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 Home > エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.4 「Frio 冷却魂」(型番:CLP0564)検証
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エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.4
Thermaltake 「Frio 冷却魂」検証
2010年3月27日 2:50
TEXT:G&D matrix編集部 松枝 清顕
 
気になる存在だった雰囲気たっぷりの「Frio 冷却魂」検証

  第4回エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編はThermaltakeの自信作、2010年度前半のフラッグシップモデルとしてリリースされた「Frio 冷却魂」(型番:CLP0564)を取り上げる。

 第3回ではThermaltake「Contac 29」(型番:CLP0568)のテストをお届けしたが、「Contac 29」が先鋒なら「Frio 冷却魂」は大将といったモデル間バランスが取られている。
 というのも「Contac 29」はミドルクラス価格帯の静音仕様モデルに対し、「Frio 冷却魂」は220W対応を謳うアッパークラスモデルに属し、オーバークロッカーやハイエンドゲーマーが主たる対象とされている。「Core i5-750」を基準としたこの企画では、少々オーバースペックの感は否めないが、“冷えすぎて困る”事は無い。

 前置きはここまでにして、いかにもフラッグシップモデルの雰囲気がパッケージからも読みとれる、編集部期待の「Frio 冷却魂」の“魂”を早速検証してみることにしよう。
Frio Frio
日本市場に流通するモデルには、グローバルパッケージ(画像右)に日本語化された“スリーブ”付き(画像左)が採用されている。この方法を採ることで、ローカライズされたパッケージを個別生産する際のコスト低減と資源の使用が最小限で済む事から、地球に優しく環境面においても配慮がなされている
Frio Frio
日本市場向けに作られたパッケージ(スリーブ)側面や裏面にも製品の特徴が詳細に記載されている。指名買いならばともかく、店頭陳列商品から選定しようとするユーザーにとって日本語表記は「最後の一押し」になる可能性がある。数量が見込めない場合はコスト高になる事を懸念し、JANコード入り代理店シール等でおしまいとされる事が多いが、「Frio 冷却魂」は気合いが込められている。「魂」と言うだけの事はある


Thermaltake「Frio 冷却魂」ディテールチェックしてみる

 いわゆる“買った気がする”大きなパッケージに収められた「Frio 冷却魂」。重量1,024gの重量級モデルだけに、前回の「Contac 29」のようなペーパーBOXだけでなく、内部にはスチロール系の緩衝材が使用され、輸送時の内部破損に配慮がなされている。


 公称220Wサポートを謳う「Frio 冷却魂」は、220Wサポートが謳われている事でも想像できるように、高い冷却能力を必要とするミドルレンジからアッパークラスのシステムがターゲットとされている。製造プロセスにも見られるCPU側の改善により、数年前に比べればTDPも“天井知らず”というワケでもなく、実用レベルでは静音ファン搭載CPUクーラーで十分に対応できるようになった。
 良い時代になったと言えばそれまでだが、どうにか音を静かに、そして高冷却をと試行錯誤した時代は自作ユーザーのチャレンジ精神も旺盛で、それに応えるべく冷却機器メーカーもこぞって新型モデルをリリースしたものだ。
  あれから数年、ある程度のレベルに達した事でその熱も引いてしまい、目的が達せられてしまうと、CPUクーラーの存在価値も一頃に比べれば薄くなってしまった感は否めないが、まだまだ進化する余地のあるカテゴリだけに、ユーザーは積極的にチャレンジを続けて頂きたいと思う次第だ。

 さて大幅に道が逸れたところで軌道修正、本題に戻ろう。純正CPUクーラーでもそこそこ冷えるこの時代に登場したハイエンド系「Frio 冷却魂」の本領が発揮される場面といえば、オーバークロックかもしれない。ただしここではIntel Core i5-750を基準にした、実用レベルでの運用がベースなため、本来の能力を引き出す事には限界があることをお断りしておきたい。しかしながら、細部をチェックする事で、潜在能力の一部を垣間見ることは可能なはずだ。「冷却魂」というネーミングに込められたその実力をまずは外観から見て行こう。
Frio Frio
幅広いユーザーに対応する「Frio 冷却魂」。対応ソケットはIntel LGA1156/1366/775、AMD Socket AM3/AM2+/AM2のユニバーサルモデルだ ファンの共振をヒートシンクからシャットアウトする「アンチバイブレーションファンマウント」を採用。やや柔らかめのゴムブッシュが装着されている
Frio Frio
反対側にも120mmファンが1基増設ができ、冷却能力を向上させる事ができる。両面ファン搭載タイプのCPUクーラーは最近非常に多く、手軽に高冷却化させるには最適な手法。なおファンを装着する“枠”には、防振ブッシュ用の切り込みが用意されている
Frio Frio
“非ダイレクトタッチヒートパイプ”式が選択された「Frio 冷却魂」。ヒートパイプ径は8mmで、5本を使っての熱移動となる。冷却性能を左右するベース部とヒートパイプの密着度は、外見上は綺麗に処理が施されている(赤矢印部)。採用されている「U字型コンセプト」は、限られたベース部面積でより有効な熱移動をさせるための手法。最も効率がよいとするパイプ中間部分をベース位置に配置する事で放熱フィン左右にバランスの取れた熱移動を実現する
Frio Frio
ニッケルコーディングが施されたベース部は純銅製。またベース部厚は実測値15mmで、表面はいわゆる鏡面仕上げではない
Frio Frio
0.5mm厚のアルミニウム製放熱フィン枚数は48枚で、1枚当たりのサイズは最大部実測値128×60mm。両側面部は対角線上にフィンが下方向に曲げられており、単純にヒートシンク内エアフローがストレート方向だけに抜けないよう工夫がなされている
Frio Frio
「Frio 冷却魂」では重要なアクセントとなるプラスチック製のトップカバーと、ABS樹脂製のレッドアクセントバーは、簡単に着脱ができる。冷却性能には全く関わりのない構成パーツだが、自動車のエンジンを模しているようだ。ちなみにファン取り付けのベース部とファン単体の重さ1セット分を計ったところ162gだった。公称重量が1042gなので、ヒートシンク自体は880gである事が分かった。かなりの重量級に見えるが、Thermalright 「Venomous X」(1310g)より軽量なのだ
Frio Frio
トップカバーは半透明で、奥行きを演出。意見が分かれるところとは言え、個人的には悪くないと思っている デュアルファン稼働用に「O.C.VRファン」が付属する。なお型番は「PLA12025S12HH-LV」で、DC12V/0.5Aの3pinコネクタ仕様
Frio Frio
デュアルファンモードで運用させる場合は、ファンラベルが表面に向く。Thermalrightは「桜扇」以来、ホワイトインペラがお気に入りなのだろうか。ただしフレームのブラックとはさすがによくマッチしている コネクタ形状は3pin。2基のファンいずれもボリューム式ファンコントローラーが付き、1200-2500rpm間で無段階に回転数を設定する事ができる。ケーブル長が短いため、ケース外での使用は不可能。システムに合った回転数を組込時に設定しておきたい
Frio Frio
当然の事ながら、エアフロー方向はしっかり確認して装着しよう 隣接するグラフィックスカードとの距離は15mm程度だった
Frio デュアルファンにしたところ、メモリのバンクが1本潰れてしまった。また高さのあるヒートスプレッダ付きでは隣のバンクも物理的干渉の懸念がある。デュアルファン運用はハイエンドユーザーが想定されており、メモリもそれなりの製品をチョイスする筈だ。これを想定するなら、(1)ヒートシンクの奥行きを少し短くする、(2)ファンはベース枠を使用しない装着方法採用、等の配慮が課題だろう。このような情報は使用レポートやメディアレビューでしか得ることができないため、注意が必要だ



同梱品をチェックしてみる

 次にパッケージ内の別箱に収められた同梱品を見て行く。一度に内容物をバラバラに拡げてみると、筆者を含めた面倒くさがりなユーザーは“見なかった事にして”そのまま元に戻したくなるかもしれない。ただしこれは「Frio 冷却魂」が特異なワケではなく、前回「Intelの罠」と命名したソケット毎の微妙なピッチ違いから対応分のリテンションを同梱しなくてはならなくなっているからに他ならない。特にバックプレートを使ったネジ留め式の場合は、金具が余計に用意されている事が多く、どうしても同梱品過多になってしまう。AMDを見習うべきだと声を大にして言いたい。
Frio Frio
Intel系用のバックプレートと、ヒートシンクにネジ留めするリテンション金具 リテンション金具は対応ソケット毎にアルファベットの判別シール付きビニール袋に個別包装されている。マニュアルをよく見て事前確認をしておくと便利
Frio 左端はリテンション金具とバックプレートを固定するM3 4mmナット。その他絶縁ワッシャーやファン増設用防振ゴムマウント、プレミアムサーマルグリス等が同梱されている
Frio Frio
AMDのSocket AM3/AM2+/AM2共通のリテンション金具とネジベース こちらはAMD用のバックプレート



エルミタ的レギュレーション 計測環境および計測方法

  ここまで「Frio 冷却魂」の外観および同梱品等をチェックしてきたが、いよいよテストに入ることにしよう。計測方法等は従来通りで、第1回から変更は無い。なお本稿の基準としてテストを行ったIntel Core i5-750純正CPUクーラーに関しては、こちらに詳しい。なおグリスについては、CPUクーラー付属のものを使用している。


1.マザーボードはケースに組み込まない状態で計測する
(ケースファンなどケース内エアフローの影響を受けない状態で、できる限りCPUクーラー本来の性能を見る)
2.マザーボードなどの各種設定はデフォルトのまま行う
3.CPU全コアに100%負荷をかけ、5回テストを行う
(計5回テスト中、平均値のスコアを掲載)
4.騒音値は、ファンから10cmの距離で計測
(騒音計はファンと垂直方向に設置)
5.高負荷状態は「OCCT 3.1.0」を使用
(アイドル時および高負荷時(100%/20分)の数値を計測)
6.コア温度およびファン回転数は「SpeedFan 4.40」を使用
(アイドル時および高負荷時(100%/20分)の数値を計測)

検証使用機材
CPU Intel「Core i5-750」 Lynnfield
(2.66GHz/TB時最大3.20GHz/TDP95W)
マザーボード GIGABYTE「P55A-UD3」
(Intel P55チップセット/ATX)
メモリ OCZ「OCZ3P1333LV4GK」
(1333MHz/PC3-10666/CL 7-7-7-20/1.65v)
SSD OCZ Vertex Series 120GB(SATA2/2.5インチ)
VGA XFX「HD-567X-YNFC」
(Radoen HD 5670 512MB DDR5)
OS Windows 7 Ultimate 64bit
放射温度計 AD-5611A(非接触型温度計)
測定範囲(D/S比)11:1
騒音計 TM-102(国際規格IEC651 TYPE2適合)
検証ツール
高負荷状態 OCCT 3.1.0
温度/回転数 SpeedFan 4.40


次のページからは、冷却能力、騒音値、回転数のテストを行う。220W対応のモンスターはどんな潜在能力を持ち合わせているのだろうか。
 

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Frio
Frio
・寸法 L139×W98×H165mm
・ヒートシンク材質 アルミニウム+銅ベース/アルミニウムフィン
・ヒートパイプ φ8mm×5
・ファン寸法 120×120×25mm
・定格電圧 12V
・定格電流 0.04A(Max 0.19A)
・標準電圧 6V
・入力0.5W
・ファン回転数 1200-2500rpm
・最大風量 101.6CFM
・最大風圧 4.2(mmH2O)
・ノイズ 20-43dBA
・平均寿命 50,000時間(MTBF)
・接続コネクタ 3pin
・重量 1042g
・実勢価格税込8,000円前後
(2010年3月現在)
メーカー製品情報
 
夜叉検証
Venomous X
PhotoFast
PhotoFast
H55
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