エルミタージュ秋葉原 [COMPUTEX] 最大のハードルはコスト。Cooler Masterが挑む“Vapor Chamber”式CPUクーラーのお値段

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[COMPUTEX] 最大のハードルはコスト。Cooler Masterが挑む“Vapor Chamber”式CPUクーラーのお値段
2012年6月9日 3:54 更新	2012年6月7日取材

　Cooler Master（本社：台湾）の“本業”である冷却カテゴリもご紹介しなければならない。今年の「COMPUTEX TAIPEI」に投入したのは、ヒートパイプよりも高性能な“Vapor Chamber”（ベイパー・チャンバー）を採用する注目のサイドフロー型CPUクーラー「TPC 812」「TPC 612」だ。

COMPUTEX TAIPEI 2012インデックスページ
■http://www.gdm.or.jp/pressrelease/201206/computex_index.html

■“Vapor Chamber”は空冷の限界を引き上げる存在になり得るのか

　解説の前に、まずは今回投入されたサイドフロー型CPUクーラー「TPC 812」のトップ面をじっくりと見て頂きたい。

Cooler Master「TPC 812」

　フィニッシュの美しいトップ面の突起物を見て気が付くのは、6本のヒートパイプと共にレイアウトされた、平たいプレートのようなモノ。これが新たに採用された“Vertical Vapor Chamber”（垂直ベイパーチャンバー）だ。
　CPUクーラーの多くに用いられ、熱移動手段の代表格であるヒートパイプとは原理がほぼ同じVapor Chamberは、中空構造（hollow structure）の内部に液体を封入。熱源で温度が上昇することで気化し、放熱フィンと冷却ファンで冷やされることで液体に戻る。この循環を利用し、CPUコアの熱を効率良く放熱フィンに拡散させる事ができる。
　かつて同じく対流構造の一種である、“ヒートレーン”採用のCPUクーラーが存在したが、いかんせん部材コストがネックとなり、ヒートパイプの手軽さ（コスト含む）には到底及ばなかった。
　ちなみにCooler Masterが新たに投入した“Vapor Chamber”も以前から存在するもの。SAPPHIREブランドのハイエンドグラフィックスカードでは、VGAクーラーにこの技術が使われている事をご存じの人もいるだろう。ヒートレーン同様、コスト面でCPUクーラーとしての折り合いをどのように付けるかが課題だったが、これを採用できるあたりで、世界中に販売網を持つCooler Masterの底力の一端を感じる事ができる。

「TPC 812」のスペック表には“2 Vapor Chamber”と記されていた

搭載ファンは120×120×25mm。スペックは600-2,400rpmのPWM仕様で、ベアリングはLong Life Sleeve Bearingを採用する

　期待の“Vapor Chamber”採用の「TPC 812」は、7月までに登場する予定で、価格は9,000円前後とか。高い冷却能力との引き替えではやむを得ないだろう。外形寸法は、138×103×163mmとなり、現行CPUソケット全てをサポートする。
　また、外形寸法145×79×165mmで“1 Vapor Chamber”仕様で、φ6mmヒートパイプが4本に削減された下位モデル「TPC 612」も発表されている。こちらは市場想定売価が7,000円台となり、約1ヶ月遅れでリリースされるという。

約1ヶ月遅れの8月～9月登場予定となる「TPC 612」

TEXT：GDM 松枝清顕/取材：池西樹/Tawashi

COMPUTEX TAIPEI 2012
http://www.computextaipei.com.tw/ja_JP/index.html
Cooler Master
http://www.coolermaster.co.jp/

■［COMPUTEX] アジア最大級のPC見本市「COMPUTEX TAIPEI 2012」記事インデックス
http://www.gdm.or.jp/pressrelease/201206/computex_index.html
■［COMPUTEX TAIPEI 2011］アジア最大級のPC見本市「COMPUTEX TAIPEI 2011」記事インデックス（2011/6/4）
http://www.gdm.or.jp/pressrelease/201106/01_04.html
■［COMPUTEX TAIPEI 2010］アジア最大級のPC見本市「COMPUTEX TAIPEI 2010」記事インデックス（2010/6/5）
http://www.gdm.or.jp/pressrelease/201006/computex_index.html

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