(ギークな日々)コラボスマートフォンはなぜ売れ残る!?

2019.03.06 00:00 更新

2019.03.06 取材

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NTTドコモは今年1月、昨年リリースした「ジョジョの奇妙な冒険」とのコラボスマートフォン「JOJO L-02K」を一括648円で大放出し、話題になった。1万台限定、なおかつファン垂涎の出来映えだったにも関わらず、なかなか売り切れない。振り返ってみると、歴代のアニメ・ゲームとのコラボスマートフォンも売れ残る例が少なくなかった。いったいなぜだろうか。

キャリアから発売されることが多いコラボスマホ

まず大きな理由の一つになっているのは、コラボモデルの多くがキャリアから発売されている点だ。ジョジョスマホの「JOJO L-02K」やドラクエスマホこと「SH-01F DRAGON QUEST」はドコモ、でも家族がauやソフトバンクを使っていたらどうだろうか?自分だけ乗り換えるわけにはいかない、と諦めてしまう人も多いだろう。

とにかく回線契約が必須という点が大きな足かせになっている。マニアなら新規契約で2台目として購入することにためらいはないだろうが、やはり平気で2台持ちしようというマインドは、一般向けには馴染まない。SIMフリー端末として発売されば、まだしも状況は変わってくるだろうか。

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基本的にはキャリアに紐付けられて販売されるコラボスマホ。SIMフリーとして販売された「SH-M02-Eva」という例もあるが、こちらは貧弱なスペックの割に8万円越えと、価格のバランスが悪すぎた

iPhoneが大好きな国、日本

それと日本においては、世界でも稀なほどiPhoneが圧倒的なシェアをもっているという点も忘れてはいけない。データによって多少の違いはあるものの、実にスマホユーザーの二人に一人がiPhoneを使っているという話もある。

なるほど、アニメは好きでグッズも持っていたとしても、「スマートフォンはiPhoneでなくてはならない」という事情があるのかもしれない。コラボスマホの客層とはずれるかもしれないが、若い世代では「周りがみんなiPhoneだから」という理由でiPhoneを選ぶ場合もあるらしい。

それにメイン機として運用するには、スーツに合わせにくいなど、TPOに応じた使い回しが難しいという声も耳にする。アニメ好き世代を狙ったはずが、とんだ理由で売れないのかもしれない。

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ドコモがワンピースコラボの「N-02E ONE PIECE」を発売したのは2012年のこと。iPhone 5目当てに、ドコモからauやソフトバンクへの転出が目立った年でもあった。iPhone強し・・・

そして高すぎる価格

そして最後に挙げなければいけないのは、その高すぎる価格だ。コラボモデルとなれば当然ライセンス料が発生するだろうし、コンテンツを含めた開発費は膨大になる。そのコストは端末1台ごとに上乗せされるワケで、販売数自体が少なければ自ずと価格は上がってしまうだろう。

それがハイエンド端末ならなおさら、「JOJO L-02K」の価格も当初は13万円だった。一切の割引がない点にもブーイングがあったが、ひょっとすると実際はもっとコストがかかっていたのかもしれない。本来は15万円で売りたかったところ、割引なしを条件にギリギリの線で13万円に設定した・・・なんて可能性もある。そんな想像はさて置き、価格が高い理由は分かるものの、なかなか手が伸びない主要な理由になっているのは間違いない。

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発売当初はかなり強気の売出しだった「JOJO L-02K」。本体割引がないのはもちろん、一切の料金割引もないという潔さだった

とにかくコラボ端末は難しい

もちろんコラボ端末すべてが売れていないわけではないものの、全体的に厳しい展開が多いのは確かだ。13万円だったものが一括648円という、タダ同然の価格で配られてしまう現状が、それを物語っているだろう。アニメ・マンガの製作者や端末開発者、ファン、何よりまともに購入したユーザーが悲しい思いをすることになる。

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ファン垂涎のデザイン、コンテンツにあふれたコラボ端末の今後はどうなる?

この調子では、今後どんどん新しいコラボ端末を出していこう、という考えにはなりにくい。いずれも完成度は高いだけに、それだは避けたいところだ。ただし幸いにも日本には外国人観光客や留学生が増加の一途をたどっており、そうした層を意識して販路を空港や観光地などにも拡大させ、SIMフリーの単体販売をすればどうだろう。

もちろん回線契約の必要がなければ、国内ユーザーに対しても強力なプッシュになるはず。国内外の潜在的なユーザーにアピールして、「今までの売れ残りは何だったのか」という流れができれば、コラボスマートフォンは続いていくのではないだろうか。

文: フリーライター 太田 文浩

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