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エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.11
Thermaltake「Jing 静冷魂」検証
2010年9月9日 0:00
TEXT:GDM編集部 松枝 清顕
 
オープンフレームファンDual搭載の「Jing 静冷魂」

 第11回エルミタ的「一点突破」CPUクーラー編は、Thermaltake「Jing 静冷魂」(型番:CLP0574)を用意した。
 今年6月に開催された「COMPUTEX TAIPEI 2010」の同社ブースでお披露目されたハイエンド向けサイドフロー型CPUクーラー「Jing静冷魂」は、Vol.4でテストした「Frio 冷却魂」を凌駕する冷却能力が期待されるThermaltake渾身の新作だ。

[COMPUTEX TAIPEI 2010] デュアルファン搭載でも静音仕様をアピールするThermaltake「静 Jing」(2010/6/4)

 ちなみに製品名の「Jing」(ジン)だが、中国語で「静」と訳す。CPUクーラーとしては非常に分かりやすいネーミングだが、それだけにコンセプトは明らか。加えてパッケージにある「Support 200W」で“高冷却”もアピールされている。表裏一体にある騒音値と冷却性能の関係はどのメーカーにとっても永遠の課題だが、このモデルはどこまでその“理想型”に近づいているのだろうか。

Jing
今年の「COMPUTEX TAIPEI 2010」Thermaltakeブースでも注目されていた「Jing 静冷魂」がいよいよリリースされた。“静冷魂”(セイレイダマシイ)とはなんとも力の入ったサブネームなのだろうか



「Jing 静冷魂」外観をチェックする

 まずは外観からチェックして行こう。「Jing 静冷魂」は、オープンフレームファンデュアル搭載が機能面の特徴ならば、デザイン面では緑を基調としたカラーリングが大きな特徴となっている。

 「一点突破」Vol.4でテストした「Frio 冷却魂」(2010年3月27日掲載)は、同じくThermaltakeのハイエンド志向のCPUクーラーで、黒と赤の2色カラーがいかにも“それらしい”アグレッシブな印象だった。一方の「Jing 静冷魂」は、「CPUクーラーには珍しい爽やかな緑色をまとったボディは静謐な竹林をイメージしており、静音かつ冷却性を体現しています」(同社サイト)とある。「COMPUTEX TAIPEI 2010」のブースでは、人工芝の上にレイアウトされていたが、どうやら芝ではなく竹林であるらしい。

Spec

パッケージはThermaltakeお得意の“腰巻き式”。筒状の日本語パッケージを外すとグローバルパッケージとなる。なお「静冷魂」は日本市場でのネーミング。海外仕様にはこのロゴは無い パッケージ内には「Jing 静冷魂」本体、リテンションキット一式が入った専用ツールBOX、Intel用/AMD用取り付けマニュアルが収められていた
芝ではなく竹林がモチーフだったグリーン基調のクーラー本体。ファンインペラとトップカバー(アクセサリー要素が高い)の黄緑はECOの意味合いもあるのかと思えば、それに関するセールトークは一切無い
正面と側面を眺めてみる。こうして見るとオーソドックスなサイドフロー型CPUクーラーという印象もあるが、TDP200Wサポートの実力派だという。なおニッケルコーティングされた放熱フィン枚数は39枚
プラスチック製トップカバー中央には、Thermaltakeロゴと中国語表記の「静」の文字があしらわれたアルミプレートが装着されている 底面ベース部には「WARNING」シールが貼られており「Please peel off label before you use it」の表記が。実際このシールを剥がさずに装着してしまうユーザーが少なくないという
鏡面仕上げの純銅製ニッケルコーティングベース部。ヒートパイプは非ダイレクトタッチ式で、φ6mm×5本がU字に配列され、熱移動の向上が図られている アルミ製放熱フィンのヒートパイプ貫通部。この密着具合でヒートパイプの役割が十分に果たされているか否かが決まる。冷却能力の差は工作精度にも深く関係しているというワケだ
ファンを外すと露わになる放熱フィンは、断面がフラットではなく段差がつけられている。これはファンからのエアフローを効率良く抜けさせる目的でデザインされているという 角度を変えるとよく分かるヒートパイプレイアウト。「千住火力発電所のおばけ煙突の如く、角度によって本数が違って見える」という個人的感想は、かなり余談



よく出来ているオープンフレームファン「O.C.VRファン」

 発表以来気になっていた「Jing 静冷魂」だが、なんと言っても最大の特徴はオープンフレームタイプの「120mm サイレントO.C.VRファン(Optimize Cooling VRファン)」が2基搭載されている点だろう。ヒートシンクを挟み込むように両サイドにファンをレイアウトする方法は、今や珍しくはないものの、2基共にオープンフレームファンを採用するモデルは記憶にない。
 スクエアタイプであれば裏表をひっくり返す事で、簡単にエアフロー方向を吸気または排気で使用できるが、オープンフレームファンは通常エアフロー方向が吸気に限定される。しかし「Jing 静冷魂」では一方をイレギュラーの排気仕様にカスタマイズした“リバースファン”が採用されているのだ。

“Tt”ラベルが貼られた「120mm サイレントO.C.VRファン」はオープンフレームタイプを採用。低ノイズファンブレードにより静音効果も高いという Low/800〜High/1300rpm間のボリュームコントロールが可能なファンコントローラー。ケース内で調整するケーブルタイプなため、結束バンドで固定したい
ファンの固定は本体のプラスチックフレームへ引っかけるタイプで着脱は容易。汎用性を考慮してか、ファンには一応ネジ穴が空けられていた。なおファンを固定するフレーム部は「振動吸収ガスケット」と名付けられており、ファン駆動時の共振ノイズを低減させる効果があるという
ヒートシンク本体からファンを取り外してみた。ファンは裏側から見ると、吸気/排気各インペラデザインの違いがよくわかる。なおファン自体にエアフロー方向の記載が無いため、羽形状で判別する事になる 特徴的な低ノイズファンブレード。フォークのような3本足で1セット×4カ所から成る。間隔を広く取る事でエアフローのストレスを軽減し、騒音値を落とそうという工夫がなされている
2つのファンを表面から見比べたところ(画像左)。右が吸気、左が排気となる。Rの方向が逆になっている事が分かるだろう。両者を重ねてみたところ(画像右)、側面からも明らかな違いが確認できる
そもそもオープンフレームは、一般的スクエアに比べ、フレーム付近で起きる風の乱れ=エアフローロス/騒音の原因が軽減されると言われている
ファン裏面に記載されている型番を確認すると「TTE122712LS」とある。これは独自の型番らしく、これ以上の情報は確認できなかった。普通に読むならば、数字の先頭2桁は120mm口径、次の2桁は厚みとなるはず。実際にデジタルノギスで測ると実測値で26.4mmだった

 なかなかよく出来ている「O.C.VRファン」だが、もう少し掘り下げて行こう。
 先ほど吸気側と排気側、両者のファンを取り外して見比べたが、何も考えずに想像するならば、単純にファンの回転を逆にすればいいのではないか?と思われるかもしれないが、そう単純ではない。
 両者の比較からはまずインペラの角度(生えている方向とでも言うべきか)がまるで違っていた。さらに各々を回してみると、吸気側(ヒートシンクに対して吹き付け)は左回転排気側(ヒートシンクに対して吸い出し)は右回転で作られている事が分かった。(動画参照※右=吸気側/左=排気側)


 興味のない人にとっては“たいした事ではない”と思われるかもしれないが、実は非常に良く考えられているのだ。このファンは「Jing 静冷魂」用にカスタマイズされており、少々大げさだがThermaltakeがこのモデルに賭けた熱意を強く感じられる点と言えるだろう。



マザーボード搭載手順をチェックしてみる

 ここからは同梱品をチェックしつつ、実際にマザーボードへ搭載してみる事にしよう。「Jing 静冷魂」ではリテンションキット一式が専用ツールBOX(Accessory Package)に収められている。
 これら同梱品はチャック式ビニール袋に入れられているのが常だが、さすがにアッパークラスを標榜するモデルだけにプレミアム感も忘れていない。小分けにされたビニールの山に比べればたいへん便利である事は言うまでも無くパッケージには個々のパーツ名と個数が記載されており、マニュアルと照らし合わせる事で誰もが迷うことなく装着できる点はユーザビリティの点で高ポイントと言えるだろう。

リテンション、グリス、ネジ類などはこのツールBOXにすべて収納されている。フタにはパーツの名称と個数が記されており、出荷時の欠品トラブルも未然に防ぐ事ができるだろう 注射器タイプの「プレミアムサーマルグリス」は恐らく「Frio 冷却魂」に同梱されていたものと同一品。比較的柔らかいペースト状で、扱いやすい
ABS樹脂製のバックプレートはIntel、AMD共通。事前に六角ヘッドのロングスクリューを4カ所の穴に装着しておく
ベース台座を作るためのロングスクリュー、ナット、皿ネジ。個数は各4本で、こちらもツールBOXに整然と収納されている テスト機材はLGA1156という事で、Intel用マウントバーを用意。LGA775/LGA1366共通で、これより短いAMD用ももちろん同梱されている
プラスチックスペーサーをロングスクリューに通し、Intel用のベース金具を装着→ハンドルネジタイプのナットで締めればベース台座の完成
「Jing 静冷魂」ベース部にT字マウントバーを皿ネジで固定。ベース台座にねじ込むミリネジにはテンション用のバネが鳩目で固定されている
完成した台座にT字マウントバーのバネネジを締め付ける。つまり「Jing 静冷魂」は2本のバネネジで固定される。重量920gの本体はぐらつきも無く不安感はほぼゼロ


 ここまではなかなか好印象の「Jing 静冷魂」だが、次は肝心な冷却能力各種テストを行ってみよう。そのパフォーマンスはいかに。

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Jing
・サイズ:L131×W123×H162mm
・重量:920g(ファン2基搭載時)
・ヒートパイプ:φ6mm×5本
・ベース部:純銅製(ニッケルコーティング)
・放熱フィン:アルミニウム製
・ファン:120mm サイレントO.C.VRファン
・回転数:800〜1300rpm
・最大風量:吸気42CFM/排気37.7CFM
・最大風圧:(air in) 0.85 mmH2O
 (air out) 1.43 mmH2O
・騒音値:16dBA(800rpm)
・コネクタ:3pin
・対応:Intel LGA1366/1156/775、AMD Socket AM3/AM2+/AM2
製品平均寿命:50,000時間(40℃)
・市場想定売価税込7,980円前後
・発売日:2010年9月3日発売
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