旅する書評家がおすすめ!読めば人生が変わる本:2冊目「なるほどデザイン」

2019.03.03 00:01 更新

2019.03.03 取材

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PCやスマホ三昧の僕らに潤いの1冊・・・。旅する書評家・北村有さんが"これぞ”と思った本を紹介してくれます。週末くらいは液晶画面から離れて、ゆっくり読書はいかがでしょうか。

またお目にかかりました、旅する書評家の北村です。
無事に第2回めを迎えることができ、心からホッとしております。それと同時に、「次はどんな本を紹介しよう・・・」と悩む日々。

唐突ですが、皆さんは「デザイン」についてどう思いますか?
なんだかカッコいい響きですよね。最近はWebデザイナーとかグラフィックデザイナーとか横文字の職業の方も増えてきていますし、デザインって、どんなものか分かったら自分のレベルが上がりそう!

そんなド素人の私。あくる日、書店をぐるぐる回っていましたら、とても素敵な1冊を見つけてしまいました。筒井美希さんが書かれた『なるほどデザイン』(エムディエヌコーポレーション)という本です。

yuyu_02_800x600e なるほどデザイン〈目で見て楽しむ新しいデザインの本。〉(エムディエヌコーポレーション)
著者:筒井 美希
2015年7月31日発売(272ページ)
定価:2,000円+税
判型/仕様:A5判
ISBN: 978-4-8443-6517-4

『なるほどデザイン』は目で見て楽しむデザインカタログ

私のようなデザイン素人の皆さまは、一様にこう思うことでしょう。
「なんか、色とか形とかそれっぽい文字とかを、良い感じに組み合わせたらカッコよくなるんだよね!」「デザイナーの人しか知らない、秘密の魔法でもあるんでしょ?」

そう勘違いしてしまうからこそ、なんだかデザインって違う世界の人たちの技術って気がするし、軽い気持ちで手を出しちゃいけないんだろうなって思っちゃう。でも、この『なるほどデザイン』は違います。

私のようなズブの素人でも(久々にこの言葉を使いました)、駆け出しデザイナーさんでも、業界キャリア何十年の大ベテランでも、楽しく読めるおしゃれな「カタログ」のようになっているんです。

目で見て楽しむデザインカタログ。眺めているだけでデザインの知識がついて、読後には「なんだか自分、カッコいい・・・」と悦に浸れる本なんて、まさに理想じゃないですか?

デザインに無知でも充分楽しめますby素人

つらつら文字だけで語っていてもイメージが伝わらないと思いますので、ちょっとだけ中を見ていただきましょう。ほら、こんな感じで、雑誌の写真レイアウトや文字組みはどんな工程でつくられているかを、分かりやすく解説してくれているんです。

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「レイアウト」や「文字組み」なんて言葉、さも前から知っていたかのように使っておりますが、もちろん『なるほどデザイン』のおかげで学べた知識でございます。
 デザインのデの字も知らない状態の私が、一度パラパラと雑誌やカタログを眺める感覚で読んだだけで基礎知識が身につく魔法のような本です。いえ、きっと筒井さんの本物の魔力が込められているに違いありません。

書店のポップを見たり、CDショップのおすすめコメントを読んだり、美容院で雑誌を眺めるのが好きだという女性の方にはとくにおすすめできますね。時間を忘れて読みふけってしまいます。

文字の種類が違うだけで印象がガラッと変わる。
色がワントーン違うだけで朝から夕方のイメージになる。

デザインって魔法のようだけど、実はそうではないのかもしれない。細部に神は宿るというけれど、デザイナーの皆さんは、その細かいところに隠れている神を「もしもし」と訪ねて力を引き出す能力の持ち主なのかもしれません。

駆け出しデザイナーからベテランまで
筒井さん自身、冒頭の「はじめに」でこのようにおっしゃっています。

デザインを良くするヒントが欲しい新人デザイナーの役に立つようにと考えて作りましたが、ある程度キャリアのある人にも、他方ではデザインを仕事にしていない人でも、「デザイン」に対して興味があるすべての人に、面白く読んで・見てもらえるような内容を目指しました。

私が伝えたいのもこのメッセージの通り。『なるほどデザイン』は、世の中に溢れるさまざまな「デザイン」にゲーム性をもたせ、楽しむコツを教えてくれる要素も併せ持っています。

たとえば、駅や電車の中吊り広告。最近、歩きスマホに注意を促す内容が増えていると思いませんか?印象的なのは、ドコモが打ち出しているマナー広告。「危険です、歩きスマホ」の言葉とともに並んでいるコピーがなんとも秀逸です。

「(本人は、この広告見ないだろうけど)」
「歩きスマホをしてる人。周りの人に避けられてる人」
「この広告には気づかなくても、みんなの冷たい視線には気付いてほしい」

言葉だけでも充分効果的ですが、『なるほどデザイン』を読んでからこれらの広告を見てみると、以下のような点にも気付くようになります。

・背景を黄一色にしていること
・等身大の人物画像を用いていること
・フォントがシンプル
・文字間が適度に空いている

シンプルに見える広告・デザインほど、あらゆる要素を掛け合わせて、さまざまな計算の元に成り立っていることがわかります。
 世の中を見る目がちょっとだけ変わる『なるほどデザイン』、私と同じド素人の方にこそおすすめしたい1冊です。

自分が選んだ本よりも、人からおすすめされた本を読みたくなるときって無性にありませんか? ありますよね?

あなたは普段、どんな本を読んでいるでしょうか。そんな話もぜひ教えていただけたら嬉しく思います。また、お目にかかれますように。

yuyu_320x240 北村有(きたむら・ゆう)
国内一人旅と読書が趣味なフリーライター・旅する書評家。
ブログ:https://kitayu.net
Twitter:https://twitter.com/yuu_uu_

文: フリーライター・旅する書評家 北村 有

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