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 「エルミタ的速攻撮って出しレビュー」番外編
 Home > エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.61 GIGAZONEブランドPCケースをいじりたおす
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実際に組み込んでテストをしてみよう

 PCケース内外部を事細かにチェックした後は、実際に組み込みを行い、このモデルの素性を検証してみたい。
 なおエルミタでは例によって組み込み方法等の指南的解説は行わないが、組み込み易さについて言えば、クラスの壁を感じる事はあまりなかった。凝ったツールフリー機構も結構だが、“これでいいんじゃないか”と思えてしまう辺りは、原点回帰的な感覚に近いものがある。

マザーボードトレイ背面にケーブルを回す等のギミックが無かったり、モジュラー式電源ユニットを使わなくても丁寧に組み込んで行けばスッキリした内部は構築できる。ただし電源ユニットと光学ドライブ間のスペースはややもったいない気がする。さらにHDDはフロントファンギリギリのラインまで押し込まれるが、ミドルレンジグラフィックスカードとの組み合わせでは、一直線上に互いを装着する事はコネクタの干渉により物理的に不可能

近頃のPCケーススペックでは、グラフィックスカード搭載部の有効スペース数値が物を言う。このモデルの実測値は約300mmで、ミドルタワーPCケースとしては平均レベル。テスト機材であるEVGA「768-P3-1360-KR」(GeForce GTX 460)のカード長は公称値208mmなので、約100mm弱の余裕がある



CPU温度/ケース内温度/騒音値計測結果

 ファンを換装したところで、各種温度および騒音値を計測してみた。
 この手のテストをする場合、大凡の予測をつけてから行うのが常だが、極たまに思いもよらぬ結果が出てしまい、「そんなはずはない」と、何度も同じテストを繰り返す事がある。こんな話を切り出せば薄々お分かりかと思うが今回行ったテスト中、「ケース内温度」の項目では想像と違う結果が出てしまった。とにもかくにも下表にまとめた「CPU温度」「ケース内温度」「騒音値」の数値を見て頂きたい。なおCPUクーラーはリテールクーラーを使用している。

Spec※テスト実施日:2010年10月27日深夜 室内温度22.1℃/騒音値28.5dBA

 ■ENERMAX「UCAPV12A-BL」ファン使用時
Test

 ■標準搭載ファン使用時
 

■“パッシブダクト”は飾りではなかった

パッシブダクト
「GZ-X1SPD-100」のパッシブダクトは最大40mm程度収縮ができる
先ほど最近その存在意義が危うい“パッシブダクト”について触れたが、ケース内温度計測時にちょっとした実験を行っている。
(1)デジタル温度計のサーミスタをパッシブダクトとCPUクーラーの中間点にセットた場合と、(2)両者の直線上位置から僅かにずらした場合の2つを比べてみると、両者の計測ポイントで実に温度差は平均1.0〜1.5℃もの開きがあった。より温度が低いのは(1)であり、この結果から、パッシブダクトはただの筒ではなく、ちゃんとCPUクーラーとの負厚状態を利用して外気を取り入れている事が証明された事になる。前述通り、パッシブダクトはトップフロー型CPUクーラーに有効なアイテムだが、1℃以上低い風を直接ヒートシンクに送り込めるのは当然有利であり、パッシブダクトは侮れない。ちゃんと機能していたのである。

 ファンコントロール機能を備えた「UCAPV12A-BL」で、最小回転(800rpm)と最大回転(2000rpm)それぞれにおけるテスト結果だが、「CPU温度」はストレスツール「OCCT 3.1.0」を30分間継続時のスコアを、「ケース内温度」は15分経過時の計測、「騒音値」は深夜3:00を過ぎた室内音28.9dBA時での計測となっている。
 普通に考えれば800rpm時よりも風量の多い2000rpm時の方がいずれも温度は低くなると想像できる。しかしCPU温度に関しては誤差の範囲内としても、ケース内温度は明らかに800rpm時の方が低くなっている。この点については何度もテストを試みたものの、結果に変わりは無く、800rpmの方がケース内温度は低い。
 もう少し細かいテストが必要なため、現段階で断定はできないものの、経験則から想像すると恐らくは風量が増えた事でケース内では“想像範囲外”の乱流が発生し、効率の良い理想的なエアフローが崩れてしまっているのではないだろうか。
 このケースに限って言えば、フロント吸気×1基、リア排気×1基がゆるゆるとしたエアフローを保つことで(偶然とはいえ)バランスが保たれ、排熱が出来てしまうという事だろう。
 一方、「騒音値」は明らかに800rpm時は静かで、十分に静音PCと言えるが、2000rpm時は120mm口径という事もあり、かなり勇ましい状態になってしまう。
 つまりエアフロー効率も悪く、騒音値も高い最大回転の2000rpm運用は、この構成に限っては無意味であり、「それほど冷えず、そして騒音値も大きい」となった。ただし若干フォローを付け加えると、テスト構成以上のハイエンドパーツを組み合わせた場合、各パーツからの発熱増大により、エアフローの“力技”が必要となる場合もあるはずだ。PCケースのエアフローは奥が深く、よりよい環境を構築したければ、その構成にあった回転数を自ら見つけ出さなければならないと言えるだろう。余談ながらファンコントローラーの存在意義は、そんなところにあるのだろう。



バリュークラスPCケースの存在意義を再考する
〜秋葉原PCパーツショップSTAFF編〜

 売価1万円以下のバリュークラスPCケースを業界関係者はどのように見ているのだろうか。ここからは秋葉原主要PCパーツショップに勤務するSTAFFの生の声に耳を傾け、購入層やその傾向などを探ってみたい。

■秋葉原PCパーツショップSTAFF意識調査

Q1、主な購入ユーザーは?
Q2、バリュークラスPCケースを販売する際のポイントは?
Q3、自分(店員)が使うならどうする?

●ツクモパソコン本店

Q1.主な購入ユーザーは?
 やはり初心者ユーザさんやコスト優先のユーザーさんが中心ですね。安いケースを購入する場合、電源なしなら5,000円以下、電源付きなら10,000円以下というのが、おおよその目安のようです。
Q2.バリュークラスPCケースを販売する際のポイントは?
 冷却ファンの個数は気にしたほうがいいと思います。
Q3.自分(店員)が使うならどうする?
 安くて小さいケースなら使ってもいいですかね。もちろんメインではなくセカンド、サード用のPC向けですが。

ツクモパソコン本店 ツクモパソコン本店
 
●ドスパラ秋葉原本店

Q1.主な購入ユーザーは?
 最近は特に若いユーザーさんを中心にあまりケースこだわらない印象です。中身はハイエンド構成なのにケースは5,000円前後という方もいらっしゃいます。
Q2.バリュークラスPCケースを販売する際のポイントは?
 一昔前の安いケースと比べると、現在のものは格段に良くなった印象を受けます。スペック面だけでなく、デザイン面でもそれが言えると思います。
Q3.自分(店員)が使うならどうする?
 安くて比較的デザイン性の高いモデルは、うちの女性スタッフなんかが買っていきますよ。自分が使うなら余ったパーツを流用してというカンジでしょうか。

ドスパラ秋葉原本店 ドスパラ秋葉原本店
 
●クレバリー1号店

Q1.主な購入ユーザーは?
 安いケースの購入者は年配のお客様が多いですね。聞くと余ったパーツを流用しつつ、2台目、3台目を組むということで、ケースにはこだわらないという方々です。
Q2.バリュークラスPCケースを販売する際のポイントは?
 安くても、流行りのフロントメッシュを採用するなど、カッコいいモデルも多いので、意外にアリではないかと思います。
Q3.自分(店員)が使うならどうする?
 メインでは使いませんが、2台目以降なら検討してもいいかもしれません。

クレバリー1号店  
 
●TWOTOP秋葉原本店

Q1.主な購入ユーザーは?
自作経験者の方が多いですね。うやはり安いモデルはそれだけ制約も多いので、初心者のかたにオススメしないという事もあります。
Q2.バリュークラスPCケースを販売する際のポイントは?
お客様の環境にさえあえば、オススメする場合もあります。
Q3.自分(店員)が使うならどうする?
2台目、3台目なら検討してもいいかもしれないですが、正直ケースにはこだわりたいですかね。

TWOTOP TWOTOP



バリュークラスPCケースの存在意義を再考する
〜エルミタ編集部編〜

 最後にエルミタ編集部のSTAFFライター、池西 樹氏と当サイト縁のある台湾在住の某PCパーツメーカーSTAFF(マーケティング担当)某氏にバリューケースについて聞いてみた。

●現在、PCケースは10,000円半ばから30,000円のミドルレンジからミドルハイの製品が主流となっており、各メーカーからもゲーマー向けや静音向けといった製品が多く発売されている。これらのケースは独自の冷却機構や高い静音性を誇り、ハイエンドマシンを組む際には必須となっている。
 しかし一方で、主な用途がオフィスアプリケーション、メールやWeb閲覧、軽いオンラインゲームといった場合では行き過ぎた感が否めないのも事実。
 そんなユーザーのために用意されたのがバリュークラスのPCケースと言えるだろう。安すぎるケースだと剛性や工作精度に不安があるかもしれないが、この価格帯のPCケースはミドルレンジ向けのPCには十分なエアフローを備え、剛性も十分で、ツールレスドライブベイや最近ではCPUクーラーホールの採用など、メンテナンス性にも配慮されたモデルが多くラインナップされている。
 PCケースは性能に直接影響するパーツではないため、コストパフォーマンス重視のマシンを組み立てたい場合にはこのクラスのケースは是非オススメしたい。
(エルミタージュ秋葉原編集部STAFFライター:池西 樹)

●台湾では相変わらず日本円で5,000円クラスのPCケースは人気があります。逆に10,000円以上のモデルは、ハイエンドゲーミングPCケース以外は苦戦していると言ってよいでしょう。
 お国柄という事もありますが、台湾ではPCケースをそれほど重視しない傾向にあるように感じます。そこに予算を掛けるならばCPUのクロックを上げたいとか、グラフィックスカードの上位モデルが欲しいとか。非常にシンプルな理由です。中国メーカー製や韓国メーカー製のモデルが多く、ノーブランドのPCケースはたくさん流通しており、選択肢が非常に豊富。フォームファクタは規格なので、どんなPCケースにも構成パーツは収まってしまう。そんな割り切りがあるのでしょう。GIGABYTEのPCケースは価格も手ごろな上、ブランド力がありますから人気ですよ。
(某台湾PCパーツメーカーSTAFF:某氏)

 秋葉原で働くプロ達の声に耳を傾けると、意外にも自作経験者がこのクラスのPCケースを買い求める事が多いという。その多くは手持ちの資産を活かしたセカンドマシン構築用と捉えているようだが、ただ安価という理由だけでなく、現世代のバリュークラスPCケースの出来映えに、ちゃんと及第点を与えているのではないだろうか。
 冒頭触れたように、日頃ミドルレンジ以上のPCケースに触れる事が多く、正直に言えば当初、どのように扱えば良いのか、どこにスポットを当てれば良いのかとかなり思い悩んだが、実際に今回の主役となるGIGAZONEブランド2台のPCケースに触れるにつれ、見るべき所も多く、なかなかしっかり作られているなという印象を強く持った。
 唯一今回取り上げた「GZ-X1SPD-100」「GZ-X5BPD-493」の2モデルは、ファン搭載スペースが前後120mm各1基という点が気になるかもしれない(その他剛性や工作精度は申し分無し)。しかし飛び抜けてハイエンド構成にしない限り、CPUクーラーは高性能化され、グラフィックスカードも自らしっかり冷却し、発熱体としても小ぶりなSSDや格段に進化したHDDを使う事で、なんら問題無くPCケースとしての役割をしっかり果たしてくれるはずだ。
 バリュークラスだからと言って見過ごす事無く、是非実際に組み込んで細部を確認してほしい。恐らく多くの人は「これでいいんじゃないか」と思う事だろう。ミドルからハイエンドクラスのPCケースにとって、ライバルはバリュークラスにあると言ってよいかもしれない。

機材協力:株式会社リンクスインターナショナル
GDM Corporation All Rights Reserved
 
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GZ-X5BPD-493
GZ-X5BPD-493
・外形寸法 W185×D480×H410mm
・素材 SECC + プラスチック
・重量 約6.2kg
・5.25インチ×4
・3.5インチベイ×2
・3.5インチシャドウベイ×5
・拡張スロット×7
・電源 500W標準搭載
・対応 ATX/MicroATX
・I/O USB2.0×2/オーディオin/out(AC97/HD Audio対応)×1
・ファン リア120mm×1、フロント120mm×1
・実勢価格税込7,500円前後
・発売日:2010年7月3日
メーカー製品情報
代理店製品情報(リンクスインターナショナル)
GZ-X1BPD-100
・外形寸法 W185×D480×H410mm
・素材 SECC + プラスチック
・重量 約5kg
・5.25インチ×4
・3.5インチベイ×2
・3.5インチシャドウベイ×5
・拡張スロット×7
・電源 オプション
・対応 ATX/MicroATX
・I/O USB2.0×2/IEEE1394×1/オーディオin/out(AC97/HD Audio対応)×1
・ファン フロント120mm×1、リア120mm×1
・実勢価格税込5,000円前後
・発売日:2010年8月8日
メーカー製品情報
代理店製品情報(リンクスインターナショナル)
GE-N500A-C2
GE-N500A-C2
・規格 ATX12V v2.2準拠
・80PLUS STANDARD
・外形寸法 W150×D140×H86mm
・重量 約1.89kg
・搭載ファン オートスピードコントロール機能を備えた120mmファン
・保護回路 過電圧保護(OVP)、過電流保護(OCP)、 過負荷保護(OPP)、低電圧保護(UVP)、ショート回路保護(SCP)
・安全性許認可 CE、CB、TUV、CUL、FCC、BSMI、CCC
・PFC アクティブPFC
・実勢価格税込3,980円前後
・発売日:2010年7月10日
メーカー製品情報
代理店製品情報(リンクスインターナショナル)
 
H70
Jing
HDD-BOOST
KUHLER-BOX
 
 
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