インタビュー Vol.35

秋葉原のド真ん中で作られる“メイド・イン・アキバ”のBTOに会いに行く

2018.09.30 更新

文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一

  • rss
  • Twitter
  • Facebook
  • google+
  • hatena
  • pocket

特徴がない?「パソコンショップSEVEN」の“隠れたこだわり”とは

  • 編集部
    続いては、「パソコンショップSEVEN」のBTOの特徴を端的にお伺いできればと思います。BTOを作る上でこういった点を意識しているといったような、明確なポリシーがあれば教えてください。
  • 西川氏
    BTOはとにかくコストを重要視していたり、あるいはショップの強いこだわりが前面に押し出されていたり、という場合が多いですよね。もちろんそういった姿勢も良いことだとは思いますが、どうもお客様が主人公ではないような気がするんです。高くて高品質となれば当たり前なところ、ほとんどのお客様が一番気にしているのは、お値段がそこそこお手頃で、でもちゃんと手を抜かずに作っている。そういう安心感だと思うんですよ。
7RJ_BTO_re05_1024x768
組み込みが行われている、セブンアールジャパンのメインフロアに移動。いわゆるライン形式ではなく、一人のスタッフが1台のマシンを最後まで組み立てるスタイルだ
  • 編集部
    ショップ側のこだわりという意味では、確かに「パソコンショップSEVEN」のラインナップを見てみると、基本構成ではあまり尖った仕様になっていないモデルが多いことに気が付きます。SLI構成だったり独自のOC仕様になっていたりということもなく、普通のユーザーがショップに行ってオーダーするような、スタンダードな構成が目立ちますね。
  • 西川氏
    ウチから最初に提案するものとしては、こだわりが強すぎない、バランスを重視した押し付けがましくない構成が基本です。こだわりをもつお客様向けにはカスタマイズ項目を用意して、ご自身でいじっていただく。ライトな方にとって分かりやすく手頃な構成でありつつ、電源ユニットなどコストを下げてはいけない部分については、しっかり配慮しておくという、ここが最も気を遣っているところでしょうか。パッと見は特徴がないのが特徴と言えなくもないですけどね(笑)。
  • 編集部
    自作PCの世界も魅せる要素などプラスアルファがクローズアップされる昨今、あえて「こだわりすぎない」というのは新鮮ですね。基本構成は主張しすぎないように抑えつつ、PCにとって大事な信頼性は先回りしてフォローしておく。まさに“隠れたこだわり”とでも言ったところでしょうか。
  • 西川氏
    過去のSE時代に新人研修も多く担当したのですが、その際に200~300台あまりのPCを並べて用意するんですよ。これがとにかく不良が多くて、もうメーカー製PCは使わんぞ、というくらい信頼性で痛い目を見ました。BTOの場合でも、届いたのに動かないというシチュエーションはお客様にとって一番のストレスですし、使用できない期間が発生してしまうのは我々にとっても大きな問題。修理にかかる時間と費用のことも考えれば、不良を出さない、故障しにくいPCを作るということは、お客様と我々の双方にとって大事なことなんですよ。
7RJ_BTO_re06_1024x768
それぞれの組み込み台は、角度がついた特徴的なもの。なんでも特注品のデスクらしい
7RJ_BTO_1024x768n 7RJ_BTO_1024x768o
傾斜と滑り止めがついた組み込み台。見ている間にも、手際よく作業が進んでいく
7RJ_BTO_re07_1024x768 7RJ_BTO_1024x768q
組み込み台の周囲には、必要な機材が整然と並び、効率よく組み込みが行われていく。足元には、よく使うネジや変換ケーブルの類が収納されているようだ
  • 編集部
    そのままの構成でもしっかり裏切らずに働いてくれる、というのは特にライト層には嬉しいポイントです。もちろんカスタマイズで選べるオプションも多いわけですが、サイトを拝見するとケースのラインナップはだいぶ顔ぶれが多彩ですね。
  • 西川氏
    何事も見た目から入る人がいるように、やはりPCも見た目を左右するケースに一番分かりやすく好みが出るんじゃないかと思うんですよ。私自身もケースは好きですし、派手なものから地味なものまで、なるべくラインナップは増やしていきたいですね。

    ただ昨今の自作事情とBTO界隈には傾向に違いもありまして、特にBTOではいまだに光学ドライブ用の5インチベイ需要が根強い。その一方で新製品ではどんどんフロントベイ付きがなくなっていますから、悩ましいところです。ベイなしケースのカッコよさも理解できるので、今後はより一層そうしたモデルにも対応していきたいと思っています。

  • 編集部
    ケースは新旧様々なモデルがある一方で、SSDの選択肢は少ない印象です。秋葉原のパーツショップでは、とんでもない長さのSSD価格表がもはや風物詩になっていますが、ラインナップを限定している意図があれば教えていただけますか。
  • 西川氏
    ウチがカスタマイズとして用意しているのは、いわゆる鉄板の売れ筋モデルが中心ですね。格安SSDは初期ロットこそよくても、こなれてくると品質を下げる場合があったりと、クオリティにムラがあるんです。バリエーションを広げすぎるとロット単位でのチェックに時間がかかりますので、本当に信頼できるモデル以外は、あまり中身を固定したくないという事情があります。グラフィックスカードのラインナップについても、似たようなスタンスですね。
7RJ_BTO_1024x768r 7RJ_BTO_1024x768s
組み込みスペースに隣接した在庫フロア。ケースのラインナップは多く、最近ショップで見かけなくなったようなモデルも在庫しているようだ
7RJ_BTO_1024x768t 7RJ_BTO_1024x768u
CPUやメモリ、マザーボードなどを収納する基幹パーツ棚。組み込みが始まる際に、スタッフが迷わず棚の周囲を回って必要機材を回収していく
  • 編集部
    ここしばらくの自作PC事情も鑑みて、Ryzen関連についても聞いておきたいですね。サイトではあまり存在感がないようですが、ズバリRyzen搭載モデルの売れ行きはいかがでしょう。
  • 西川氏
    世間的にはまさにRyzen旋風といった風情かと思いますが、ことウチに限ってはあまり調子がよくないんです。しばらく自作から離れていた方がお得意様だったりする関係で、急なAMDの盛り上がりにピンときていないのかもしれません。・・・と思いきや、現在進行系で「日替わりセール」のRyzen搭載モデルが動いていたりしますので、今後どうなるか楽しみですね。
totop