インタビュー Vol.35

秋葉原のド真ん中で作られる“メイド・イン・アキバ”のBTOに会いに行く

2018.09.30 更新

文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一

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「Core 2」の産声と共に旗揚げ、オークション隆盛から現在までの動向を聞く

  • 編集部
    そうして誕生したBTOメーカーのセブンアールですが、現社名でのスタートを切ったのが2006年。ちょうどIntelの「Core 2」シリーズが登場した頃のことで、自作市場も大いに盛り上がっていた時期でした。その頃から今と同じような販売スタイルだったのでしょうか。
  • 西川氏
    もともと私がオークションで自作PCを売っていたのが始まりでしたので、やはり最初はオークションが大きな収益の柱でした。シンプルな構成のものが多かったということもあり、一週間で300台ほどを出荷していた時期もありましたね。Yahoo!オークションのアワードを例年いただいたり、タイミング的にもオークション全盛の頃だったと思います。
  • 編集部
    まさに趣味時代から続く延長線上というわけですね。ただオークションは不確定要素もあるかと思いますが、ある程度のラインの価格を設定して出品していたということでしょうか。
  • 西川氏
    いえ、基本的には1円スタートでした。まさにお客様に直接値付けしていただくというスタイルなわけですが、それでも最終的にはしっかり利益が出るラインに落ち着くんですよ。もっともそれも2012年頃までの話で、それ以降はオークション自体が下火になっていきます。
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創業時のルーツがオークションだったこともあり、初期はオークションが主戦場だった。多い時で月産1,000台を越える出荷を記録するなど、PC部門のトップを獲得し、成功を収める。その後はオークション市場の冷え込みもあり、現在の直販スタイルに移行することに
  • 編集部
    オークション市場しかり、設立当初からだいぶBTO市場も様変わりしていると思います。以前に比べて市場の動向はどのように変わっているでしょうか。合わせて現在の出荷台数なども教えてください。
  • 西川氏
    現状の出荷台数は毎月5~600台、年間では6,000台ほどになるでしょうか。ただ一般層のニーズがPCからスマホなどに移っていることもあり、確実にBTOの購入層はコアになっていますね。一人あたりの構成が大きくなって単価も上がり、ゲーミングモデルを中心にお客様のこだわりは以前より濃くなっていると感じています。
  • 編集部
    サイトを拝見すると、トップページにタイプ別で「タワー」「ゲーミング」「スリム・小型」と並んでいますが、どういったタイプが売れていますか?
  • 西川氏
    それはもう、ダントツでゲーミングモデルですね。グラフィックスカードを搭載したモデルは、以前は売上の3割程度でしたが、今はもう8割を占めるまでになっています。特に人気があるのはGeForce GTX 1070 Ti搭載モデルで、次点でGeForce GTX 1080 TiやGeForce GTX 1060搭載モデルが同じくらい出ているようです。どれもイマドキのゲームがしっかり動く構成が選ばれていますね。
  • 編集部
    「パソコンショップSEVEN」を利用しているのは、どういった傾向のユーザーでしょうか。それとカスタマイズの傾向などもあれば、合わせて聞かせてください。
  • 西川氏
    ここ最近の傾向ですと、eスポーツの番組やゲーム配信に刺激されて、自分でもゲームをやってみよう、という志向のライト層が増えています。それと以前は自作をやっていたけれど今は組む体力がない、というかつての自作経験者の方も多い印象ですね。ちなみにカスタマイズについては、ユーザー層問わず8割方は何かしらのカスタマイズを選んでいます。目立つところではCPUクーラーや電源ユニット、こだわりが強い人はマザーボードのグレードを上げたり、といったところでしょうか。
  • 編集部
    やはり何かしらのカスタマイズを選ぶユーザーがほとんどなんですね。それとカスタマイズページですが、それぞれの項目にパーツの特徴や仕様が細かく記載されていたのが印象的でした。
  • 西川氏
    BTOショップはどうしても数字や型番の羅列になりがちですから、小難しい印象がありますよね。そこでできるだけお客様に分かりやすくしたい、という思いで細かく記載するようにしています。もっとも説明を増やしたおかげで、一部ではマニアック志向だと思われてしまっているようですが(笑)。ライトなユーザーにも分かりやすい見せ方については、ずっと模索している課題ですね。
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数字や型番のみを記載するメーカーも少なくない中で、パーツ一つ一つに解説を用意。ユーザーが追加で調べるまでもなく、カスタマイズページを行き来しながら構成を吟味できる
  • 編集部
    それと「パソコンショップSEVEN」の魅力に挙げられるのが、リーズナブルな価格ですよね。同じ構成に設定すれば、ほとんどの大手メーカーより安く収まるはずです。加えて毎日メニューが入れ替わる「日替わりセール」のように、連日決まって顔ぶれの違う特価を展開しているのは、BTO販売では珍しいアプローチではないでしょうか。
  • 西川氏
    「日替わりセール」には、タイプや仕様が異なる様々なモデルがランダム抽出されて、台数限定の特別価格で並んでいます。もちろん価格でお客様にアピールしたいという趣旨もあるのですが、一番重視しているのはトレンドの傾向をつかむことですね。お客様がどういったモデルを求めているのか、集めたデータで統計を取って、それをラインナップに反映させていくわけです。日替わりでモデルを固定せずに回してデータを集めることで、早めにトレンドを把握できるメリットがあります。
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連日メニューの異なるBTO特価を販売する、同ショップ名物の「日替わりセール」。実はユーザーの好みや市場動向を把握するデータ収集の意味合いがあった
  • 編集部
    データ集めから入るというアプローチは、まさにSE出身ならではの発想ですね。どういった基準で選ばれているのか疑問でしたが、あえてバラバラのジャンルを並べることで、ユーザーの傾向を知るという仕掛けですか。
  • 西川氏
    実店舗があればお客様と直接対応できますから、ある程度傾向や市場の動向がつかみやすい。ただし我々のように通販専門だと簡単にはいきませんので、そうした距離感や空気感を埋めるためにも、有効な手段だと思っています。かれこれ3年くらいは続けているでしょうか。
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