エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.708

小型ケースに収まる冷却自慢のハイエンド、MSI「GeForce RTX 2080 VENTUS 8G OC」

2018.12.30 更新

文:テクニカルライター・藤⽥ 忠/編集・池西 樹

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最新技術による実写に迫る描画や、1枚で4Kゲーミングを可能にするパフォーマンスで、大いに注目を集めたNVIDIA「GeForce RTX 20」シリーズ。すでにメーカー各社から特徴のある製品が多数登場しているが、今回はその中から、オリジナルデュアルファンクーラーを搭載するMicro-Star Int'l Co.,Ltd.(MSI/本社:台湾)のGeForce RTX 2080グラフィックスカード「GeForce RTX 2080 VENTUS 8G OC」をチョイスした。カード長を268mmに抑え、小型PCでの運用も考慮したスタンダードサイズモデルの実力を早速チェックしていこう。
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MSI「GeForce RTX 2080 VENTUS 8G OC」市場想定売価税込112,000円(2018年9月20日発売)
製品情報(MSI

PCグラフィックスに革新をもたらす「Turing」アーキテクチャ

「Pascal」アーキテクチャを採用する、「GeForce GTX 10」シリーズの登場から2年以上の年月を経て、今年8月にデビューしたNVIDIAの新GPU「GeForce RTX 20」シリーズ。“グラフィックスの再創造”を謳い新設計した「Turing」アーキテクチャを採用する製品で、従来のCUDAコアやROPユニットに加えて、リアルタイムレイトレーシング用の「RTコア」と、深層学習(AI推論)アクセラレータ用の「Tensorコア」が新たに追加されている。また製造プロセスも16nm FinFETから12nm FinFETへ微細化、メモリもこれまでのGDDR5X/5から、14,000MHz相当の高クロック動作が可能なGDDR6メモリに変更された。

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ブロックダイアグラムを確認すると「RTコア」と「Tensorコア」が大きな面積を占めている

このように多くの変更が加えられた「Turing」アーキテクチャだが、その中でも特に重要なのが「RTコア」の存在だ。リアルタイムレイトレーシングによる、実写に近いゲーミング環境を実現するだけでなく、GPUレンダリングなどの高速化にも効果があるという。実際に、現在開発中のGPUレンダリングソフトウェア「V-Ray」の「RTコアバージョン」では、従来の「CUDAコアバージョン」に比べて、処理速度が最大1.78倍も向上したという結果がホームページ上に公表されている。

またブーストクロックを制御する「GPU Boost」も、最新世代の「GPU Boost 4.0」にアップデート。「GPU Boost 3.0」で使用していた、「Power Target」(電力目標)と「Temperature Target」(温度目標)に加えて、ハードウェアの上限温度と目標温度との間に設定する「Second Temperature Target」(第2温度目標)が新たに追加されている。これにより、これまで目標温度に達するとベースクロックにダウンしていたGPUコアクロックを、第2温度目標に達するまで、一定レベルのブーストクロックに維持することができるようになった。

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「GPU Boost 4.0」の仕組み。GPUの冷却を強化することで、さらなるチューニングが可能になる

さらにNVIDIA純正の自動オーバークロック機能「NVIDIA Scanner」も追加され、手動オーバークロックの手順も簡素化されている。なお本機能については後半のテストセッションで簡単に使い方を紹介する。

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MSIのオリジナルユーティリティ「Afterburner」も、「NVIDIA Scanner」をサポートしている
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次兄GeForce RTX 2080を搭載する「GeForce RTX 2080 VENTUS 8G OC」

今回の主役であるMSI「GeForce RTX 2080 VENTUS 8G OC」は、GeForce RTX 2080 Tiを筆頭とする「Turing」アーキテクチャ3兄弟(近日中に4兄弟になる?)の次兄にあたる、GeForce RTX 2080を搭載するグラフィックスカードだ。

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シルバーとブラックのツートンカラーを採用する「GeForce RTX 2080 VENTUS 8G OC」。クリエイターやデザイナーが使うワークステーションPCに搭載した場合でも違和感のないデザインだ

水冷ユニットを搭載する「SEA HAWK」、「Mystic Light Sync」対応のライティング機能を備えた大型3連ファンクーラーを搭載する「GAMING TRIO」、国内では発売予定のない冷却性能を重視した3連ファンクーラーを搭載する「DUKE」、外排気クーラーを搭載する「AERO」など、さまざまなGeForce RTX 2080グラフィックスカードをラインナップしているMSIだが、「GeForce RTX 2080 VENTUS 8G OC」はその中でもメインストリーム帯に位置づけられる、スタンダードなモデルだ。

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多彩なラインナップが揃うMSI「GeForce RTX 20」シリーズ。ユーザーは用途に合わせた最適なモデルを選択できる

VGAクーラーは、RGB LEDなどのドレスアップ機能を持たない、シンプルなデュアルファンクーラーを採用しており、派手なイルミネーションが不要なワークステーションPCにも向く。またカード長は268mmに抑えられており、最近増えているハイパフォーマンス向けMini-ITXケースや、ミニタワーPCケースでも無理なく搭載することができる。

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「GeForce RTX 2080 VENTUS 8G OC」では、LEDイルミネーション機能を搭載しないシンプルなデュアルファンクーラーを採用

主なスペックは、コアベースクロック1,515MHz、ブーストクロック1,800MHz、メモリクロック14,000MHz、メモリバス幅は256bitで、GDDR6 8GBのビデオメモリを実装。補助電源コネクタは8pin+6pin、出力インターフェイスはDisplayPort1.4×3、HDMI2.0b×1、USB Type-C×1の5系統を備えるなど、多くの面で、リファレンスデザインの「GeForce RTX 2080 Founders Edition」を踏襲している。

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中央に「VENTUS」のロゴが大きく入っているパッケージ。裏面には大型ヒートシンクなど、特徴が記載されている
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