【ギークの無軌道モバイル観測 Vol.008】ドコモ回線一強が終わる?爆速「UQ mobile」にみるau系MVNOの可能性

2018.07.04 00:00 更新

2018.07.04 取材

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ガジェットライフにどっぷりハマる、ギークな野郎は毎日何を考えている?「ギークの殿堂」でお馴染みなアノ人が、スマホやデバイスのアレコレから、業界事情やオトクな契約プランに至るまでを徒然に語る。今回のテーマは、ここ最近で事情が大きく変わってきたau系MVNOの巨大な可能性だ。

「MVNOは遅い」を覆す、爆速すぎるau系MVNO「UQ mobile」

大手キャリアの回線を借りた格安SIMサービスのMVNO、その多くはドコモ系回線の業者で占められている。文字通りキャリアに比べて大幅に安い料金がウリだが、その分速度面では我慢を強いられることも多い。特に“ピークタイム”と呼ばれる混雑時は顕著に重くなり、まともに回線が繋がらなくなることもしばしば。そんな中にあって、圧倒的な回線の速さで注目を集めているのが、au系MVNOの「UQ mobile」だ。

180704geek_1024x768b 安いんだから仕方ない・・・そんなふうに考えていた時期が私にもありました。ピークタイムには悲惨な速度にまで落ち込むことの多いMVNOの格安SIMサービス、ひどい時はYahooにすら繋がらなくなるほど
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そんなMVNOの常識を覆す、爆速の格安SIMが「UQ mobile」。ピークタイムでもなんと下り40Mbpsオーバー、時間や環境次第では100Mbpsを上回るスピードが出ることも

実はサービス開始当初から速度面で大きなアドバンテージがあった「UQ mobile」だが、本格的に注目され始めたのはここ最近のこと。周囲を取り巻く事情から「速いけど微妙な存在」だったところ、今年に入ってようやく追い風が吹き始めた。いったいどういうことだろうか。

端末の選択肢がなかったau系MVNOの暗黒時代

au系MVNOといえばmineoなどが以前から知られているが、やはり全体から見れば少数派といえる存在。その大きな理由が使いにくさで、特にこれまでは端末の選択肢がほとんどなかった。そもそも現行主流のVoLTE SIMの場合、auのSIMロックがかかっていると格安SIMが使えないという、MVNOにとっては致命的な仕様が足を引っ張っていた。

もちろんSIMロック解除を申請すれば使えるのだが、解除申請ができるのは購入から6ヶ月後(あるいは一括購入の場合)。面倒さゆえにアンロック端末の入手性も悪く、仮にうまい具合に端末を手に入れても、それが壊れたら再度の端末探しが待っている。

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旧来の4G LTE SIM(2014年以前)ではアンロック不要で格安SIMが使えていたところ、VoLTE SIMに切り替わって以降はアンロックが必須になった。なお、マニアのポケットにはauのキャリアSIMをはじめ、よく分からないSIMカードが色いろ入っていた
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アンロックの手間が面倒だったことから、店頭でもアンロック端末の在庫は少なめだった。まともにau系MVNOで使える端末がかなり限られていたというワケだ

ちなみに従来の4G LTE SIMの場合、iPhoneはアンロック不要で使えたものの、当時はそのau向けiPhoneそのものが高かった。型落ちのiPhone 5sですら、中古でも1万円以上してしまう有様。そうなると、もう安い対応端末の選択肢は、ZenFone 2くらいしかない(笑)。ドコモ回線のように「とりあえず安いスマホを買って安いSIMを入れて使おう」という気軽さがまったくなかったワケだ。

auスマホがau系MVNOに全面開放、アンロックが不要に

風向きが変わったのが、総務省による行政指導だ。自社向けMVNOへのロックをやめなさい、という通達が出たことで、情勢が一変。iPhone X(8)を含め、2017年8月以降に発売されたauスマホ(およびガラホ)は、SIMロックを解除しなくともMVNOのVoLTE SIMが使えるようになったのだ。

このおかげで、XperiaやGalaxyといったハイエンドスマホを使いたいと思っていたau系MVNOユーザーも報われることに。いまやau向けiPhoneもだいぶ価格が下がり、手を伸ばしやすくなってきた。

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au系MVNOユーザーへの福音となった行政指導、「Xperia XZ1」など最新のハイエンド端末が自由に使えるようになった。「HUAWEI P20 lite」はUQ向けにもリリースされているが、au版は価格同等でストレージが2倍になっている

もちろんドコモ回線と比べれば、すぐに利用できる機種はまだ少ない。ただ今後発売されるauスマホはすべてMVNOで利用できるワケで、爆速の「UQ mobile」も対応端末の幅がこれからどんどん広がっていく。誰もが気軽に白ロムを買ってすぐに使える、というドコモ並の環境になるのも、そう遠くはないだろう。

弱点を克服しつつあるau系MVNO。ドコモ系一強の時代もいずれ終わる

さらに朗報なのが、国内でリリースされるSIMフリーのAndroidスマホが、続々とau回線に対応していること。モトローラの「Moto G6」や「Moto G6 Plus」といったメジャーどころに加えて、マニア向けの「BlackBerry KEY2」(今夏発売予定)も日本版に限りau VoLTE対応を予定している。

また、今までドコモ回線で勝負していたBIGLOBEがKDDIに買収されたことで、au回線メインにスイッチするなど、新規参入の声も聞こえてくるようになった。

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新規端末はSIMロックの影響を受けないため、選択肢はどんどん広がっていく。SIMフリースマホのau網対応も拡大し、MVNO業者の選択肢も増えつつあるようだ

MVNOの選択肢も広がって、さらに速度面でも優位となれば、これまでの「MVNO=ドコモ系格安SIM」という構造もだいぶ変わってくる。将来的には、MVNOの話題になった時に「ええと、ドコモ回線?au回線、それとも・・・」という風に、アレコレ悩めるようになるのが理想だろうか。

文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
太田 文浩(イオシス アキバ中央通ヨコ店): 

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