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 Home > エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.5 「Intel Core i7-980X Extreme Edition純正クーラー」徹底検証
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冷却能力(温度)、騒音値、回転数テスト

DBX-B
  ここからは「DBX-B」のパフォーマンスをチェックして行く。「一点突破」では一貫してIntel「Core i5-750」純正CPUクーラー を比較基準としているが、今回イレギュラー的に取り上げる「Core i7-980X EE」はソケットがLGA1366となるため、テスト機材として所有している「Core i7-920」純正CPUクーラーを用意した。さらにここでは、あくまで「DBX-B」の“CPUクーラー単体”の検証がメインなため、敢えてテスト環境を一般的な構成にしている。
 その他基本的な計測方法は同じだが、マザーボードはケースに入った状態にしている所が大きな違い。なお使用したケースはCoolerMaster「CM690」で、トップ部のファンは無く、リア排気部には1200rpm/17dBAの120mmファンが装着されており、テスト中も稼働させている。それではテスト結果を見て行こう。

エルミタ的レギュレーション
CPUクーラー計測環境および計測方法

1.マザーボードはケースに組み込んだ状態で計測する
2.マザーボードなどの各種設定はデフォルトのまま行う
3.CPU全コアに100%負荷をかけ、5回テストを行う
(計5回テスト中、平均値のスコアを掲載)
4.騒音値は、ファンから10cmの距離で計測
(騒音計はファンと垂直方向に設置)
5.高負荷状態は「OCCT 3.1.0」を使用
(アイドル時および高負荷時(100%/20分)の数値を計測)
6.コア温度およびファン回転数は「SpeedFan 4.40」を使用
(アイドル時および高負荷時(100%/20分)の数値を計測)

検証使用機材
CPU Intel「Core i7-920」
(2.66GHz/L2 256KBx4/L3 8MB)
マザーボード ASUSTeK「P6T DELUXE V2」
(Intel X58 Expressチップセット/ATX)
グラフィックスカード ASUSTeK「ENGTX260/HTDI/896M」
(NVIDIA GeForce GTX260 SP216)
メモリ CORSAIR「TR3X6G1333C7」
(CL=7-7-7-20、DDR3-1333MHz/6GB)
SSD OCZ Vertex Series 120GB(SATA2/2.5インチ)
OS Windows 7 Ultimate 64bit
放射温度計 AD-5611A(非接触型温度計)
測定範囲(D/S比)11:1
騒音計 TM-102(国際規格IEC651 TYPE2適合)
検証ツール
高負荷状態 OCCT 3.1.0
温度/回転数 SpeedFan 4.40


test
test


固定回転で回してみた。〜すばらしき轟音の世界〜

BIOSから「Q-Fan」を〔Enabled〕-〔Standard〕から変更したりと色々試してみるとすぐに半日くらいは経過してしまう
  これは筆者の癖のようなものだが、CPUクーラーに限らず、4pinのPWMファンの新しいモデルを入手すると、必ず3pin固定で一度回してみる事にしている。PWMファンはファン毎の“味付け”によって3pin固定時に最大回転になるものと、そうでないものがある。基本的に最大回転になるモデルが多いが、Maxの方がファンそのものの軸音や風切り音の性格がよく分かり面白い。

 そこでせっかくの機会だったので、「DBX-B」を最大回転数で動かしてみた所、一昔前の1Uラックマウントサーバーシステムのような、それは勇ましい音を楽しむ?事ができた。また音の質もこれまでにない形容し難い音で、敢え言うならば、カナダ・ボンバルディア社「DHC-8-Q400」という日本の航空会社も採用する双発ターボプロップ機に似ている。

 かなり余談だが、この航空機に採用されているプロペラエンジンはプラット&ホイットニー・カナダ「PW123B」で、この回転数が巡航時850rpm、離陸時でも1020rpmという低速回転が採用されている。これは静音タイプのCPUクーラーとほぼ同じ回転数という事になるわけだ(それも2つのインペラしかない)。ちなみに「DHC-8-Q400」の「Q」は、いみじくも「DBX-B」のQモード同様に「Quiet」を意味するという。
 余計な話はここまでで、その様子を動画でお届けしよう。なおデシベル値は63.2dBAだった。




ヒートシンク各部の温度計測

 「DBX-B」には「Q」(Quiet)と「P」(Performance)の2つのモードを任意で切り替える事ができるが、アイドル時の回転数はいずれも796rpmだった。また100%負荷時はQモード、Pモードそれぞれを計測している。なおベース部はヒートシンクに埋もれているため、計測ができなかった。
 計測には非接触型温度計(測定範囲(D/S比)11:1)を使用し、5回のテスト中の平均値を採っている。
Core i7-980X EE
今回の計測は7カ所。「DBX-B」のトップにはIntelのロゴ付きカバーが装着されているため、この部分の計測は無し。また※印をつけたDとEは、画像で見て反対側下部2カ所、つまりグラフィックスカード側を計測ポイントとしている
  @ A B C D E F
アイドル時(℃) 796rpm 20.8 20.5 20.1 21.8 22.6 27.1 23.1
100%負荷時(℃)Qモード 1534rpm 23.3 21.8 22.1 25.2 24.1 31.6 29.7
100%負荷時(℃)Pモード 1962rpm 21.1 20.6 21.8 23.1 24.8 29.1 27.9

 Eの温度がアイドル時から比較的高い温度となっているのは、グラフィックスカード面の影響を考慮しなくてはならない。全体の温度状態はこれまでのサイドフロータイプと同じような傾向を見せており、順当と言ったところだ。なお100%負荷時でのQモードとPモードの最大回転差は428rpm。僅か500rpm以下の回転数差とは言え、計測カ所@で-2.2℃、Cで-2.1℃、Eで-2.5℃、Fで-1.8の違いが出ている事が分かる。CPUクーラーはフィン形状やヒートパイプの熱移動能力によって、少しの回転数でも大きな冷却能力を生み出すことができる。当然とは言え、CPUクーラーはバランスが大切という事が分かる。

 また参考値として、Intel LGA1366用純正CPUクーラーでも同じくヒートシンク各部の温度計測を行った。「DBX-B」に比べ、アイドル時は比較的落ち着いた温度を示している。また100%負荷時では、ほぼPモードと同じ回転数となり、最大で30.3度となった。
Core i7-980X EE
Intel LGA1136用の純正CPUクーラーも計測。AとCはメモリスロット側となる。
  @ A B C
アイドル時(℃) 1125rpm 21.3 21.0 22.1 22.2
100%負荷時(℃) 1918rpm 26.1 26.5 29.0 30.3

 ただし念のため断っておくと、ヒートシンク温度が低いからと言って、必ずしもCPU温度はそれに比例しない。明らかに非力そうなCPUクーラーを搭載した時でもヒートシンク温度が思いもよらず低い値を計測した場合は、十分にコアと接触できていないか、ヒートパイプを使っているモデルであれば、うまく放熱フィンに熱が伝導されておらず、CPUクーラーとしての能力が発揮されていない事をまず疑った方が良いだろう。接触に関してはリテンションの目視やグリス塗布面状態の確認ができるが、性能に関してはどうにもならず、あっさりと諦める事をお勧めしたい。


総評:ひと世代前的感覚は拭えないが役割は果たす

お馴染みラウンド・トップフロータイプもなかなか使えるからややこしい
  今回はイレギュラーなため、レーダーチャートによる評価はお休みである。そこで、温度テストと回転数・騒音値テスト結果から、テスト環境下に於けるトップフロータイプとサイドフロータイプを考えてみると、100%負荷時のPモード対決では13℃のアドバンテージが顕著となる結果となった。ただし騒音値比較では、「DBX-B」搭載ファンの性格が前面に押し出された事で数値上、大差はない。しかしながら、回転数をここに加味すると、ラウンド形状のトップフロータイプは、アイドル時でよいバランスが取れている事が分かる。

 つまり今回のテスト上では、Intel純正CPUクーラーのトップフロータイプは、低負荷時でのマッチングが良く、プロセッサ周波数と使用状況によっては、なかなか良い製品と言えるかもしれない。

Intelはこの先どんな純正CPUクーラーを各社にリクエストするのだろうか
  さて「DBX-B」だが結論から言うと、やはり付属品の域を出るようなモデルではなかったように思う。CPUクーラーとしての役割はもちろん果たしてくれるが、10万円クラスのプロセッサを買おうとするコアな自作ユーザーが、これを納得して使い続けるのかは、甚だ疑問だ。せめてもう少し丁寧な作りのモデルを用意して欲しかったようにも思える。

 今後リリースされる上位モデルに「DBX-B」のようなCPUクーラーが採用されるかは定かではない。ただこれまでの流れから読み取ると、Intelはこれ以上凝ったギミック付きの製品は用意しないのでは無いかと思う。Intelは製品にトラブルが無く、極力シンプルに行きたいと思う筈で、初期不良率が異常に低いプロセッサに、本来ならば駆動部品など付けたくはないだろう。この事はプロセッサ側ではなく、マザーボード側にピンを“付けさせた”事でも想像できる。

 純正CPUクーラーが冷えなければ、プロセッサの寿命を短くする事にも成りかねず、これからも悩みの種になってくるだろう。ただし悩むのはAVCやDelta、Nidecであり、Intelや市場のリクエストに応えるべく、コストとパフォーマンスの戦いは永遠に続いて行くに違いない。ただし妥協の産物ではユーザーの目を誤魔化す事はもはやできない。

【エルミタ的検証用CPUクーラー募集】
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・ヒートシンクサイズ:D70×W100×H77mm
・外形寸法(全体):D97×W110×H129mm
・ファンサイズ:インペラ最大幅約100mm×H21mm
※編集部実測値
・ヒートパイプ径 6mm径×4本
・本体重量:非公開
・ヒートシンク:Delta「E75476-002」
・ファン:Nidec「F10T12MS3Z9-18A01A1」
・付属品:信越化学工業グリス
・パッケージサイズ:125×143×78mm
 
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