Radeon陣営の先行投入で幕を開けた28nmプロセス世代のグラフィックスカード戦線も、先月に登場したNVIDIA陣営のハイエンドモデルGeForce GTX 680の参戦により、いよいよ本格的に動き出したといえる。今年初めの発売以来シングルGPUの頂点に君臨してきたRadeon HD 7970としては、今こそその真価が問われるところだろう。
そこで今回取り上げるのは、迎え撃つRadeon陣営の最上位GPU HD 7970。その中でも過激なオーバークロックが施されたMSI(本社:台湾)製の最高峰モデル「R7970 Lightning」だ。奇しくも発売の時期は3月末と、まさにGTX 680と直接対峙する使命を帯びての登場となった。そのウルトラハイエンドモデルのサンプルをエムエスアイコンピュータージャパン株式会社(本社:東京都台東区)より借り受け、Radeon最上位の底力と、オーバークロックにより引き出される真のポテンシャルを検証していきたい。 |
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| AMD Radeon HD 7970を搭載するハイエンドグラフィックスカードMSI「R7970 Lightning」。執筆時点での実勢価格は67,000円前後(製品情報) |
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|軍事規格準拠の堅牢さと強力なオーバークロック性能を併せ持つ、MSIのフラッグシップ「Lightning」
そもそも「Lightning」とは、MSI製グラフィックスカードで最高峰に位置する製品に冠せられる称号だ。メーカー独自のオーバークロックが施されるのはもちろん、ユーザーの手によるさらなるチューニングに対応する電源周りの大幅な強化や独自基板の採用など、高品質な設計思想を挙げれば枚挙に暇がない。
さらに品質に関して言及すれば、MSIの高品質コンポーネント搭載を象徴する「ミリタリークラスIII」にグラフィックスカードとして初めて準拠したことが挙げられる。「ミリタリークラスIII」は、搭載コンポーネントすべてがアメリカ国防総省が制定する軍事調達規格「MIL-STD-810G」をクリアしたことを証明する独自の品質基準だ。パッケージには第三者機関の証明書がもれなく同梱され、過酷な環境下でも高いパフォーマンスを発揮することが約束されている。
なお余談ではあるが、昨年末に決着した航空自衛隊の第4次F-X(次期主力戦闘機)選定では、同じく「Lightning」の名を冠する「F-35 Lightning II」が選出され、「R7970 Lightning」のパッケージも同機をイメージしたデザインが採用されている。近い将来日本の空を守ることになる“Lightning”のパフォーマンスを、一足早く自分のマシンで試してみるというのもオツな話ではないだろうか。
|高性能クーラーと優れたコンポーネントを搭載する最高峰のRadeon「R7970 Lightning」
「R7970 Lightning」は、28nmプロセス世代のアーキテクチャ「Graphics Core Next」を採用する、AMDのハイエンド向けGPU「Radeon HD 7970」搭載グラフィックスカード。
「Lightning」の名に相応しくオーバークロックを強く意識した製品に仕上げられ、特に電源周りの設計は極めて強力。GPUコアに14、メモリに2、VDDCI(PCI-Express電源)に1の合計17フェーズもの電源回路を搭載し、リファレンスモデルとの比較で約2倍の電力供給性能を実現している。さらにカード裏面には「GPU Reactor」と名付けられた、電力供給量を増加させリップルノイズを低減する専用基板を実装。その上、オーバークロック時の障害となる渦電流保護やアクティブフェーズを無効化する「Unlocked BIOS」を搭載するなど、まさに“極限”のチューンナップを楽しめる要素が満載されている。
そしてもちろんのこと、オーバークロック時の安定性を後押しする冷却面にも抜かりはない。搭載するMSIオリジナルクーラー4代目の「Twin Frozr IV」は、計5本のヒートパイプに加え100m径の巨大「プロペラブレード」ファンを2基搭載するモンスタークーラーだ。リファレンスクーラーと比較してGPU温度を14℃低下させつつ、6.3dBの静音化を実現している。
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| 高い冷却性能を誇るデュアルファン搭載クーラー「Twin Frozr IV」を装備する「R7970 Lightning」。コアクロック、メモリクロックともにチューンされたオーバークロックモデルだ |
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それら充実したコンポーネントと大型クーラーに支えられる「R7970 Lightning」は、コアクロックを1,070MHz(リファレンス:925MHz)、メモリクロックを5,600MHz(リファレンス:5,500MHz)へと高められたオーバークロックモデルだ。そのほかストリームプロセッサ数は2,048基、メモリバス幅は384bitで、GDDR5 3GBのビデオメモリを実装する。
出力インターフェイスはSinglelink DVI-D×1、Singlelink DVI-I×1、miniDisplayPort×4を備え、オーバークロック時の消費電力上昇に対応するため、補助電源コネクタは8pin×2(リファレンス:8+6pin)へと増強されている。
そして「R7970 Lightning」の市場における実勢価格は67,000円ほど。50,000円以下から購入できるリファレンスモデルとの価格差は際立っており、Radeon最上位の大看板としての貫禄を感じさせる。果たしてその価格差は有益な投資となるのか、この後でじっくりと検証していくとしよう。
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