エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.635

Zenアーキテクチャ初のAPU、AMD「Ryzen 2000G」シリーズのCPU性能検証

2018.02.12 更新

文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹

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2018年2月12日23:00、「Raven Ridge」こと、AMD(本社:アメリカ)の最新APU「Ryzen 2000G」シリーズが遂に解禁された。「Bulldozer/Piledriver」世代から飛躍的にIPCを向上させた「Zen」コアベースのCPUに、最新グラフィックス「Vega」を組み合わせた注目のプロセッサ。先日お届けしたファーストインプレッションに続き、今回は編集部に届けられたレビュワーズキットを使い、まずはCPU性能を中心に早速検証を進めていこう。
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AMD「Ryzen 5 2400G」市場想定売価税抜19,800円(2018年2月13日発売)製品情報(AMD
AMD「Ryzen 3 2200G」市場想定売価税抜12,800円(2018年2月13日発売)製品情報(AMD

Zen+Vega構成の最新APU「Ryzen 2000G」シリーズ

Clarkdale以降、Intelのメインストリーム向けCPUでは標準装備となったグラフィックス機能。AMDでも2011年より、ローエンドからメインストリーム帯を中心にRadeon GPUを内蔵する「Accelerated Processing Unit」(APU)を投入してきた。別途グラフィックカードを搭載するミドルクラス以上のゲーマーにとっては無用の長物だが、ライトゲーマーやゲームを全くしない人には、余計な出費を抑えられる内蔵グラフィックスは重宝する機能。特にAMDの内蔵GPUはIntelに比べて高性能なことから、多くのユーザーの支持を集めていた。しかし、昨年3月に発売されたRyzenシリーズには、グラフィックス機能を搭載する製品はなく、その登場を心待ちにしていた人も多いことだろう。

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Ryzen 2000Gシリーズでは「Zen」アーキテクチャのCPUと「Vega」アーキテクチャのGPUなどを搭載。それぞれは「Infinity Fabric」と呼ばれるインターコネクト技術で接続されている

そんな期待に応えるべく、AMDが満を持してリリースしたのが「Ryzen 2000G」シリーズだ。CPUコアには「Zen」アーキテクチャを、GPUには最新「Vega」アーキテクチャを採用し、よりパワフルに生まれ変わった新生APU。今回はまずCPU部分にスポットを当て、早速検証を進めていこう。

シングルCCX構成に変更された「Ryzen 2000G」シリーズ

Ryzenシリーズ(開発コード:Summit Ridge)と同じ、「Zen」アーキテクチャを採用するRyzen 2000Gシリーズ(開発コード:Raven Ridge)。4基のCPUコアと各512KBのL2キャッシュ、さらに共有のL3キャッシュで構成されるCPUモジュール「CPU Complex」(CCX)をベースとする基本構造に変わりはない。

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同クラスのRyzen 5 1400との比較。「CCX」の構成がデュアルからシングルに変更され、キャッシュやPCI-Expressレーンは半減しているが、動作クロックは大幅に向上している

しかし、製造プロセスは従来の14nmから、電力効率などを改善した14nm+へとアップデートされ、同クラスのRyzenから動作クロックが向上。また最高DDR4-2933MHzに正式対応するメモリコントローラや、より高クロック状態を維持できる新ブースト機能「Precision boost 2」などの最新機能を搭載する。

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ブースト機能「Precision boost」は、Ryzen Mobileと同じ「Precision boost 2」にアップデートされた

一方、コストカットによるダイサイズ小型化のため、CCXの構成は従来のデュアルからシングルに変更。L3キャッシュは8MBから4MBに、グラフィックカード向けのPCI-Express3.0レーンも16から8へと削減された。ただし、AMDによれば動作クロックの向上や、シングル構成によるキャッシュ、メモリレイテンシの低減効果もあり、多くのアプリケーション(特にゲーム)では同等以上のパフォーマンスを発揮。またAPUとの組み合わせが想定されるミドルレンジクラスのグラフィックカードであれば、PCI-Expressのレーン数の削減もほとんど影響はないという。

Ryzen_2000_904_1024x768 AMDから提供されたレビュワーズガイドによれば、APUコアとヒートスプレッダの間のTIM(Thermal Interface Material)には、標準的なノンメタルグリスが採用されているとのこと

プラットフォームはSocket AM4で、従来のマザーボードでもUEFI BIOSの更新のみで対応可能。消費電力は65W、ダイサイズは209.78m㎡、トランジスタ数は最高49.4億個で、Ryzenシリーズと同じくオーバークロックに対応する。製品ラインナップは「Ryzen 5 2400G」(4コア/8スレッド/定格3.60GHz/ブースト最大3.90GHz/Radeon Vega 11 Graphics)と、「Ryzen 3 2200G」(4コア/定格3.50GHz/ブースト最大3.70GHz/Radeon Vega 8 Graphic)の2モデル展開。いずれもCPUクーラーは静音性を重視した「Wraith Stealth」が付属する。

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Ryzen 5 2400G(画像左)、Ryzen 3 2200G(画像右)とも立方体のパッケージを採用。CPUクーラーはファーストインプレッションでお伝えした通り、スリムタイプの「Wraith Stealth」が付属

なお国内発売は既報の通り、2018年2月13日10時より開始。市場想定売価はRyzen 5 2400Gが税抜19,800円、Ryzen 3 2200Gが税抜12,800円に設定されている。

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