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エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.6
サイズ 「忍者参」検証
2010年6月10日 4:30
TEXT:GDM編集部 松枝 清顕
 
2年の歳月を経て「忍者シリーズ」が3代目に

 国内のみならず、各国で著名な株式会社サイズ(本社:東京都千代田区)から、オリジナルCPUクーラー「忍者参」(型番:SCNJ-3000)がリリースされた。同社オリジナルモデルとしては、「エルミタ的一点突破」Vol.1でお届けした「夜叉」(型番:SCYS-1000)以来、約4ヶ月振りの新製品となる。ここでサイズというメーカーを再確認しておこう。

忍者参

 冒頭、“各国で著名な”という形容をした。これについて日頃から海外のPC情報系サイトも閲覧されている人ならばご存じかと思うが、サイズのオリジナル製品は国内発売から若干後れて海外でもリリースされており(例外もアリ)、その評価および注目度も高い希有な国産PCパーツメーカーだ。
 また違った意味で興味深いのは、オリジナルCPUクーラーを積極的に展開するメーカーでありながら、Thermalrightに代表されるように、本来ライバルになるはずの他社メーカーモデルも取り扱う商社の顔も持ち合わせている。著名なCPUクーラーメーカーは、よほどの協力関係や資本関係になければ、他社ブランドまでは取り扱う事は無いだろう。この辺りがサイズの柔軟な所であり、ある意味面白い所だと感じている。

忍者弐
人気の高かった前作「忍者弐」
 さて、本筋に戻ろう。オリジナルCPUクーラーの中でも同社の思い入れが強い「忍者シリーズ」の3代目「忍者参」は、前作「忍者弐」(型番:SCNJ-2000)から約2年の歳月を経て生まれ変わった。とは言うものの、前作とはかなり異なる要素を持ち合わされており、「忍者」というネーミングが通り一遍の単なるCPUクーラーであったならば、全く違ったモデル名でリリースされていても不思議ではない。ではどこがどう違うのか?を見て行くことにしよう。


「忍者弐」(SCNJ-2000)からどう進化しているのか?

 今回発売される「忍者参」(SCNJ-3000)の細部を見てく前に、前作「忍者弐」(SCNJ-2000)について少々説明がいるだろう。
 約2年の歳月を経てとは言ったものの、「忍者弐」はその間若干のマイナーチェンジを行っている。
 「忍者弐」型番:SCNJ-2000は、2008年6月にリリースされたモデルで、その約1年後の2009年5月には「Rev.B」となり、型番もSCNJ-2100となっている。この違いは対応CPUソケットのみで、LGA1366登場によりLGA775共用リテンションに変更されている。
 さてその「忍者弐」とのスペック上での違いを下の表にまとめてみた。

Spec

 まずクーラー全体の寸法が若干大きくなっている事が分かるだろう。そして搭載される120mm口径ファンについては、同社オリジナルの「KAZE JYUNI」可変PWMモデルが採用されているのも大きな特徴だ。このファンについては、Vol.1「夜叉検証」で解説を行っているので、未読の方はそちらを参照頂ければと思う。
 このファンを採用する事で、システムにあった帯域幅での可変設定が可能になり、さらに最大風量もアップされ、より守備範囲が広くなったと言えるだろう。
 さらに特筆すべきはφ6mmのヒートパイプ数が2本増え、合計8本になっている点。熱移動を助ける役目を果たすヒートパイプ本数が増えることで理論上、放熱フィンに熱を運ぶスピードが高められている。

 最後に放熱フィンのデザインを見比べると、前作のオーソドックスなヒートシンクから、「M.A.P.S(Multiple Airflow Pass-through Structure)」と呼ばれる“多重エアフロー透過構造”が採用され、放熱フィンが4ブロック構成に分割されている。

 放熱フィンは一般的に面積が広いほど有利になるが、ヒートパイプ本数を増やし、各々のブロックで“しっかり冷やしてやろう”という考え方にシフトさせた事で、言わばブロック毎の冷却(放熱)に“注力せよ”という指令が出されているのが「忍者参」の重要なポイントだろう。

 では例によってテストに入る前に、画像を中心に「忍者参」のディテールをチェックして行きたいと思う。

忍者参 忍者参
ブリスターを一切使用しないエコパッケージを採用。パッケージ外形寸法は273×145×140mm/1460g パッケージで強調されている性能アップの表記。3代目ともなれば、必然的に性能向上が期待されてしまうだろう
忍者参 忍者参
サイズには叱られてしまうかもしれないが、数年前のモデルに比べると造作物としての美しさは格段に進歩している。非常にきれいなCPUクーラーだ 多重エアフロー透過構造を採用し、放熱フィンは4ブロックに分かれている。ブロック同士は“矢羽”のような部分でブリッジする事で剛性が保たれている
忍者参 忍者参
φ6mmのヒートパイプレイアウトが最もよく分かる斜め画像。各ブロック毎に4本が貫通する構造で、思惑通りの熱移動がされれば、非常に高い冷却能力が期待できるはず
忍者参 忍者参
φ6mm×8本のヒートパイプを搭載。ヒートパイプエンドにキャップが付けられているのはサイズの特徴 鏡面仕上げがなされたベースプレート上にはヒートシンクが搭載されている。画像で分かる通り、ヒートパイプは4本毎に2段差が付けられている
忍者参 忍者参
ロスの無い熱移動に重要なヒートパイプとベース部の密着は見た目良好。ベース上の小型ヒートシンクはファンエアフローと正対させるようにしよう。なお放熱フィンは38枚で構成されている
忍者参 忍者参
オリジナル小軸&大型ブレード設計120mmファン「KAZE JYUNI」可変PWMモデル。ヒートシンクへの装着はお馴染みのワイヤークリップ固定式が採用されている


手順通りに進めれば決して面倒ではない搭載方法

 「忍者参」のマザーボード搭載手順を見て行こう。このモデルは自重が1040gもあるため、さすがにリテールクーラーのようなプッシュピンタイプは採用されておらず、AMD共にネジ留め式となっている。

 またユニバーサル対応モデルなため、部品点数も煩雑になりがちだが、F.M.S.B.2(Flip Mount Super Back-plate 2)と名付けられたユニバーサル対応専用バックプレートが採用されている。これを使用する事で、CPUコアとの確実な密着が可能となり、「忍者参」の冷却能力をロス無く使い切る事ができる。

忍者参 忍者参
バックプレート表(画像左)と裏(画像右)。裏面は絶縁処理が施されている
忍者参
自重1kg超えとなるCPUクーラーを支えるためにはバックプレートを使用するネジ留め式は必須となる。図のように、ソケットタイプによるピッチ毎にネジ穴が空けられている。エルミタでは以前から言い続けているが、インテルの微妙なピッチ違いは本当に面倒で、ユーザビリティという概念は無いのだろうか
忍者参 忍者参
Intel LGA775/1156/1366共通取り付け金具(画像左)とAMDプロセッサ用となるSocket 754/939/940/AM2/AM2+/AM3取り付け金具
忍者参 忍者参
ネジ一式とシリコングリス。搭載するSoketに限らず、全てのネジを使用する Intel用取り付け金具を一番小さなミリネジ(皿ネジ)でベース部に固定。なお金具には予めネジ穴に“皿もみ”がなされているため、マニュアルを見なくても表裏が判別できる
忍者参 忍者参
取り付け用金具にパックプレート固定用ネジ受けとネジ受け固定金具を装着する事で、CPUクーラー側のベースは完成 バックプレートに一番シャフトの長いネジで4箇所を固定する。ここはセオリー通り、対角線に少しずつ締めて行こう
忍者参 忍者参
マザー表面から見るとこのようになる。装着感は良好で、経年使用による脱落の心配もほぼ無いだろう 無事ヒートシンク本体をマザーボードに固定できたところで、次はファンを取り付けるばかりだが、この後思わぬ事態に

 このように、マニュアルの手順通りに事を運べば、搭載に関してはそれほど面倒ではなかった。ただし「忍者参」自体が重く大きいため、マザーボードをひっくり返しての作業には若干の注意が必要になるだろう。どうしても「忍者参」を逆さまにしなくてはならないため、誤ってフィンを曲げてしまわないよう、できれば“助手”の手を借りたい。
 さて、ここまで来ればあとはファンをヒートシンク本体に装着するばかりだ。



「忍者参」に罪は無いが、知っておかなくてはならない事

 たいへん順調に作業は進んだわけだが、思わぬ落とし穴にはまってしまった。と言うのも120mmファン装着用クリップでヒートシンクにファンを固定したところ、メモリスロット上に120mmファンが被さってしまい、メモリを装着できなくなってしまったのだ。

 もちろんこのレベルでは「忍者参」に非はないが、メモリバンクのレイアウトによっては同様な事態に陥るだけでなく、大型ヒートシンク付きメモリモジュールは物理的干渉を起こしてしまい、せっかく大枚はたいて用意したハイエンドメモリも宝の持ち腐れとなってしまう。いや、この場合「忍者参」を諦めるという選択になるだろう。

 最後の手段として、ファン搭載方向を変える事もできる。「忍者参」は、どの方向にもファンが搭載できるように、ファン固定ワイヤーを掛ける溝が用意されている。トップ面に排気ファンがある場合は、エアフロー方向を変更する“奥の手”も有効だが、事前に搭載させるマザーボードのレイアウトを把握しておきたい。

忍者参 忍者参
「一点突破」で使用しているGIGABYTE「P55A-UD3」のメモリスロットレイアウトでは、メモリを装着した後にファンを固定する事になる。なお使用メモリのOCZ「OCZ3P1333LV4GK」には一般的な高さのヒートスプレッダが装着されているが、これ以上高さのあるモジュールでは物理的干渉を起こしてしまう


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忍者参
・SCNJ-3000 JAN:4571225046778
・外形寸法・・・図示
120×120×高さ160mm(クーラー全体)
120×120×厚さ25mm(付属ファン)
・ファン回転数
740±25%〜1900rpm±10%(最大帯域)
470±30%〜1340rpm±10%(最小帯域)
・ノイズ
9.8〜37.0dBA(最大帯域)
7.05〜27.3dBA(最小帯域)
・風量
37.15〜110.31CFM(最大帯域)
23.0〜76.53CFM(最小帯域)
・対応CPU
intelソケット775/1366/1156
AMDソケット754/939/940/AM2/AM2+/AM3
・ヒートパイプ:6mm径×8本
・本体重量:1040g
・付属品:各種ソケット/Fan取り付け具、マニュアル
・パッケージ寸法・重量273×145×140mm・1460g
・市場想定売価税込4,000円前後
メーカー製品情報
 
 
 
 
 
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