えると十分妥協できる範囲の音だ。
 なお今回ファン回転数はBIOSにて「Smart」(自動コントロール)を選らんでいるが,ユーザー自身でファン回転数を一定に設定することもできる。温度が気になるなら最初から若干ファンの回転数を上げておくとよいだろう。


総括

 当初,キューブPCにIntel X58 Expressなんてムチャな,と思っていたのだが,稼動させてみると何も問題なく動作したことに,拍子抜けした。さすがにCore i7-965 Extreme Editionを100%稼動するような状況だとCPU温度が温度なので,ファン回転数を上げるべきだろうが,アイドル時の温度を見る限り,Blu-ray鑑賞程度ならファン回転数を抑えても問題なさそうだ。また消費電力も80 PLUS Bronze認証電源を採用だけあって,かなり低めに収まっているのも特筆ものである。

 SX58H7の実売価格は,59,800円と決して安価ではないものの,このサイズでCore i7が使える唯一の製品であることを考えると,決して高くはないだろう。

 なお余談ではあるが,Windows 7βを試しに入れてみたが,問題なくインストールでき,Windows Vistaより快適に動いたことを付記しておきたい。

  しかしこのサイズで筆者のメインPCより3倍は速く,筐体容積は1/4という現実に向き合うと何だか切なくなってしまう。というわけで,乗り換えるならSX58H7という選択肢もアリかなと思うこの頃である。

製品情報(日本Shuttle)
http://www.shuttle-japan.jp/Product/SX58H7/sx58h7.html
 
おすすめShuttleの4月は面白い 明日9日からX58 Cube発売開始、15.6インチタッチパネルPCは23日の予定(2009/4/8)
http://www.gdm.or.jp/pressrelease/200903/09031703.html
日本Shuttle、Intel Core i7対応Cubeベアボーン「Shuttle SX58H7」を正式プレスリリース(2009/3/19)
http://www.gdm.or.jp/pressrelease/200903/09031908.html
Shuttle、X58チップ搭載 Core i7対応Cubeベアボーン「SX58H7」4月9日発売予定
http://www.gdm.or.jp/pressrelease/200903/09031703.html

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