東莞工場見学で明らかになる、ZOTACブランドの品質へのこだわり

2016.10.30 00:01 更新

2016.10.29 取材

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 ZOTAC製品の製造工程を確認する「PC Partner東莞工場見学ツアー」。2回目となる今回のレポートでは、製造後の製品に対して行われる数々のテスト作業を中心に紹介していこう。ZOTACそして、PC Partnerの品質向上にかける強いこだわりが分かるはずだ。

全品検査に加え、厳しい抜き取り検査を行うことで品質を向上

ZOTAC製品の製造を手がけるPC Partner東莞工場初回レポートで紹介した通り、すべての製品に対して出荷前検査を実施することで、品質を維持し、初期不良率の発生を抑えている。さらに製造後の一部製品を抜き取り、より厳しい検査とストレステストを実施。これによりさらなる品質の向上を目指しているわけだ。

さらなる品質向上のため、PC Partnerでは全品検査に加え、多岐にわたる抜き取り検査を実施している

そこで第2回目となる今回のレポートでは、同工場で実際に行われている検査の様子を紹介していくことにしよう。

バックグラウンドノイズ12dBA以下。無響室による音響テスト

バックグラウンドノイズや残響がほとんどない無響室。取材時には「ZBOX」シリーズのテストが行われていた

近頃のグラフィックスカード(およびPC)はいずれも静音性が高く、以前のように騒音に悩まされることはほとんどなくなった。この静音性向上に重要な役割を果たすのが「音響テスト」だ。PC Partnerでは、バックグラウンドノイズ12dBA以下という、ISO 3745 / GB 6882規格準拠の「無響室」を工場内に設置。ここでサンプリングした製品のノイズを測定するとともに、異音や共振が発生しないかなど細かくチェックされる。

工場内に設置された「無響室」。広さは幅3.0m、奥行3.5m、高さ2.0m
音の反響を抑えるため、壁だけでなく床にも吸音材が敷き詰められている

 

最新モデルは各種ベンチマークや実際のゲームプレイでパフォーマンスを検証

最新モデルはベンチマークだけでなく、実際にゲームをプレイしてパフォーマンスなどをチェックする

グラフィックスカードのチェック工程で、特にユニークなのが「VGA Card Validation」ルームで行われる「New Model Test」だ。こちらには基本的に新モデルが集められ、各種ベンチマークを実行。さらにスタッフが主要なゲームタイトルを実際にプレイして、想定通りのパフォーマンスが発揮できるのか、正常に動作するのかなどを検証する。

複数台の検証マシンでベンチマークを実行しつつ、ゲームをプレイするスタイル

担当者によれば、ゲーム推奨モデルについては、実際にそのゲームをプレイしてチェックするメーカーは多いが、工場内に複数のゲームタイトルに対応するチェックスペースが設けられているのは珍しいとのこと。しかし、実際のゲームプレイでしか見つけられない障害やバグもあるため、PC Partnerでは新製品に対して必ずゲームタイトルによる検証も行うようにしているという。ちなみにプレイするゲームは決められたものもあるが、ある程度スタッフが自由に選択可能。その腕前は全員かなりのものだった。

なるべく実際のゲームプレイに近い状態を作り出すため、スタッフ全員真剣にプレイしていた

 

冷却性能に加え、防塵性や耐久性をチェックするVGAクーラーテスト

実際のPCとほぼ同じ環境を作り出すことができる専用ボックスを使い、VGAクーラーの冷却性能を検証

グラフィックスカードを安定動作させるには、基板設計もさることながらVGAクーラーの性能や品質もとても重要になる。そこでVGAクーラー専用のテスト項目として、一般的なPCとほぼ同じ条件を作り出す専用ボックスを使った冷却性能テストに加え、粉塵ルームによる防塵性テスト、さらに電源のON / OFFを繰り返す耐久テストを実施している。

電源のON / OFFを繰り返し、ファンの耐久性を測定 取材時には実際のチェックは行われていなかったが、防塵性を検証する専用ルームも用意されていた

これらのテスト結果を元に、既存のVGAクーラーの品質や冷却性能を改善。さらに新GPUが登場した際の冷却システムの設計にも利用される。

テストルームには、これまでZOTAC製グラフィックスカードに搭載されていたVGAクーラーがズラリ揃えられていた

 

厳しい環境負荷テストでカードの耐久性を実証

グラフィックスカードの環境負荷テストを行うテストルーム。チェック用のPCには最も標準的なミドルタワーデスクトップPCが採用されていた

ワールドワイドに展開するZOTAC。使用する場所によって気候や環境条件が大きく異なるため、製品には「冷熱衝撃テスト」「環境テスト」「ストレステスト」「振動テスト」など、非常に厳しい環境負荷テストを実施している。ここではこれら環境負荷テストの様子を画像で紹介しておこう。

「ストレステスト」では、周辺温度を40℃にしたマシンの中で、各種ベンチマークテストを連続実行する
「環境テスト」では、45℃の高温環境での動作を確認中
このマシンでは、温度85℃、湿度85%という過酷な環境を作りだし、5年間の製品寿命をクリアできるか約150時間でチェックできる こちらでは強制的に温度を変えることで「冷熱衝撃テスト」を実施中
温度や湿度だけでなく耐振動性も測定 グラフィックスカードだけでなく、システム全体の熱耐性を測定することもできる

 

別棟の「EMC LAB」では、電磁干渉やESD放電をチェック

メイン工場の脇には、電磁干渉を測定する「EMC LAB」が併設されている

メインの工場脇にある「EMC LAB」には、大型の「EMC測定室」が用意され、PCや各種コンポーネントからの電磁干渉を測定可能。こちらはコントロールルームから、温度や湿度などの条件を変更でき、出荷する国や地域に合わせた計測を行うことができる。

電磁干渉を測定する「EMC測定室」。PCを設置するデスクは回転式で全方向から計測できる
隣にあるコントロールルームでは、測定条件の変更や測定結果の確認ができる

また「ESD放電耐性」をチェックするテストルームも併設。こちらでは、グラフィックスカードやPCのコネクタ部に2,000Vから3,000Vの高電圧を25回放電し、耐久性を検証しているという。

コネクタ部に強制的に放電し、耐久性を検証。ただし、静電気についてはどうしても万全と言うわけには行かず、やはり取り扱い時に注意するのが最良の方法とのこと

 

小型ベアボーンキット「ZBOX」の組み立てを確認

小型ベアボーンキット「ZBOX」の製造ライン。マザーボードは既に完成しているため工程はシンプルだ

最後に小型ベアボーンキット「ZBOX」シリーズの組み立ての様子を簡単に紹介しておこう。マザーボードは既に完成しているため、基本的には、ドライバーを使いコンポーネントを固定し、ケーブルを配線。その後ケースに装着して、動作チェックと負荷テストを行い、問題ない製品のみ梱包して終了となる。

まずはマザーボードに必要なコンポーネントを電動ドライバにて固定。その後メモリの取り付けや配線、ケースへの設置などを行う
その後Windowsの起動テストと専用プログラムによるチェックを実施
続いて、組み立てが完了したすべての製品に対してバーンインテストを実行。これにより初期不良率をグッと下げることができるという
テストをパスした製品は、付属品を同梱してパッケージングすれば出荷準備は完了だ

文: GDM編集部 池西 樹
ZOTAC International (MCO) Ltd.: https://www.zotac.com/

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