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エルミタ的「一点突破」 CPUクーラー編 Vol.14
「私たちはHDTを採用しない」
「NH-D14」に見るNoctuaの確固たるCPUクーラー戦略
2011年2月2日 4:40
TEXT:GDM編集部 松枝 清顕
 
 今回のエルミタ的「一点突破」CPUクーラー編は、少し趣向を変えた内容でお届けしたいと思う。

 今回取り上げるオーストリアの冷却器メーカー「Noctua」のCPUクーラー「NH-D14」は、かれこれ1年以上が経過したハイエンド志向の製品。本来であれば、もっと他に新しい製品を主役に選定すべきだが、これを選ぶ事には理由がある。

 昨年の「COMPUTEX TAIPEI 2010」で、エルミタSTAFFがNoctuaに取材を行ったところ、ブースSTAFFから出た興味深い言葉が未だに印象に残っている。それは「我々はヒートパイプ・ダイレクトタッチを採用しない」であった。

 多くのメーカーがヒートパイプをCPUコアに直接接触させる“ヒートパイプ・ダイレクトタッチ”(以下:HDT)を採用する中、Noctuaは否定的な見解を持っている事を知った。
 言われてみれば、Thermalrightやサイズ(自社オリジナル)もHDT式ではなく、コア接触ベース部は鏡面仕上げを採用し、敢えてこれを見送っているかのようだ。
 なぜ一般的に冷却には有利だと思われているHDT式を採用しないのだろうか?実は理論上のみで、本当は期待以上の冷却効果は得られないのではないだろうか。

Noctua
「COMPUTEX TAIPEI 2010」Noctuaブースでは1つとしてヒートパイプ・ダイレクトタッチタイプのCPUクーラーは展示されていなかった

 今回はそんな疑問を抱きつつ、HDT式と非HDT式CPUクーラーについて思いを巡らせてみたい。
 なお「NH-D14」を担ぎ出す理由は、NoctuaのJakob Dellinger氏が自社の自信作であるという事で編集部に送り届けたモデルであり、「これがあればHDTは必要が無い」と豪語するからに他ならない。では早速「NH-D14」のテストからご覧頂き、Noctuaのポリシーを読み解いて行くことにしよう。



見るからにOCユーザー向けな「NH-D14」

 「NH-D14」はとにかくデカい。サイドフロー型だからこそできる巨大な放熱面積とスクエア120mmファン、ラウンド140mmファンのデュアル仕様は明らかにオーバークロックユーザー向けのプロダクトであり、定格ユーザーには持て余すほどのボリューム感が印象的だ。
 ただしCPUクーラーは外観だけでは推し量れず、これまでにも多くの“見かけ倒し”的モデルがリリースされている。さて「NH-D14」は見た目通りのパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。

「こんなに大きなCPUクーラーが必要なんでしょうか」と叱られてしまいそうなほど巨大な「NH-D14」。とは言えNoctuaブランドのアッパークラスCPUクーラーは、高い冷却能力が定評であり、世界中のユーザーから支持されている



「NH-D14」ディテールからチェックしてみる

 NoctuaのJakob Dellinger氏が推薦する非HDT式の自信作「NH-D14」。早速そのディテールから見て行く事にしよう。

Noctua Noctua
電源ユニットかと見紛うばかりのパッケージ。実測値で205×195×230mm
フタを開けると付属品一式が詰め込まれた白箱、その下にクーラー本体。環境に配慮し、すべて紙でパッケージされている
Noctua Noctua
出荷時から2つのファンは既に搭載されている「NH-D14」。“第1ファン”120mm→“第1ヒートシンク”→“第2ファン”140mm→“第2ヒートシンク”の順でエアフローは構築されている
Noctua Noctua
Noctua Noctua
とにかく大きなCPUクーラー。これだけの大きさで冷えなかったならば“木偶の坊”も良いところ、、、
ノコギリ状にカットされたアルミ製放熱フィン。ファンのエアフローがあたる面全体にこの加工がなされている。また放熱フィンとファンの接触部には振動を吸収させるシリコンラバーを装着
Noctua
非HDTの「NH-D14」はφ6mmヒートパイプ6本を搭載する。直線上にレイアウトされたヒートパイプはニッケルコーティングが施された銅製
“ツインタワー”、デュアルラジエーターデザインのアルミニウムフィンは、コアから吸い上げた熱を余すところ無く放熱できるようにレイアウトされている
Noctua
鏡面仕上げの銅製(ニッケルコーティング済)ベース部は非常に美しく、どこかThermalrightを連想させる



搭載ファン「NF-P12」「NF-P14」をチェックする

 次に「NH-D14」に搭載される2基のファンについてチェックしてみよう。Noctuaのファンはコーポレートカラーでもあるベージュのフレームとブラウンのインペラというヨーロピアンテイスト漂う2色のコーディネートが非常に印象的だ。

 いずれのファンも3pin回転数固定タイプだが、「Ultra-Low-Noise Adaptor (U.L.N.A.)」と呼ばれるいわゆる“減速ケーブル”が同梱されている。これを介する事で120mm「NF-P12」は1300rpm/19.8dBAが900rpm/12.6dBAに、140mm「NF-P14」は1200rpm/19.6dBAが900rpm/13.2dBAにそれぞれ静音化できる。なお軸受け構造は「SSO-Bearing」と名付けられている。

Noctua Noctua
「第1吸気ファン」となる120mm口径のスクエアファン「NF-P12」(DC12V/1.08W/0.09A)のスペックは3pin固定の1300rpm/19.8dBAで、MTBFは150,000時間
Noctua
インペラ部には2ヶ所のV字カットが施されている。これにより少しでも低速で高エアフローを生みだそうという工夫がなされている
Noctua Noctua
「第2吸気ファン」となる140mm口径のラウンドファン「NF-P14」(DC12V/1.20W/0.10A)のスペックは3pin固定の1200rpm/19.6dBAで、MTBFは150,000時間
Noctua
140mm口径モデルにも2ヶ所のV字カットが。インペラ表面は“ザラザラ”タイプで、一般的に“ツルツル”タイプより、より多く風をかき出す力があると言われている
ヒートシンク固定用ワイヤークリップはゴム製アンチバイブレーションブッシュに貫通させ、振動を抑える役割を果たす
コネクタはいずれも3pin。ケーブルはスリーブ状で、付け根部分は熱収縮チューブで処理されていた
Ultra-Low-Noise Adaptor (U.L.N.A.)は2本同梱



付属品と装着方法をチェックする

 ここではリテンションキットとマザーボードへの搭載方法をチェックしてみよう。
 「NH-D14」のリテンションキットは「SecuFirm2」と呼ばれ、自重1000g超えの本体をガッチリと固定させるバネネジ式が採用されている。なお搭載方法は難しいものではなく、比較的容易に作業は完了できる。ただし装着にはヒートシンクにワイヤー固定されている140mmラウンドファンを外しておく必要がある。

同梱品のすべて。各パーツはセット毎に袋詰めされており、必要分だけを事前に用意する事ができる
Intel用リテンションキット一式。これらを組み合わせる事でCPUクーラー本体の装着が完了する
バックプレート裏面には、A:LGA775/B:LGA1156/C:LGA775の刻印で、それぞれのネジ穴を表す
Noctua
バックプレート裏面には、A:LGA775/B:LGA1156/C:LGA775の刻印で、それぞれのネジ穴を表す。もちろんLGA1156とネジピッチが同じLGA1155も搭載可能
マザーボード面にはラバーが装着されている。絶縁およびネジ留めでテンションを掛けて行く場合のクッションとしての役割を果たす
こちらはAMD用リテンション台座プレートと、それに使用するネジとスペーサー
クランク状に曲げられた専用ドライバー(+)。高さのあるヒートシンク間でのネジ留め作業があるため、予め同梱されている。非常に便利
同梱の注射器型グリスは単体でリリースされている「NT-H1」。容量は1.4ml
2つ折り見開きタイプの表紙両サイドポケットにはIntel、AMDのマニュアルがそれぞれ収められていた。PCパーツらしからぬスマートさは、さすがNoctuaだ
“bolts for backplate”4本をバックプレートに通し、マザーボードのネジ穴に合わせる
Noctua
次に台座となる金具を搭載するソケットのネジ穴に合わせてハンドスクリューで仮固定し、プラスドライバーで締め付ける
Noctua Noctua
CPUクーラーの受熱ベース部にIntel用の金具を2本のプラスネジで固定(画像左)。予め外しておいた140mmファン搭載部の下に見えるバネネジのヘッドを同梱のドライバで平均的にテンションを掛ければ作業は完了
この手の大型サイドフロー型CPUクーラーとしてはメモリソケット部分の空きスペースは比較的とられているが、大型ヒートスプレッダ付きメモリの搭載は不可能


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・外形寸法 D130×W140×H160mm
・重量1240g
・素材 銅製ベース/ヒートパイプ(ニッケルコーティング) アルミニウム製放熱フィン
・ファン
 120mm「NF-P12」1300rpm/19.8dBA
 (U.L.N.A.使用時)900rpm/12.6dBA
 140mm「NF-P14」1200rpm/19.6dBA
 (U.L.N.A.使用時)900rpm/13.2dBA
・製品保証 6年間(メーカー保証)
製品情報(Noctua)
 
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