エルミタ的一点突破 Vol.50

空冷最強を更新。 Noctua「NH-U12A」がCore i9-9900Kを徹底的に冷やせる理由

2019.04.14 更新

文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕 / 池西 樹

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Noctua「NH-U12A」の受熱ベースとヒートパイプ

CPUクーラーにとって、放熱フィンの集合体であるヒートシンクが重要である事は言うまでもない。そして、その能力を十分に発揮するために欠かせないのが受熱ベースとヒートパイプだ。

「NH-U12A」の受熱ベースは鏡面仕上げ。実測約48.5mm四方の銅製で、酸化を防止するニッケルメッキ処理が施されている。最も厚い部分は実測約15mmで、上下のプレートには合計7本にもおよぶ銅製ヒートパイプが挟み込まれている。

おさらいすると、受熱ベースプレートはCPUからの熱を直接吸い上げ、ヒートパイプにより熱移動。これを貫通させたアルミニウム製放熱フィンに熱を拡散させ、ファンが生み出す風の力で冷却を行う。これがCPUクーラーの基本となる冷却サイクルだ。冷却ファンは、回転数が高い≓大風量という関係にあるものの、騒音値の問題がクリアできない。静音&高冷却のNoctuaにとって、冷却能力の向上は”風まかせ”ではなく、異なるアプローチによる最適化が必要というワケだ。ここでポイントとなるのが「工作精度とその工法」になる。

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鏡面が美しい銅製受熱ベースプレート。Noctuaは以前より、ヒートパイプむき出しのダイレクトタッチ式を否定する立場を貫いている

注目すべきは、熱移動を行うヒートパイプと熱を拡散させる放熱フィンとの接合部にある。通常放熱フィンとヒートパイプは「圧入」により製造されている。メリットは製造コストだが、デメリットとして経年使用における”緩み”がある。これは銅とアルミニウムの膨張係数が異なるためとされ、熱による影響で密着率が低下。ヒートパイプから放熱フィンへ正常に熱が移動できない事で、本来の冷却パフォーマンスが発揮できなくなるというワケだ。

これを解消するために、Noctuaでは”はんだ付け”で製造し、長期間使用における劣化を防いでいる。6年間の長期保証は、MTBF15万時間の搭載ファン「NH-U12A」のみならず、製品全体の冷却能力の持続を保証するものという考えだ。

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放熱フィンのトップからヒートパイプのレイアウトがよく分かる。当然ながらエアフロー(吸排気)に最適化されているため、冷却ファンの搭載方向も厳密に定められている
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φ6mmヒートパイプとはんだ付けで固定されたアルミニウム製放熱フィン。ヒートシンク全体にまんべんなく熱が拡散できるようレイアウトされている

Noctua「NH-U12A」の搭載ファン

標準搭載120mmファンは、単体でも販売されている「NF-A12x25 PWM」が採用されている。ラジエターでの運用も推奨されている高性能モデルで、120mm口径としては細かい9枚インペラ仕様。風切り音を抑え、風量を得ようという考えだ。

回転数は450~2,000rpmで、騒音値は最大22.6dBA、風量は最大102.1㎣/h、静圧は最大2.34mH2Oとされる。なお軸受けはSSO2で、製品寿命(MTTF)は150,000時間。製品保証は6年間が提供される。

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吸気側から見た120mm冷却ファン「NF-A12x25 PWM」。薄型ファンのような複数のインペラが最大の特徴だ
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排気側から見た「NF-A12x25 PWM」。中央のラベルには「SSO2」ベアリングの採用や製品型番が記されている
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PWM対応4pinコネクタを採用するケーブルはスリーブタイプ。長さは実測で約200mmだった
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