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巨人IBMが生み出した至高の鍵盤<br />“Model-M” 「1390131」の麻薬的な魅力
絵踏一のKeyboard 一点突破 Vol.1

巨人IBMが生み出した至高の鍵盤
“Model-M” 「1390131」の麻薬的な魅力


2012年11月8日
TEXT:GDM編集部 絵踏 一
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 昨日の最先端が明日にはあっという間に陳腐化され抜き去られてしまう、そんな忙しいPCの世界。しかしその中にあって時代を経ても輝きを失わないもの、そのひとつがキーボードではないかと以前から考えてきた。そんなモヤモヤに後押しされるように、なかば勢いから始まったこの企画。最新デバイスにあえて背を向けて、今は懐かしい時代の名機(あるいは迷機?)を徒然なるままに紹介していこうというコンセプトだ。
 そしてその記念すべきトップバッターには、IBM(本社:アメリカ カリフォルニア州)が世に送り出した世紀の名品“Model-M”のラインナップより、「1390131」を選択した。日頃はスペック重視のパワーユーザーもたまにはひと休み、一緒に魅力あふれる“鍵盤”の世界へ散歩に出かけよう。
編集部きってのキーボードマニアである、絵踏 一のコレクションルーム(ただのロフトという未確認情報も)。所有本数は200本を超え、居住スペースを順調に侵食中。画像を見る限り、几帳面なのかずぼらなのか紙一重と言わざるを得ない

現代キーボードの歴史はここから。輝けるModel-M

1390131
IBM“Model-M”「1390131」 発売時期:1986年頃

まずこの不思議な企画の第一弾にIBM「1390131」を選んだのには、当然もっともな理由があったりする(単に気に入っているからというだけでは、ない)。本機やそれに連なるキーボードたちは“Model-M”という輝かしい呼称で(その道では)有名だが、もう一つIBMの発表当時に由来する「Enhanced Keyboard」(拡張キーボード)という名前で呼ばれることもある。
 それでいったい何が“Enhanced”なのかといえば、今は目の前のキーボードに当たり前のように搭載されいている、矢印キーや「Delete」「Home」「Page Up/Down」キーなど、詰まるところテンキーに収まっていた各種機能キーがこのModel-Mをもって独立して配置された、いわば“拡張”されたということ。それ以前には左端に縦並びに実装されていたファンクションキーも上部へと横並びに引越し、こうして今も目にするキーボードの配列が固まったというわけだ。それ以降、日本をはじめ各国で生み出されたキーボードは、一部独自のキーや機能を盛り込みつつも、基本的なレイアウトはこのModel-Mを踏襲する形で普及していった。現代キーボードの歴史は、まさにこのModel-Mから新たなスタートを切ったといえる。

1390131 Model-Mシリーズで初めて機能キーが拡張実装された。現在当たり前のように使っているキーボードレイアウトが固まったのはこの時期だ

誇り高き“角ロゴ”を戴くバックリングスプリングキーボード

1390131 本体右上に飾られたアルミ製のIBMロゴが「1390131」の証。これ以降のモデルではロゴマークが左上に移動、丸型タイプに変更されている

そもそもModel-MシリーズはIBM「PC/AT」の中後期以降のモデルに添付されていたキーボードで、その中でも今回の主役「1390131」は最初期に流通したものとして知られている。生産時期はおおむね1986年頃から数年間とみられ、希少性も高い。以降のモデルとは金型が違うため成型精度が高く、外見上の目印となる右上の四角いロゴマークにあやかり、「角ロゴ」と呼ばれて好事家たちの間で珍重されている。燦然と輝くアルミ製のシンボルは、機能美が凝縮された巨大な筐体とのマッチングも抜群。何やら威風じみたものすら漂ってくるのはきっと気のせいではないだろう。

IBM「1390131」
もっとも基本的な英語キーボードの形をした「1390131」。AT接続で英語101キー配列。バックリングスプリング機構のスイッチを採用する大型のキーボードだ

そして「1390131」をはじめとするModel-Mシリーズが採用するスイッチこそ、このキーボードを最も特徴づける存在だ。搭載されているのは、「バックリングスプリング(座屈ばね機構)」という、勇ましいスプリング残響音と極めて明確なクリック感をもつIBM独自の機構。PCキャリアの長い人ならその感触に覚えがあるかもしれないが、残念なことに現在ではこの素晴らしいスイッチをもつキーボードは、ごく一部をのぞいて姿を消してしまっている。詳しくは後ほど触れさせてもらうことにするが、あまりの独特さゆえに現行品から代わりを見出すのはまず無理だろう。

次は...  まさに重厚長大!時代が許した強靭な筐体を観る

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